「懐かしい痛み」50年後のボクたちは ROKUxさんの映画レビュー(感想・評価)
懐かしい痛み
リチャード・クレイダーマンの『渚のアデリーヌ』を聴くたびに、この作品を思い出しそうだ(笑)。
14〜18歳ぐらいの間に、少年は(たぶん少女も)忘れられない夏を経験するのだ。
何もかもが気に入らなかった、あの頃のやさぐれた気分や、女の子に対する興味と憧れと恐れみたいな感情がうっすらと蘇ってきて、胸がちょっと切なくなった。
主人公が、憧れの女子生徒の誕生日パーティーに乗り込んで自分の描いた絵を渡すシーンは、まるで中学生の頃の自分を見ているみたいでとても照れくさかった。
それにしても50年後の約束ができるってことは、その若さをいまキミが持ってるってことは「本当に素晴らしいことなのだよ」と、若い人には伝えたい。そして年寄りには「50年後にはこの世にいない者がエラそうに指図するんじゃないよ」と警告したい。
日露戦争の終結が1905年で、その50年後といえば1955年。その間にどれほどめまぐるしく世の中が変わったか思い出してみるといい。
閑話休題。
ロードムービーには傑作が多いのかも。『レインマン』しかり、『スケアクロウ』しかり。旅は人生のメタファーだ。
コメントする