「イギリスロックと逃亡劇」ベイビー・ドライバー ll7さんの映画レビュー(感想・評価)
イギリスロックと逃亡劇
冒頭5分では音楽と進行して犯行が進み、カーアクションが広げられるが、
テンポの良さと今後のストーリーを暗示させるつかみが手際よく語られる。
この映画では終始音楽が流れる作りになっているが、主人公の気持ちと犯行がシンクロした際には音楽が流れ続け、
ネガティブな感情が湧き出ると同時に音楽が止まる。
また、ストーリーは逃し屋という仕事から逃亡するというお洒落なテーマだが、ラストは逃げることをやめ、未来に希望を持たせる着地が映画にも気持ちよく収まっている。
配役と音楽について、犯行仲間はジェイミーフォックスとケビンスペイシーと、ゴリゴリのアメリカ人だが、
ヒロインと終盤流れる音楽はイギリスの世界が使用されている(ソウルミュージックやジャズからイギリスのロックに移り変わっていく過程と、主人公の逃亡劇が重なるところがまたうまい)。
ケビンスペイシーが国境を越えろとセリフで言うが、国の配役や音楽を変えることで逃亡の世界を広げている。
たた、ヒロインを危険な目に合わせる必要性に疑問を持ったのも事実。
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