劇場公開日 2017年8月19日

「新しい感覚で楽しめる映画」ベイビー・ドライバー ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新しい感覚で楽しめる映画

2017年12月29日
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鑑賞方法:映画館

興奮

楽しい

ずっと見たかった作品をやっと鑑賞。期待を裏切らない素晴らしい出来だった。
ストーリーは音楽を常に聴いている運び屋の話であり、ジャンルとしてはアクション映画に属すると思われる。
普通のカーアクションとは違って、主人公のベイビーが、聴いている音楽とシンクロするようにドライビングするために、小気味良いテンポで非常に見ていて気持ちがいい。特に冒頭のシーンなんかは音楽とアクション、カメラワークが完璧で鑑賞者は心掴まれる。ここまで、音楽とストーリーに一体感をもたせた映画は無かったように思える。それはやはりエドガー・ライト監督の手腕であろう。
音楽自体もノリの良い曲セレクトで、音楽好きにはたまらないはずである。
音楽を効果的に用いた全体の構成に対してストーリーが弱いという意見もあるかもしれないが、個人的には良かったと思う。主人公と周囲の人の関係性は見ていて飽きなかったし、終盤までの流れも良かった。
他の方のレビューにもあったが、エドガー・ライト監督は最後にアメリカン・ニューシネマ的な要素を取り入れたかったようにうかがえる。それは劇中のセリフからもわかる通り、特に「俺たちに明日はない(Bonnie And Clyde)」なのだが、そこに監督のちょっとした遊び心を感じたとともに、基礎に立ち返ろう的なマインドが感じられて良かった。
一言で言えば、スタイリッシュでかっこいいカーアクション映画なのだが、それよりもこの映画が示した新感覚の演出は偉大な功績であろう。

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ジンジャー・ベイカー