散り椿のレビュー・感想・評価
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堂々たる
見事であった。
昔ながらのやり方を頑なに変えない感じで、ドンと据えられたカメラが印象的だった。ほぼ動かない。カットを重ねる事も少ない。
ただ…それが最良かどうかは別の話だ。
俳優陣の練度が低い。
多くの演者は「時代劇だから」という呪文に囚われているようでもあった。もしくは俺が「時代劇なのに」って呪文に囚われてるのか。
棒読みの台詞回し、不自然な立ち姿、座している時の両手…残念ながら馴染んでなく、違和感の塊だ。
以前は、そうではなかった。
俳優という仕事をしていても、時代劇を目にする環境がないのだなと思う。
そんな中で、岡田氏と渡辺氏は見事。
岡田氏には修練と探求の結果が、渡辺氏には解放が見えた。
黒木さんも凄い良くて…さすが、女優を撮るのは上手いなあと、衰えぬ手腕に感心。
動かないカメラが映し出したのは、役者としての地力でもあった。
殺陣もちょっとお目にかかれないようなカラーで楽しかった。
外連味を殺陣の手には極力入れたくなかったかのようにも思うのだけど、あまりに高次元なやり取りに、かえって外連味が際立つかのような…そんな論理的なアプローチから組み上げたエンターテイメント、みたいな不思議な感覚だった。
だが、何にせよ芯である岡田氏の練度が恐ろしい程高みにあるので、説得力も十二分にあった。
総じて「王道時代劇」とカテゴライズはされると思うが、本格と付くまでには至らず…時代劇というジャンルの浸透してなさ加減が浮き彫りにもなった作品だった。
いや…最早、時代劇のDNAは途絶えたのではなかろうか?
現状、コレ以上に時代劇を撮る上で最適な環境があるのだろうか?多分、ない。
被写体に問題がある。
一流料亭で、脂の乗ってないサンマを出されてる様な感覚…なのである。
そもそも一流料亭でサンマを出すかどうかは疑問ではあるが、それはまた別の話だ。
その空間を楽しむ
言い方は悪いですけど、内容はそんなに期待せずに見に行きました。
期待は時代劇と岡田准一、西島秀俊、そして黒木華。
でも、見ていて美しく綺麗な映画だなぁ、と、そしてその映画の中の落ち着きというか静けさに、日々の暮らしの中の静謐な空間に居てる心地よさを感じられる作品でした。
CMで岡田vs西島の戦う場面が使われていたので、どういう設定でこうなったんだろうと気になっていましたが、そこはこういう意味があったんだと、私も気持ちよく騙されていたり、黒木華の佇まいの可愛さに、やっぱりこの子は上手いなぁと思ったり。
普段は推理ものだったり、華やかなものを見る方がスカッとすると思っているのですが、やはり、時代劇ならではの作品も見たいなあ、と思わせる作品でした。
これはテレビではなく映画で正解の作品だと思います。
良い映画でした
安心してゆっくり鑑賞しなおかつ感動できる映画です。
武士とはこうあるべきみたいな日本人の気持ちをきちんと表現して裏切らない。岡田君の殺陣の素晴らしさで周りがみんな上手く見える。あの低い構えからの殺陣は本当に素晴らしかった。そして麻生久美子の美しさ、感動ものです。日本の古き良き心と暮らしの全てが詰まっていました、
美しく繊細な描写と設定にズレを感じる
映像が美しい。
さすが巨匠。
「日本を代表する映画」といった趣。
岡田くんの殺陣がすごすぎて、周りの人がかすんで見えてしまった。
繊細な描写と造りこまれた背景などからみると、妻との約束を果たすため、という設定がややチープか。
池松壮亮さんはおでこの形的にちょんまげが似合わないのか、それともある意味で似合い過ぎているのか。
セリフが棒読みにしか感じられないけど、あれはあれでいいのか。
秘めた想いのぶつかり合い、その果てに…
原作は既読です。
原作からの換骨奪胎が程良い感じでした。藩の隠密組織が登場したり、若殿襲撃の場面がもっと大掛かりであったりと、エンターテインメント性が強い作風の原作でしたが、映画版はそれらを思い切って削ぎ落とし、登場人物も極力減らして、人間ドラマに重点を置いているように感じました。
時代劇としては珍しく、全てのシーンをロケーション撮影していて、日本の美しい風景や建造物の数々が登場し、画面に彩りを与えると共に、物語に奥ゆかしさを加味しているような印象を受けました。こんな景色がまだ残っていたのかと目を見張る想いでした。それを捉える木村大作のキャメラ・アングルの巧みさ…。眼差しの素晴らしさに感極まりました。
ひたすら、妻への深い愛故に行動する新兵衛(岡田准一)の姿が涙を誘いました。かつて四天王と称された仲間たちとの深い絆にも胸が熱くなりました。青春時代を共にして、未来への希望が光り輝いていた美しき日々―。やがて酸いも甘いも知った大人になり、それぞれの道を歩み始めていた彼らを非情な運命の流転が否応無しに包み込んでいきました。
石田老中(奥田瑛二)の権謀術数が彼らをとことん追い詰めていき、過去の斬殺事件も絡み合いながら、壮絶な終局へとひた走っていきました。老獪でふてぶてしい石田老中に怒りが燃えたぎりました。新兵衛の妻・篠(麻生久美子)の死も、間接的には彼のパワーゲームのせいだと言えるかもしれません。
新兵衛が仇討ちへ向かうクライマックスでは、激しく降る雨の中で繰り広げられた殺陣の美しさに見惚れると共に、刀を振るう彼の胸の内を想像すると、涙が溢れました。
岡田准一も参加した殺陣演出が息を呑む迫力でした。流れるような素早い剣戟…。華麗な動きに魅了されました。殺陣に籠められた気迫がスクリーンから伝わって来るようでした。
「椿三十郎」で時代劇に変革を齎した鮮血の美学がオマージュされていました。迸る夥しい鮮血が、顔や着物を濡らしていく…。静謐な物語に血しぶきが加わることで、人生が持つ壮絶さや荒々しさを表現しているように感じました。新兵衛の鬼気迫る殺陣と共に、秀逸な演出だなと思いました。
※鑑賞記録
2019/09/22:レンタルDVD
2022/04/03:Amazon Prime Video
※修正(2022/02/06)
映像美を堪能。撮影出来る限界を追求しているかのよう
富山の四季が美しい。(五色八重散椿)散り椿が咲き終わってからスタートすることで春から四季の移ろいを見せる。劇場でキャメラマン木村大作映像を堪能。
雪がものすごく降っていたり雨が降っていたり霧が出ていたりと撮影条件が困難と思われる条件が次々登場、ギリギリみられる光量も狙っているかのよう。俺の撮影技量を見ろ!ってことか。
ライトがバンと当たっているような映像は一切ない。
紅葉バックの黒木華の顔がきれいかった。
岡田准一は主演、殺陣、撮影者にクレジット。クレジットは全員本人の直筆と思われる。麻生久美子がペン字の先生ばりにきれい。皆楷書で書くようにいわれているようなのに監督だけ崩し字。
四天王と云われている同門の4人剣筋が違う。岡田准一の重心の低さ!体術も披露、さすがのキレ。
西島秀俊の最後の力の抜けた暗殺剣のような動きが印象的だったのにあえない最期。対決シーンは相手が悪い。
池松壮亮だけちょんまげが似合ってないというか子供っぽい、ラストサムライを彷彿。
富司純子の演技が浮いてる。
主君の警護が薄すぎる。
岡田准一の役が無頼漢すぎる。8年前ホンマに仕官してたとは思えない。思ったことを口にするのはいいが不敬極まりな
い。あれじゃあ傾奇者
でも格好良い。月代剃らないのズルい。
最後の鬼が凄い
『ひとは大切に思うものに出会えれば、それだけで幸せだと思うております』
葉室麟に捧ぐとあった。昨年亡くなっているのか。
享保15年1730年
撮影をしたのが2017年5月15日~7月5日
時代劇としては特異な全編オールロケ
夜のシーンは二度だけ
上に照明をつけない
城は彦根城、道場は長野の松代
国泰寺
重要文化財・浮田家
富山県にある国登録有形文化財の「豪農の館・内山邸」は榊原家
今回唯一ロケセットで建てたのは坂下家
残雪の日本アルプス
音楽がゴッドファーザーのテーマに聞こえる
基本的に常時3台のキャメラを回し、多い時には5台
榊原采女の義父・平蔵役で出演もしている木村。岡田准一が平蔵の絶命するシーンで撮影を担当
地元撮影の時代劇はいかんですな
ストーリーはともかく、監督の「この美しい画像をとりたかったんだ!」集な感じがしました。また、まだ原作を読んでいませんが、原作を読んで、頭の中で描ききれなかった美しい景色や情景をダイジェストで見るにはとてもよい作品だと思いました。
それに、背景の屏風がゴージャス!!!えええ!!!あれが!!!あの、あの!美術品が!!となりました。展示で一度みたら絶対に忘れられない、あの迫力の龍。写った瞬間気づきました。どえらい。
ただ。ただ。
はじめの、女の子が助けられるシーンとラストの黒木華の里美が見送りするシーンが、私の小さい頃の犬の散歩道だったことから、スクリーンでいくら切り取られていても、カメラに入りきらないその周りの道路などが360度・前後500mの範囲で脳裏で広がってしまったため、世界観に入れずじまいになってしまいました・・・トホホ・・・。
他にもいくつかそういうところがあり、雑念だらけで観てしまいました。
監督が徹底的に、現存するものの中で現代のものが写らないように作成するというこだわりを聞いたことはありますが、そのこだわりを台無しにする自分の脳みそを恨めしく思ったものです。
侍としての所作の美しさに関しては、やはり西島秀俊さんが圧巻でした。大奥で鍛えられたからでしょう。かもし出す雰囲気が違います。正座するときにすそを払うしぐさ。私自身、普段着物を着るほうなので、「それが自然に出るとは!さすが!」とため息がでました。
ふるさと自慢になってしまいますが、富山の景色は、大画面で見るに堪える景色だと思います。
小さい頃の犬の散歩道だったとはいえ、杉並木を歩くとき、剣岳を見つめるとき、どんなに勇壮な空気を感じさせられることか。ちなみに、あの杉並木のある眼目山立山寺(さっかさんりゅうせんじ)こと、さっかの寺は、年末の除夜の鐘がつけます。有志の方による、ぜんざいのふるまいもあります。お寺自体は、一度火事で消失したため、あまり威厳のある建物ではありませんが、撮影箇所の奥の森が私は好きです。時々カモシカも出ます。ぜひ行ってみては。
場面、場面は良いのだけど
俳優陣、風景など場面 場面の描写は良いのだけどストーリーが薄い感が。
あと、俳優陣の年齢層を統一して欲しかった。
四天王の歳ぎバラバラだし。岡田くんの嫁が麻生さん。
少し、違和感があった。
岡田くんは良い俳優になったとは思った。
殺陣が見事
岡田准一自ら手がけたという殺陣が見事。スピード感溢れる斬新なものになっている。本筋の物語はウェットにすぎる。邦画のダメな部分が出たと思う。最後まで物語に乗り切れず終わってしまった。場面場面で美しい画はあるものの、それが感動にまでは繋がらないのが残念。美しい映像、豪華な俳優がそろっても面白い映画になるとは限らない。
3役!
岡田准一、今回は主演、殺陣、撮影と1人3役。
特に殺陣のキレは見事!
日本刀の切れ方がリアルでぞくっとする。
立山をバックにした乗馬のシーンはさながら
西部劇のような迫力。そうかと思えば、雪や
題材になった散り椿の美しいシーン。
映像の美しさ、殺陣のアクションと十分楽しめる作品
岡田准一はカッコイイが
とてもとても美しい映画でした。
岡田准一の殺陣は素敵でした。
黒木華とかおばさんの人(名前忘れたわ)は良かったけど、他のおじさん達が今ひとつで、見ていて力が入りませんでした。
ただただ美しい時代劇を撮りたかっただけなのか、なんか、もったいない感じがしました。
岡田よし、もったいないよ。
やっぱり、脚本がありきたり。
悪代官が、単純な悪代官だから、
わかりやすい水戸黄門みたい。
深みがない。
親友と、親友の愛した女性を妻にしてしまった苦悩、
藩の内部の汚職と、それに真っ直ぐ対抗するもの、
切腹したもの、脱藩させられたもの、
上手く描けば、ものすごく深い物語になる。
岡田も雰囲気よくて、殺陣もよくて
映像も綺麗。
だけど、物語が、単純で、しかもどうにも腑に落ちない
流れと、結末。
岡田准一かっこよすぎました
とても美しい話であるのですが終始トーンが暗く話も難しいので申し訳ないですが眠気が…。
ただ業界屈指の侍が似合う岡田准一、西島秀俊の殺陣は見応え充分。
ラストの雨のシーンだけでお金払って見る価値がありました。
最後に、
正しき道を進むことが幸せになるとは限らないという現代にも通じる話、悲しいですね。
荘厳な感じが良い
この思いがどれ程重いのか?
あまり分からないまま
淡々とした物語
大きな物語ではない
皆の思いは一つではないが、何時しか収束していく
上に従うもの、自分の思いに従うもの
この感じがどこまで続くのかと思いながら観入ってしまいました
昔の様に世界で評価される作品になるのでしょうか?
ただ、少し強過ぎ・・・・ですかね
美しい所作、映像、想い
木村大作監督のこだわりが昇華した画像の数々に、ため息がでました。
まず俳優陣の、抑えた中にも緊迫感と心の動きがあふれだす佇まい。
監督の要求に十分すぎるほど応えられた役者の方々に拍手です。
そして時間の経過を、折々の日本の四季で現す演出。
帰省した若殿が「ここの自然は素晴らしい」と言うのも納得。
そして自由に結婚することが許されない時代の、市井の人々の胸のうちが切々と伝わってくるセリフやカット。
ここまでは良いところ。
ストーリー的にはいまひとつでした。
原作未読なのですが、「不正事件の真相」を巡る部分が弱く、「三角関係のもつれ」とも言えてしまう恋愛面に比重が傾いた感じ。
なので美しいもの、完成度の高いものを観たという気にはなりましたが、感動という意味では微妙な作品。
なんか勿体無い…
いまはなき日本か、
侍、義、そして手探りの愛、
ずっと信じられずにいた愛を相手を失って、
しかも、かなりの時を経て知るとは、
今を大切にしてない自分を考えさせる一作。
他の方が触れているように風景が美しい映画です。
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