「人生乗っ取られてるのは累自身…?」累 かさね えびせんさんの映画レビュー(感想・評価)
人生乗っ取られてるのは累自身…?
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ダブルヒロインが段々双子に見えてくる…。あれ?どっちがどっち?という不思議体験ができます。土屋太鳳…ダンスもできてすごい。
原作は1巻を読んだ程度、うろ覚えです。
幼少期のエピソードが後に移動したいて、初見でも『累』がどんな世界観なのか分かり易い構成だと思いました。累は地味な子の設定で、原作の「あまりに醜い顔貌」から変更されていた気がします。(口紅って消耗品じゃないの?とツッコミをいれるのは野暮なのでしょうね…)
舞台俳優と映画、ドラマの俳優とでは何が違うのか分かりませんが、舞台は感情を爆発させるのが特徴なのかな?という解釈です。最初は「私は女優…そう!女優よ!」や「私はカモメ…」といったセリフがくさくて仕方ありませんでした。累が女優として舞台に立つようになって、聞くことが出来るようになりました。
横山裕のミステリアス寡黙キャラがハマっていた。良い…彼は内面を見てた。あとこの三角関係はキツイ!!!
後半になるにつれ、淵母子の闇が明かされて(何となく冒頭から分かってた)、タイトルの鎖ってそういうことかーと納得すると同時に人生を縛るものの象徴なら、累も淵を「重ねて」生かされるのだから彼女自身も縛られてるのでは?と悶々としました。
『サロメ』は本当に舞台を見てみたくなりました。主役を演じきるのは役に飲まれることだそうです。他人の顔を奪って、人生も奪って演じる累のサロメはホラー映画でも見ているようでした。(サロメダンスめっちゃすき。)所々セリフがしゃがれ声になるところがとてもこのみだし、最後の笑みがとてもいい。
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