劇場公開日 2018年3月3日

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「けっぱれ!」生きる街 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5けっぱれ!

2019年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 震災の映像は全くないのですが、最もリアリティを感じたのが民宿で一人で伝票整理をしていた時に起こった停電。千恵子(夏木マリ)が聞いていたトランジスタラジオと、懐中電灯も常にテーブルの上にあるのだ。頻繁に起こったであろう余震と停電。トラウマに悩まされながら、ブルブル震え、そして朝を待つ。この時の鹿の映像もなかなか良かった。

 千恵子を中心とした家族たちの人間模様。それぞれに悩みや不安を抱え、生きることに正直であること。それでも復興はまだまだ進んでいない現実。区画整理、宅地造成だけは出来上がっているのに家を建てる人がいないこともわかる。

 韓国青年ドヒョンが持ってきた一通の配達されなかった手紙。千恵子の夫に宛てた手紙には写真も同封してあった。津波で全て流されてしまった人たちには写真すら一枚も残ってなかったことが切実に伝わってくるのです。

 そして、震災前のことだが韓国人ヘイトの問題もこっそり取り入れ、人との繋がりがとても大切なんだと訴えてくる。甘えてばかりの自分が恥ずかしくなるくらい、石巻の人たちは頑張っている。受け取り方は人それぞれなんでしょうけど、言い訳ばかりしてちゃダメなんだなぁと、今になって思う・・・

kossy