「面白いだけじゃない、年に数本の稀有な作品。」ベイビー・ドライバー 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
面白いだけじゃない、年に数本の稀有な作品。
理屈で考えると、登場人物の不可解な気持ちの変化に納得できない、という意見は、これまでも色々な映画のレビューで見かけますが、この『ベイビー』には納得できるのではないでしょうか?
もし、会社なんかでもこんな新人くんがいたら、なんか力になりたくなっちゃいますよね。見返りとかの打算抜きで。寡黙で何を考えているのか良くわからないけど、いつの間にかやることはちゃんと仕上げてくれるし、何か具体的な根拠があるわけではないけれど、こいつは絶対信頼を裏切らない奴に違いない‼︎そう思えませんか?
ケビン・スペイシーの最後もデボラがついて行くのも、伏線なんか無くても素直に納得できたし、自分がその立場でも同じようなことをしちゃうと思います。
人の心のままならなさと、それだからこその面白さを、これしかない最高の脚本とスタッフで作り上げた稀有な作品だと思います。
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グレシャムの法則さんのコメント
2017年9月25日
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、この役者ならこれでいける、と思わせられるものがきっとあったのでしょうね。そういう計算外の要素が加わって、なんとも言えない魅力的な映画が出来上がったのだとしたら、とても素敵なことだし、それも多分、映画という芸術の醍醐味のひとつなのだと思います。