此の岸のことのレビュー・感想・評価
全9件を表示
【老いた夫婦の、此の岸と彼の岸】
1.此の岸の老々介護
・老いた夫は認知症の妻の介護を独りで続ける。
・自身も薬を飲み、震える手で妻の爪を切ろうとする。
・そんな時に、目についた妻と二人で乗ったボート上での写真。笑顔を浮かべる妻。
・老いた夫は妻と、湖にボートを出す。笑顔の妻が差し出す小さな花束。
・夫はその花を妻の帽子に刺す。
2.彼の岸
・凍てついた湖の上のボートの脇で目覚める夫。
・妻は、ボートの向こう側から笑顔で起き上がり、夫を見て微笑む。
<老いた夫婦の、此の岸と彼の岸の姿を、台詞無き静謐なトーンで描いた作品。
けれども、どんなに辛くとも彼の岸には自らの意志で行ってはいけないと思った作品。>
歳老いてまで生きる事
短編作品第3弾。
歳老いた老夫婦の日常を描いた物語 。2人のみで生活し、嫁さんの方が介護必要により旦那さんが身体に鞭打って介護する。そんな旦那さんもとうとう脳に病気が見つかり・・・
あっそうそう、今回有名人は出ません。
人である故避けては通れない話であるのだが、何かと息苦しい映画。なんせ台詞が無い!!
何故全編台詞を無くしたのか?
老夫婦2人きりの孤独にて行き詰まった感を出したいのは分かりますが、何かと盛り過ぎ。
ラストは苦悩の末に行くお約束ファンタジーか?
バカか?
これ短編だぞ?尺忘れたか?
話積み上げてもいないのにお涙なんか流れんぞ?
他の短編2つが現実路線を貫いた意味が無くなった。
これだけは駄目でした。
怒りがこみ上げてきた!😡
現実とフィクションの融合
淡々と繰り返される出口のない老老介護の日々を、セリフもなく、緊張感を保ったままで描いてあり、まるでドキュメンタリーを見ているような気持ちになる。
だがラストにそのドキュメントが現実ではなく物語であったことを分かる、緊張感のある作品だった。
老々
老々介護の果てに自らも衰えて行く旦那と嫁の話。
台詞が無いのは構わないけれど、無理矢理に喋らせないのは不自然なだけだし、言いたいことは伝わってくるが、演技力が乏しくクドい上にオーバーな演出が残念過ぎ。
良い話なんだけどね…そこまでしなくてもちゃんと伝わるから。
涙が止まらないってレベルじゃない
ユーロスペース最終日に鑑賞。滑り込みセーフ、観客は満員でした。
同時上映の「わさび」「春なれや」が目当て(すいません、でもたぶん全員がそうだと思う)だったけど、これが一番の衝撃作だった(こちらもたぶん全員がそうだったと思う)。
老老介護の果てに、想い出の湖畔で心中を計った夫婦の、セリフのない物語。
だそうだ。本当にそれだけの話なんだけど、それがあまりに現実的で、突拍子もない設定に思えなくて、ただただ怖い。怖いんだけど夫婦がとても仲良く見えて涙が止まらないってレベルじゃない。
とてつもない映像体験だった。早くDVD化してくれ!
よく撮れていたが
よく撮れていたが、高齢者劇団の俳優の演技も上手いが、台詞がきわめて少ない演出は味があったが、メッセージは伝わってきたが、
でもやっぱり、老々介護だと心中もしょうがない場合もあるよね、と伝わってしまう危険性がある映画はよくないと思う。
老老介護の現実
長く連れ添った夫婦。夫が妻を介護するようになり、先のない生活が始まる、、こういうことが身近であったので、観ているのが辛く目を背けたくなりました。
ただとても正確に細やかにその現実が描かれていたように思います。細やかに妻を介護し、季節に合わせた服に着替えさせ、下の介護をする。血が繋がらないけれど、愛情と積み重ねた年月で繋がる二人。
辛く苦しい描写も多いですが、ほんのたまに描かれる日常の些細な幸せがとても輝いて見えます。
誰かと夫婦になること。改めてその意味を考えさせられます。
全9件を表示