ギリーは幸せになるのレビュー・感想・評価
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ギリーの不機嫌な日常は幸せになる
里親から里親へ、預けられた先で面倒を起こし、転々と。
が、新たに預けられた里親先で少女は…。
話的にはよくある孤独な問題児が周囲に心を開く様だが、しっかりとツボ抑え。
日本劇場未公開ながら好編ハートフル・ドラマ。
12歳のギリー・ホプキンズ。
里親を転々し、福祉員も手を焼く問題児。
口を開けば皮肉や嫌み。学校でもすぐトラブル。いじめっこと喧嘩。
それは里親先にいるもう一人の男の子、通称“WA”がいじめられていた為やり返しただけ。
そう考えると悪い子ではなさそうだが、学校で親しく話し掛けてきた同級生の女の子にはつっけんどん。先生も怒らそうとする。
しかし先生は、ただの問題児ではなく、非常に頭のいい子である事を見抜く。
では何故、反抗ばかりを…?
密かに望みがある。いつか母親と暮らす。
反抗的な態度は本当は愛されたいという思い。
それを知ったように、おおらかに受け入れる里親のトロッターさん。WAの他にギリーも受け入れ、これまでにも10人以上の子供たちを受け入れているベテラン里親。肝っ玉母ちゃん風。
夕食時は必ず皆で。近所に住む独り身の盲目の老人ランドルフさんも招いて。皆、暖かい。
だけどギリーはやはり、最初は反発。ここから抜け出そうと虐待を受けていると嘘の手紙を書く。
しかし、次第に…。新しい家族や学校に馴染み始める。ギリーにとって、こんな事始めてなのでは…?
そんな時、母親がサンフランシスコにいる事を知る。居ても立ってもいられず、会いに行こうとする。
費用が足りない。ランドルフさんからお金を盗み…。
駅まで行くが、そこで警察に…。
トロッターさんの家では、ギリーが家出した事を含め、別件で大騒ぎ。
ギリーの嘘の手紙。虐待を受けている。これを福祉員が信じ…。
嘘である事を告白するが、ギリーのみならずWAも引き離されようとされ、トロッターさんはさすがにショック…。福祉員の言葉が痛い。「君は愚かだ」
さらにその手紙の余波。ギリーの祖母が訪ねてきた。
会うのは初めて。祖母もギリーの事を知らされていなかった。
ギリーを引き取るという祖母。
いつしかトロッターさんたちとの暮らしに居心地を感じるようになったギリーは拒むが、血の繋がりのある親族。ギリーは祖母の元へ。
祖母の家は裕福。不自由は無さそうだが、まだ祖母との距離はぎこちない。
それでも少しずつ祖母との暮らしに馴染んできた時、祖母にある連絡。それは母。遂に会える…!
嬉しさ抑えられないが、その嬉しさは砕かれる。
母はただ祖母に金の無心に来ただけ。娘のギリーにも素っ気ない。そもそも一緒に暮らす気などないようだ。
言い争いになる祖母と母。この親子も確執あり。
ショックを受けたギリーはその場から居なくなる。
気付いた時には…、トロッターさんの家へ。
また一緒に暮らしたいと言うギリー。
ギリーの気持ちを分かりつつも、引き取る親族がいる以上それは無理と諭すトロッターさん。もしギリーがまた一緒に暮らしたら、あなたのおばあ様がまた独りになる。
それでも駄々をこねるギリー。何故私だけ辛い目に…?
応えたトロッターさんの言葉が響いた。
人生は辛いもの。思い通りにはならない。でもその先に、幸せがある。
ギリーがやっと見つけた家、家族。
離れるのは寂しい。
これっきりじゃない。
いつでも会える。
トロッターさん、WA、ランドルフさん、そして祖母。
学校の先生、友達。
皆、ギリーの家族。
ラストシーン、皆集った食事会が幸せ。
手の掛かる子ほど可愛い。
ソフィー・ネリッセが充分愛らしいが、何より周りが豪華!
ハマり役なキャシー・ベイツ、オクタヴィア・スペンサー、グレン・クローズ…皆、オスカー女優!
…と思ったら、そういやグレン・クローズさんはまだだったね…。
DVDとWOWOWではタイトルが違うが、WOWOWの「不機嫌な日常」の方が絶対いい(笑)。
最初はメイム・トロッター(ベイツ)に反発し、弟にあたるWEと呼ばれるウィリアム・アーネストをもいじめてばかりのギリー(ネリッセ)。学校でも男の子5人を相手にケンカする始末で、担任のハリスにさえ反抗的。母親が生きていると知ってるから、会いたい一念でいつも不機嫌なのだった。
ある時、初めて会う祖母が訪ねてきて、実家に連れて帰るが、母親(スタイルズ)が2日間だけ会いに来ると、祖母と母の確執が見えたため、理想としていた家族と違うと思ったギリーはすぐさまトロッターの元へと戻るのだった・・・
可愛らしいという表現がぴったり。また、人生は辛いとこぼすキャシー・ベイツの言葉にしみじみと・・・
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