「現在進行形の子供たちの物語」50年後のボクたちは バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
現在進行形の子供たちの物語
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終始、大人のノスタルジーでなく、現在進行形の子供たちの物語であることがよかった。“過ぎ去ったあの夏”を懐かしむ後ろ向きなムードは一切なく、マイクもチックもこの現代を生きている子供たちなのだ。
リチャード・クレイダーマンのピアノ曲が旅のBGMになるのは原作の通り。監督はどこかで「皮肉をこめて使った」と発言していたが、多種多様な音楽に混ざることで、クレイダーマンの曲もダサさから一周まわって肯定的に響いているように聞こえる。それもきっとこの映画の力なのだと思う。
チックのその後をイラスト調で描くエンドクレジットでブタの姿をしたおばさんが出てくるのは原作を読んでいないと意味がわからないと思うが、原作とはまた違った“その後”がより開かれているように感じられた。これも自分がこの映画にすっかり惹きこまれた証拠なのだろう。
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