「.」アトラクション 制圧 瀬雨伊府 琴さんの映画レビュー(感想・評価)
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自宅にて鑑賞。ロシア産、原題"Притяжение"。内容に即さない邦題の副題。ファーストコンタクトものだが、ファンタジーっぽい味付けがなされた所謂“セカイ”系の物語。全篇、至る所でスローモーションが多用され、独特のリズムを産み出しているが、アクションシーンが苦手なのか迫力や臨場感に欠ける。ストーリー自体はありきたりで意外性に欠け、既視感に溢れた上、おセンチなテイストも相まってで少々陳腐に思えた。いい加減ハイテクにより万能感溢れるエイリアンと云うよく見掛ける設定自体、飽き飽きしている。65/100点。
・全体の雰囲気や物語自体は、R.A.ハインラインの『異星の客』を思わせ、水が大切なファクターとして扱われている点も影響が伺える。UFOのユニークな外観は往年の地球ゴマを想起した。グロテスクなエイリアンは登場しないが、パワースーツは『バトルシップ('12)』辺りを思わせる。街での混乱や破壊の描写は、ハズブロ系のを想起するが悪くない。
・未知がもたらす地球的存亡の危機に至りかねない状況に父娘の確執を絡めたのは評価するが、処理や落とし所が消化不良気味にしか映らず、タイトルの意味からも中途半端な違和感が残った。
・最も本作で不思議に思えたのは、“ユリア・レベデワ”を演じるI.スタルシェンバウムが、物語が進む程にチャーミングで綺麗に思えてきた事。そして終始一貫して、“アルチョム”を演じるA.ペトロフが輝きを放ち続けている。
・鑑賞日:2017年12月23日(土・天皇誕生日)
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