「馬鹿なほど桑田佳祐を礼賛する駄目映画!」茅ヶ崎物語 MY LITTLE HOMETOWN 曽羅密さんの映画レビュー(感想・評価)
馬鹿なほど桑田佳祐を礼賛する駄目映画!
まず第一声!コラ金返せ!
桑田佳祐礼賛映画なら桑田の写真をチラシかポスターに載せろ!
大きく出ている宮治淳一の顔があまりに味があり過ぎるし、中沢新一の笑顔も素敵だ。
BABYMETALファンの加山雄三にも親近感が湧くし、神木隆之介と野村周平も嫌いじゃない。
しかし本作の真の主役は筆者の大っ嫌いな桑田だろう!
桑田が出るなら絶対に観なかったのに…
桑田礼賛色が強過ぎてドキュメンタリー映画として態をなしているとも言い難く、ドラマ部分もやたらと安っぽい。
こんな映画に1800円を払わされてしまったことにガックリくる。
ただし観たおかげで思いっきり本作をぶっ叩けるのは良かったかもしれない。
元々は桑田佳祐もサザンオールスターズも好きでも嫌いでもなかった。
しかしライブで冗談半分とはいえ、天皇陛下を馬鹿にする真似をした上いかにもいらないかのように紫綬褒章をオークションにかけるという態度を映像で観た時は心底怒りを覚えた。
政治信条があって受賞を辞退するなら理解できる。
それなら逆に立派だと感心すらしたかもしれないが、桑田が左翼的政治信条の持ち主ならこの態度は卑劣であり、そういう信条すら持ち合わせていないノンポリなら単なる常識知らずの馬鹿である。
もらっておいてその態度はなんだ!たかが一歌手の分際で何様だ!このクズが!
なんて思ってはいけないが、筆者の中で桑田は、いくら偉大なアーティストだろうが、日本国民としてはどうしようもない人物になり下がり大っ嫌いになった。
その後ことの重大さに気付いて謝罪したらしいが、意気がった代償は高く付いたというところだろうか?
桑田を高校時代から良く知る宮治がおらが町の英雄である桑田を評価するのは良くわかるが、山梨県出身である人類学者の中沢に桑田をあそこまで持ち上げさせるのはちょっと気持ちが悪い。
レコードが山とあふれる書斎ならぬ「録斎」でパソコンに向かって執筆を続ける宮治や、「アースダイブ」という自身の手法を用いて烏帽子岩から始めて茅ヶ崎の歴史を語り続ける中沢はなかなか興味深い。
寒川神社の神紋が三つ巴で波を表していたり、厳島神社や住吉神社の神紋も同様であり、浜降祭の神輿は分霊箱と同意義であることや、裸弁天の由来など蘊蓄満載である。
ただ芸能や音楽の神である阿曇磯良に桑田をなぞらえるのはいかがなものか。
そもそも日本の神様の中心である天照大神の子孫が天皇である。
その天皇をまともに敬うこともできず「売国奴」や「非国民」とまで言われてしまった桑田にそんな資格があるのだろうか?
ただ中沢が言った「不埒な日本人」に桑田が物凄く悪い意味で見事に当てはまってしまうのは、随分な皮肉になっているなと笑ってしまった。
またドラマ部分の賀来賢人演じる鎌倉権五郎景政と須藤理彩の扮した裸弁天の登場はなんだったのか?
先生役の安田顕が意味もなく生徒の頭を出席簿ではたくのには笑ってしまった。
最後に桑田が歌を披露するが、還暦を迎えて随分と顔が崩れたなという印象を受けた。
紫綬褒章の件で叩かれてやつれた結果なのか、加齢に伴う生物的な劣化なのか、よくわからないが、筆者にとっては単に嫌いな人物がスクリーンに登場してただ不快なだけだった。
正直なところ本作は桑田やサザンのファン以外には全く需要のない映画である。