「予想を超えた感動」BPM ビート・パー・ミニット ムビタイさんの映画レビュー(感想・評価)
予想を超えた感動
HIV感染が広まる90年代のフランスで実際に存在した当事者団体「ACTUp Paris」を舞台に、活動家たちの絆や愛を、虚実を交えて綴った作品。
いきなり彼らの定時ミーティングの場面から、ドキュメントか?と思わせる導入。ついで過激になる活動の様子が活写され、徐々に物語の主役が浮かび上がる。政治や製薬メーカーに対するギリギリな手法の活動や陽性会員たちの焦り、主人公の恋愛模様と死の影…。
折々にインサートされるクラブで踊る主人公たち、ストロボとハウスビートで彩られるシーンが、物語の進行と共に享楽的だったり、活動への怪気炎だったり、性愛や孤独を写す鏡になったりするのが印象的。素晴らしかった。
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