「定年の心準備のために、いざ鑑賞ですっ!」終わった人 きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
定年の心準備のために、いざ鑑賞ですっ!
ホームセンターや電器量販店に行くとマッサージチェアー展示場がありますよね。
あの売り場を通ると昼間からジジババが座っていて満席。
「あー、嫌だ嫌だ、歳は取りたくないもんだ」と唾棄して目をそむけていた私。
ある日ふと時間を持て余し、(よせば良いのに) 座ってみた。50万円のパナソニック。
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ハッ!と気がつくと「全身リラックスコース」はとうに終わっており、よだれを垂らして爆睡していた自分がそこにいました。
オーマイガー
映画のジジババとおんなじやん!
で、映画のこと。
【キャスティングミスを思う】
女優黒木瞳について。
以前から彼女のその表情と演技に感じていた硬さ。“対人関係障害”的なもの。そこに鑑賞中に気が滅入ってしまいました。表情も言葉も、閉ざした心も硬くって。
だから
「夫を支えるための美容院計画」とやらが白々しく聞こえるのです。配役ミスですね。
「ひらり」を書いた内館牧子原作ならどーんと腕っぷしの強い母ちゃん像を持って来てくれても良かったのに。渡辺直美でどう?
舘ひろしが奮闘するシーンは爆笑してしまうのですが、妻黒木瞳の出番では冷たい風が吹いて突然別世界に暗転するんですよね。
とにかく普通ではない何かが。
黒木の無表情が怖かったです。定年の夫を迎える妻があれですか?
【深読みしてみた】
恐怖心霊映画「リング」の中田秀夫が監督を務めたとのこと。
「仄暗い水の底から」起用以来、黒木は何かに取り憑かれていて、どこか大切な所が壊れてしまったのではないでしょうか。
ヘヤーサロンが早晩潰れて、桜の木に誰かがぶら下がるような、嫌な予感さえ残すエンディングでした。
オカルト畑の中田監督は、もう、100%のコメディやホームドラマは出来ないんですよ、暗雲や不安な気配が隠しても隠しても出てきてしまいます。
いや、マジで。
内館大丈夫か?
終わった家族。
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舘ひろし、横浜の中華街の雑踏で見ました。黒スーツに黒いグラサン姿。人混みに仁王立ちで何分も動かずに。
どこかでカメラが回っていたんでしょうねー。ニヒルな彼もいい味のシニアになりましたね。
30年前の思い出。
「残る桜も散る桜」
「人間の着地点って大差ない。最後は横一列」
「ネバーギブアップか、散り際千金を選ぶか」
「余生というが、人に余りの生などあるわけがない」
「俺はいわば無期懲役の身だ。模範囚ぶりを刑務官(妻)に示し、主夫をやって余生を過ごすことが刑期をまっとうすること」
いろいろ含蓄のあるセリフが多かったが、結局、妻とも離れ(卒婚)、田舎に逃避してしまうという結末は虚しすぎる。
きりんさんコメントありがとうございます。他人事とは思ってませんよ✨個人的にもう色々ありましたし。
一緒に観た退職されたと思われる方々がこの映画観て余裕をみせていたんですよね💦そのギャップが、、、
周りはたぶん余裕なのか、、、
そのまま巻き込まれましたけど
(周りのおかげで変な世界観だった事は確かです。はい。)