散り椿のレビュー・感想・評価
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名カメラマン木村大作監督の時代劇
映画館では2018年11月18日イオンシネマ石巻で鑑賞
それ以来3度目の鑑賞
原作未読
髭面の岡田くんは浪人役がよく似合う
タイトルに椿がある時代劇といえば『椿三十郎』を思い出すが内容は全く違う
藩の不正を咎め脱藩することになった剣の達人・鬼の新兵衛が藩に戻る話
坂下家の長女を妻に娶り離縁しないまま共に藩を出て流離の旅をしていたが国に戻る前に病で先立たれる
藩に戻った新兵衛は坂下家に厄介になる
当初は「厄介者」と邪険にしていたがいつのまにか受け入れている坂下家の次男
新兵衛の魅力の全てが詰まっている
新兵衛の親友であり四天王の1人榊原采女は出世したが藩の不正を正すことは忘れていない
しっかりと血が噴き出す
血塗れの岡田くんカッコいい
ナレーターは最後までわからなかったが豊川悦司
こういうエンドロールは大好き
ハリウッド映画は見習え
過小評価している人たちでさえ映像の美しさを認めている
さすが木村大作
自分は時代劇が好きだ
脚本なんかどうでもいいと思っている
重要なのは殺陣の迫力
豪華な俳優陣ならなおいい
僕は特に脚本が悪いとは思わなかった
民放のTVドラマで時代劇はやらなくなった
予算の関係かもしれないが視聴率が取れなくなったのだろう
今の現代人の多くには古くさいもとのと切られてしまったのかもしれない
坂下家の長男が自害したことも理不尽に感じ到底理解できまい
僕は古めかしい言葉遣いを聴くのが大好きだ
着物や日本髪を見ると心が洗われる
コメディー要素がほぼない
黒木華の顔つきを観ていたら作品全体の雰囲気を読み取れる
空虚に感じるのはそのせいだろう
唯一笑えるところは殿の『励め!』
わりと昔は近場で済ませている
それで社会全体としては今よりうまくいってたんだろう
マッチングアプリなんてはなっから必要がない
原作とだいぶ違うのかもしれない
原作ファンには向かない可能性は大いにある
脚本が『雨あがる』のメガホンを取った人で木村大作が映画監督なら当然こうなる
『バックトゥザフューチャー』でさえ楽しめない人が存在するのだから全ての人が高く評価する作品なんてあり得ない
自分だって世間一般の評価が高いとされているアメリカや韓国の連ドラやハリウッド映画の多くを面白いとは思えない
ただ「高く評価している奴は映画関係者」だと主張する馬鹿は出来ることなら斬ってやりたい
岡田准一よ。
ただひたすら美しく人を斬る話
一言で言うと勧善懲悪の話なのですが、いろいろケレンを持たせては人を斬る、という造りになっています。
数々の殺陣のシーンは、それはもう芸術的に美しいです。
撮影カメラマンが監督業に進出して、撮りたい絵をこだわり抜いて撮っては並べたという映画なのでしょう。
こだわり。
その中には、剣と剣がぶつかって刀が歯こぼれするというリアルな点までが含まれているのだと思います。
でもストーリー的には、どうよ、と思うのですね。
お話はケレンだらけでグシャグシャで、爽快感がありません。
そういうわけで、この映画は、殺陣を鑑賞するための映画というべく、もしかしたら外国人に日本の美・あるいは芸術の深さを感じさせる意味でなら、値打ちのある映画なのかも知れません。
外国で公開されるのなら、の話ですけどね。
映画において、ケレンは必要最小限に留めないと、観ている側が困惑するだけの作者サイドの自己満足に陥りかねないのだな、と感じました。
そのほか、浪人時代の岡田准一の贅沢きわまりない暮らしぶりや、奥様の娘じみた服装について、時代考証の人は違和感を感じなかったのでしょうか。
若殿の初めてのお国入りが、馬に乗って、わずか数騎で……なんていう、およそあり得ない構図を、どうして許してしまったのでしょうか。
私はあらゆる部分に違和感を感じ、背中がモゾモゾしましたよ。
しょせん監督の器でない、単なる撮影カメラマンのこだわり映像集に過ぎない、と醒めた目で観るしかありませんでした。
黒澤明を感じる!
ただの時代劇じゃない。
美しい自然、日本映画の美学
岡田准一の殺陣の鋭さ
2017年末に66歳で身罷った、時代劇作品を連作した直木賞作家・葉室麟の、『蜩ノ記』に続く映画化第二弾で、名カメラマン・木村大作の監督としては三作目の作品です。
『銀魂』『パンク侍』『のみとり侍』といった奇を衒った時代劇が多い中、本格時代劇映画としては2018年唯一の作品として、正統的で重厚な造作の作品でした。
時代劇らしい気品と風格に満ち、更に日常の暮らしの中に現れる日本の四季の移ろいの清澄な美しさの描写には心和みます。
嘗ての木村カメラマン撮影の時代劇では、現代劇同様の寄せのカメラワークが多くて大いに違和感があったのですが、その後東映京撮で鍛えられて、本作では引きの絵面を巧く組み合わせており、その点でも時代劇らしい落ち着いたフレーム取りになっていたと思います。
但し、とにかくテンポが余りに緩慢で、而も抑揚のないストーリーにも関わらず各シーンに於いて間を引っ張り過ぎた結果、尺取りが冗長でした。主人公の主義信条も、堂々たる大義を貫いているようで、一方でただ女々しいだけのような、どうも釈然としない茫洋とした印象が最後まで拭えません。従って感情移入しきれないもどかしさを持ち続けてしまいます。
また淡々とした展開ながら、過去と現在を行き来して人の出入りが多く、動的な場面もないまま何だかやたらとストーリーが複雑な印象を残しながら話が進むために観衆に朦朧感茫漠感を抱かせて、敵味方の在り様が明瞭でないままに、やや強引に白黒の線引きをつけてラストに持って行った気がします。
ただ、それほど多くはなかったものの本作の殺陣は最近になく大いに見応えがありました。とりわけ岡田准一の低く構える姿勢と機敏な太刀捌き、剣を交わす動きの敏速さは目を瞠りました。いわば秒殺の剣です。
特に本作では、雨中、雪中の剣戟シーンが多く、それゆえのモノトーンでの激しい殺陣は一挙手一投足の動きも鋭利に見え、斬り合う緊迫感は尋常ではありません。中でも一番の見せ場は、岡田准一と西島秀俊が奥田瑛二扮する城代・石田玄蕃たち郎党のいる社へ討ち込むシーンです。雨中での殺陣回りはそれなりの迫力はありましたが、ここは引きでなく寄せでカット割りし、悪を滅ぼすカタルシスを一層強く体現してもらいたい処でした。
余談ながら、私にはこの二人だけの討ち込みは、任侠映画の名作シリーズ『昭和残侠伝』のお馴染みのクライマックス、花田秀次郎(高倉健)と風間重吉(池部良)、花と風の男二人の道行き殴り込みに交錯する、義理と友情と矜持と正義を貫こうとする男の生き様を象徴していたように見えました。風間重吉同様に西島秀俊が斃れ、残った岡田准一が尚一層憎悪と憤怒を以て立ち向かう処も重なります。
【外連味の無い正統的な美しき時代劇 岡田准一さんの、裂帛の気合の殺陣に魅せられた作品。】
ー木村大作監督・撮影、小泉堯史脚本とくれば誰でも分かる黒沢組。正統派時代劇で来るだろう、と予想。ー
原作、葉室麟とくれば、その思いは確信に近くなる。
(小泉堯史は葉室麟原作の「蜩の記」でも脚本を書いており、主演は岡田准一(裂帛の殺陣が凄かった)であった。)
予告編やフライヤー(7頁もある)からも木村監督及び配給会社(東宝)のこの作品にかける想いが伝わって来た。
本編は、予想通りの展開で進む。(原作の世界観から逸脱することなし)キャストは錚々たる布陣である。記憶に残っているのは麻生久美子さん演じる瓜生篠さんの儚げな美しさと、城代家老石田玄蕃演じる奥田瑛二のこれぞ悪役!という演技。
ラストの瓜生新兵衛演じる岡田准一の殺陣が凄まじい。
とても面白かった作品だったし(個人の感想)、あれだけの布陣で臨んだ作品だったのだが、思ったより興行収入が伸びなかったのだなあ。(天候の影響:台風)があったのかもしれないが・・・)
この作品の後、本格的時代劇がスクリーンにかかることは(2019年10月現在)ほぼなくなり、コメディ要素を絡ませた時代劇(含む算盤時代劇)が上映されるケースが加速した・・。
<2018年9月29日 劇場にて鑑賞>
ゴッドファーザー。
もったりストーリーときれきれアクション
藩の不正はサイドストーリー
映像は美しい
単純につまらない
またまた監督作品としては物足りず、映像のみ。
原作小説未読。ある人物の不正を訴えたが認められず藩を追われ、8年後に戻って来た主人公の物語。
雪降り積もる城下シーンから期待は募るが、大抜擢とは言えない俳優陣を無難に役として淡々と置きながら、淡々と物語を進める。
深みのあるストーリーで無かった事に残念である。
映像的には殺陣など眼を見張るものはあるが、「刀の鍔を乗り越え一瞬で相手の手首の筋のみを切る。」や「ラスボスを倒す前にいきなり大雨になる。」など、あの映像・音じゃあり得んだろ的もあり、良い撮影も悪い演出・脚本で台無しに。
以下かなり個人的に思う事。
緒形直人の扱いどうかね?久しぶりに大型映画に出たと思いきや、また憎まれ役かい?。昔から知ってるが2000年以降は不運しか思えんぞ?業界に何があるとしか思えないw
また、石田大作監督。「劒岳」も「春を背負って」も観てるが、監督としてはまだまだ一流では無いと思う。アカデミー賞の時吠えていたが、監督としては吠えるべきでは無い。ただのじじいの遠吠えだ。
黒澤にはなれんよ。そう思う作品である。
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