「climaxが良ければいいってもんじゃない!」累 かさね SHさんの映画レビュー(感想・評価)
climaxが良ければいいってもんじゃない!
基本的な映像と主演の2人が素晴らしかった。それ故に劇中劇の質が予想以上で、舞台劇というものに全く興味がない自分でも、あのサロメには見入ってしまった。当初は、どうせあのケン・ラッセルの映画サロメなんて超えられるわけない、なんて侮っていたけれど、魅力は違えどなかなかどうして捨てたもんじゃないと思えるほどの質だった、そのクライマックスは─
でも、主演2人のほかは完全に端役扱いなところ、説得力のない顔と顔の葛藤、あまりに顔立ちに固執しすぎるところ、よく分からない病気を持ちだして都合良く展開していくところ、などなど、かなりの根幹部に対して不満を抱いてしまって、感動や興奮みたいな感情的な揺らぎはほとんど無かったような気がする。
この映画が主張しているところは強烈に伝わってくるし、質の高い作品だったけれど、個人的にはサビだけだったなーという印象で、それだけじゃあ手放しでは評価はできないといったところ。
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