「結構面白かったです。」サムライせんせい 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
結構面白かったです。
この作品、どうも過去に一度観ていたようなんですよ。アマプラで「もう一度観る」にピックアップされていたので。記憶にございませんなんですが。
スタートしてから、まずよかったと思った点は、なんでタイムスリップしてきたの一切を省いていたところ。
TVドラマもあったようなので、そちらでは描かれていたんでしょうか?
そこ、『戦国自衛隊』って名作に続く亜流で描かれ尽くしてますやん。劇中ではそれが現実なんだから、突っ込んじゃ野暮ってもんです。
下手に描くと、それこそ「なんでやねん!」って、それこそ突っ込んでしまうから。始まる劇に没頭できないから。
タイムリップに付きもののジェネレーションギャップも面白く描かれていたと思います。スーパーに入った瞬間の「冷やこい」サッパリ髭剃り後の「(タオル拭き拭き)おぉ~♡おぉ~♡(笑)」
そのコミカルな劇は、もちろん市原隼人の好演によるものだと思いました。
キリリとした佇まいのイケメンサムライを見事に演じ切っていらっしゃったと思います。
惜しかったのは、坂本龍馬の扱い。せっかくの偉人の登場なんだから、お話にもっと絡めてほしかったです。でもそうすると武市の存在が薄くなっちゃうか。
ラストを安易なハッピーエンドや、お涙頂戴物、おふざけの度が過ぎる安ぽいコメディーにしなかった点も高評価につながりました。
普通に考えれば「あれってバッドエンドじゃね?」になるのですが、観終えて心に強く残ったのって“清々しい爽やかさ”だったんですよね。
切腹で短刀突き当てたその刹那、またタイムスリップしちゃうんじゃね?とかも思ったのですが。そんなんお話終わりませんやん(笑)
私が酷評しがちなエンディングテーマソングも、北山淳貴による『約束』がとてもよかったです。歴史の狭間に散っていった武市を偲び、劇を締めるに相応しい良曲で泣けました。北山さん、高知県ご出身なのですね
テレビドラマver.の関ジャニ∞による主題歌を酷評しようと思って聴いてみたのですが、こちらもなかなかよかったです(但し歌唱力を除く。アレはちょっと擁護できへん・笑)
何故かちょっと気になった細かいことがあるんですよ。
ラストシーンで短刀を取る市原さんの両拳に、何か物を殴り慣れたような“タコ”が見えて。まさか芸能界きっての喧嘩番長?
劇場に見に行った映画を筆頭にここ何作かハズレを引き続けていたので、ちょっとスッキリしました。
邦画って安心して観られるから好き。