デヴィッド・リンチ アートライフのレビュー・感想・評価
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昔からあんな感じ
鬼才デビッドリンチが幼少期から「イレイザーヘッド」を監督するまでをアトリエで何か知らないものを延々と創作し続け、引っ切りなしにタバコを吸いながら当時を振り返るドキュメンタリー映像。
あの年齢で幼少期のカラー映像があるのは相当裕福な家庭だった事は想像がつくが、定番通り道を逸れつつも創作活動を辞めなかったのは生粋のアーティストという事なんだろう。
昔の作品を見ても不気味、不協和音、意味不明のオンパレードで、好きなものが今と一切変わっておらず、作られたものではない本物感が伝わって安心するw
ただし映像作品としてはドキュメンタリーに徹したからだろうか終始抑揚がなく退屈さは否めなかった。
不穏な
始終不穏
新しいアイデアに過去が色を付ける
主にフィラデルフィアでの幼少期及び青年期のデヴィッドリンチのアートワークや人生の過ごし方を自分語りで淡々と回想してゆくドキュメンタリー作品。勿論、これを観てあの異空間な世界観を全て語り尽くすことが出来ないのは当然である。それに天才は勿論才能だけはなく、それを没頭する超人的な集中力というものがデフォルトで備わっているものだと改めて感じる内容である。結局、『ヘッドイレイサー』を制作する迄の経歴なので、それ以降の話は無いから長いようでいて、あっけなく上映が終わるという感じだ。実はそこからが面白そうであり、興味をそそられるのだが。何故かというと、たまにアトリエで作品を製作中に小さい娘と戯れるカットが映し出されるが、過去を振り返っての話では前婦人との間に娘さんが産まれているという件もあり、その間のプライベートに俄然興味を引く造りとなっているからである。でも、その話は無い。凄く肝心な所でハシゴを外されたような感覚に陥ってしまうのは自分だけだろうか?小さい頃に経験した奇妙な出来事や、家族に与えられた貴重な経験は、凡人ならば大人になるにつれ忘れてしまう。しかし、天才はそれをキチンと脳のシワに刻み込み、そしてそれを自分の解釈でプロダクトする。改めてこの不世出の監督の凄みを垣間見た作品である。
イレイザーヘッドまでの生い立ち
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