RAW 少女のめざめのレビュー・感想・評価
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そこらへんのホラーよりグロい
ベジタリアンの女の子が、人肉に目覚める話。自分だけじゃなくて、お姉ちゃんもとは驚いた。後半になれば、あなたも?!って人も目覚めてたのが分かる。
グリーン・インフェルノとかで人肉は大丈夫と思ってたけど、この映画はダメだったー。お姉ちゃんの指のシーンとか、あかんってあかんって!って思いながら観てた。代わりに安楽死させられた犬が不憫すぎる。
痒さからはじまる痛みの総合エンターテイメント
TITANEを観終え、ジュリア・デュクルノー監督が三部作と語る道程を遡ろうと決めた。結果、やっぱり痛かった…。
兎の腎臓を食べた後のアレルギーな掻きむしり、ブラジリアンワックスで皮膚が伸びる。そんな既知の痛みを描写するからこそ、カニバリズムな痛みもリアルに痛い。痛みの輪郭がはっきり見えるからこそ、姉妹の苦悩もしっかり伝わる。
ヴィーガンによるカニバリズム。ゲイとのノーマルなセックス。先輩らからの理不尽な圧力と、音楽による解放。観ていて脳が不安定になる要素は、TITANEの車とのセックス(そして妊娠)にも薄ら繋がるのだろう。カニバリズムの目覚めと性の目覚め。そしてカニバリズムを知って、家族を知る。
多少その描写は歪んではいるが、テーマは家族。王道です(痛いけど)。
ベジタリアン
お盆休みが退屈すぎてカニバル映画ばかり観ているうちの、2本目。
ベジタリアンが初めて肉を食べる
↓
目覚める
↓
姉も!?
↓
妹、セックスでなんとか自我を保つ(食人行為との置換)
↓
姉、ついに生きている人間を食べてしまいエンド
↓
母も!!?(セックスでなんとかry)
思いのほか衝撃的な展開で、グロいというより痛々しい場面が多くて、しょっちゅう画面から目を背けてしまった……
ベジタリアンという生き方、獣医という職業を選んでいるのは、せめて人間以外の動物の命だけは尊びたいという食人一族のエゴなのか???
犬を安楽死させるくだりで父親が言う「人の肉の味を覚えたから危険だ」と言うセリフが後々効いてくる。
ちなみに私もセミベジタリアンなのだが、たまに久しぶりに肉を食べると、肉の味の生々しさにギョッとすることがある。その動物が生きていた頃に使っていた筋肉などの食感(触感)がそのまま歯や舌に伝わる、というか。
その感覚を映画にしたような感じ。視覚的に共食いの感覚も重なって、かなり気持ち悪い。
余談だが、狼に恋した女性が生肉を食べたり奔放にセックスしたりした果てに野生に帰っていくドイツ映画「ワイルド わたしの中の獣」を思い出した。感覚的に似ている。
ショッキングなテーマだけど青春物語
心して観に行ったのだけど、グロテスクなシーンもスタイリッシュで目を背けることなく観られた。笑
カニバリズムの欲求やきっかけを描いた?話なのかと最初は思っていたのだけど、そういう一族だった、というオチでそこは少しがっかり。
ただ、「人肉を食べる」という行為はいろんなもののメタファーとして表現されているのだなと。
恋であり、セックスであり、愛の入り口なのかもしれない。
主人公の少女はおとなしいどこか冷めた感じの子で、獣医学校の寮生活への歓迎イベントなどの通過儀礼はどれも不愉快で不安なものとして受け取っているけど、本能には逆らえず。姉に反発しつつ、導かれながらも大人の階段を上ってゆく。
肉を食むシーンはエロティックでした。
人肉を食べるというテーマはショッキングではあるけど、紛れもなく少女が大人になっていく青春物語でした。
DNA
カニバリズムの話だった。
だったけど、それだけでも無かった。
ベジタリアンとして育てられた彼女は、両親からある意味保護されていたのだと知る。
慎重に慎重に、姉と同じ業を背負わぬようその本性を抑えられていた。
いつかは爆発する爆弾を抱えてるとも知らずに彼女は生きてきたわけだ。
ラストの彼女はもう野菜を食べられなくなっていた。
どおにもグロテスクな内容だけど、それほどおぞましいわけでもない。
苦悩が語られていたり、同族への憐れみや理解を示してみたり、ノーマルである先輩たちがキチガイじみていたり…柔らかい調べのフランス語だったり、抽象的なカットだったり、彼女のあどけなさであったり。
そんなモノが重なって、カニバリズムは影を潜め、その他の事柄に色々考えさせられる作品だった。
なのだが…
あの姉妹の衝動は誰から受け継いだものなのだろうか?やはり父なのかなあ…。
と、思いながらレビューを見てたら父親の体にある傷は母親の衝動によるものだとの記述があった。
だけど、自分を食おうとする女性と結婚するなんて筋金入りの変態だなあ。
抑圧
成長期に「性欲」や「生理」や「食欲」を我慢出来ないのに、何故だか隠したり無理して抑えたりするのってなんでなんだろう?と思っていたのですが、私は無意識のうちに社会からの抑圧を感じていたのかもしれないと思いました。
作品は、社会からの抑圧をものともしない少女の姿を「カニバリズム」という反社会的な姿で映し出していました。少女の自立心や成長をこの様な形で描いた監督に、男性が求めるステレオタイプな女性像に対する強い抵抗心があるのかもしれません。つまり、ジュスティーヌ姉妹の「カニバリズム」が象徴するもののひとつに、女性の自立も含まれるのではないでしょうか。
ラストの父親の告白についてですが、「母親世代は社会から抑圧され、自分を隠さざる得なかった。現代女性は本来の自分を表現して欲しい」という監督からのメッセージの様に聞こえました。カッコ良い監督です。
で?
観てる間は面白いんだよね。色々大変そうだなあって。
お姉さんは体質を知ってるのに肉を食べさせるから「一緒に苦しむ人が欲しかったのかな?」と思ったり、妹の優秀さにイラつくシーンも出してるから、ちょっとした妬みでやってしまったのかと思ったり。
お母さんが異常に肉を食べさせないようにしてたから、多分お母さんも知ってるんだろうなあと思って観てたら「やっぱりそうか」ってラストなの。
面白かったけど、だからなんなんだろうなあと思ったね。
血肉沸き立つ
興奮と満足感が止まらない。
冒頭から引き込まれて、怒涛の展開に血肉が沸き立ち、抗えない本能的な狂気と極みの愛に圧倒される。
獣医学校のガラの悪さにびっくりしつつ、クラブの乱痴気騒ぎにドキドキしてたまらなくなる。
賢く控えめで地味だったジュスティーヌが、目付きも顔付きもどんどん変貌して一皮も二皮も剥けていく様が楽しい。
学んでいる分野が分野だけに、彼女の変化と共に動物を使った生っぽい映像表現が挟み込まれるのも好き。
切り落とされた姉の指に夢中でむしゃぶりついて、ふと目があったときの「ヤベェ!」って顔が可愛い。
動画に撮られていた、泥酔状態で白目剥いて男の死体に噛み付こうとする猛獣のような姿には戦慄。
常人離れしたはっちゃけを見せたあとの少女らしい表情や態度にギャップがあって良かった。
ジュスティーヌが自分の欲望に抵抗気味で上手く付き合えず不器用にもがくのに対して、姉のアレックスの受け入れ方と遣り手感が凄かった。
というか自覚して行動してる分、ぶっ飛び度数で言ったらむしろアレックスの方が高いんじゃないかな。
全く関係ないけどアレックスのビジュアルがとても好みだ…
最後、傷だらけの父親の身体が語る衝撃の人肉食欲の連鎖はいったいどこから続いていたのか、この後家族がどうなってしまうのか、ストーリー内に収まらないゾクゾクがまた好き。
欲を言うならジュスティーヌがもっと吹っ切れて大爆発するところを観たかったかな。
これからって所でシーンが変わってしまうことが何回かあり、もどかしく感じた。
姉妹の独特極まる強い愛が感じられた。
観ているだけで皮膚が痒くなったり鼻血が出そうになったり口の中に血の味が広がったりする凄い映画だった。
なんだか影響されて、来週馬刺しを食べに行く予定を立てた。
2018.3.7 二回目鑑賞 追記
昨日馬刺しを食べた
やっぱり姉妹の熱い愛を感じた。
アドリアンに向ける感情も特別なものだとは思うけど、たまたま近くにいた性の匂いを濃く纏った異性に興奮しているのが大きいと思う。
だからこそ衝動的に食欲と性欲を向けてしまうんじゃないかなと。
それに比べて姉妹の愛憎の情の溢れ具合といったら。
喧嘩の場面なんて本当に最高で殴り合い喰らい合いながら最後は「私達のことは私達しか理解できないんだからほっとけ」とばかりに肩組んでズンズン去って、本当、たまらなく大好きだよこのシーン。
母親の描写がかなり部分部分なのがこの作品のポイントだと思う。
冒頭のレストランやアレックスの病院での態度などで少々過保護の気がありそうな反面、車でだらしなく脚を投げ上げていたりと印象的な瞬間はありつつ。
顔はほとんどちゃんと映らないしまじで脇役なのに最後にドーンと示される彼女の本性の見せ方が非常に面白く感じた。
とにかく好きなところが多くて楽しかった。
劇中で流れていた、The DøのDespair,Hangover & Ecstasyと、ORTIESのPlus putes que toutes les putesを繰り返し聴いてしまう。
ただ、人の肉を喰らう作品においていつも疑問なのが、人の身体の肉ってそんな簡単に噛み千切れるのかなということ。
意外と唇の裏側みたいに頑張ればガリッといけるのかね。
2018.9.8 新文芸坐オールナイトにて三回目鑑賞 追記
抑圧されていたものが暴れ始める瞬間を、拘束されながらランニングマシンを走る馬で表現しているシーンがすごく好き。
「なぜ抵抗しなかったの」という台詞が全く違う人間から全く違う場面で発せられていた。確かに。
性的を含む様々な暴力の被害者に向けられる、他者の心無い言葉を感じた。
一方で加害者の悲壮を含むものも感じて複雑な気分になった。
この映画を観終わった後は必ず指を噛んでしまう。
グロい
飛び出し注意って最初に思うけど…
獣医さん目指す学校の話かと思いきや!
血の嵐
指食べるシーンが長くて吐きそになった
今まで見た映画で1番このシーン目そらさずにいられなかった
衝撃的な映画だった
お前は解決法をみつけて欲しい
『東京喰種』のようなシチュエーションかと思ったのだが、あちらはあくまで人間じゃない種族が人間を喰う話。こちらはあくまでも『カリバニズム』の話であり、所謂フランス産ダークファンタジーである。多分にクールjapanに影響された部分もあるのかも知れないが。。。
でも、作品としては綺麗に纏まっている。作品冒頭からきちんと伏線を張り、キチンと回収をこなしているところ、姉の台詞で片腕がない男の話をしていたこと、そしてラストのオチが遺伝だというのも含めて、昨今の投げっぱなしにない姿勢に意気に感じる内容である。
人肉を食べるという行為とセックスのそれを同一視してしまう精神構造の様やエピソードをスピーディーに展開していくプロットは好意を持てる。只、引っかかる点は、時間経過をもう少し工夫して欲しかった。でないとシーンの繋ぎ目の整合性が分からなくなってしまうからである。裸や下着姿のシーンが多い為、服の違いで日数経過を感じ取ることが困難だし、こういうところの工夫があるともっと作品に入り込みやすくなるのではないだろうか。
獣医学部のあの学風は、日本でもあるのだろう。例えば体育会系とか・・・それにしても親も同じ所を卒業してるのだから、こうなることを敢えて積極的に子供に勧めていたのだろうかと思ったりするのだけど、あれは気の強い母親の曲がった帰属意識なのだろうね。父親は一刻も早く大学から離れたかったから直ぐに次女を置いて帰ってしまったしね。
まぁ、それにしてもああいう大学のあのノリには絶対ついて行けない自分とすれば、もしあの場所で主人公と同じような目にあったら、気が狂うかも知れない。人食いより、よっぽどあの大学の方が自分にとって恐怖を感じた作品であった。
おしゃれで怖い
厳格なベジタリアンの獣医一家に育った16歳のジュスティーヌは、両親と姉も通った獣医学校に進学する。見知らぬ土地での寮生活に不安な日々を送る中、ジュスティーヌは上級生からの新入生通過儀礼として、生肉を食べることを強要される。学校になじみたいという思いから家族のルールを破り、人生で初めて肉を口にしたジュスティーヌ。その行為により本性があらわになった彼女は次第に変貌を遂げていく。姉妹は共にカニバリズムに目覚め、姉は刑務所に、妹は実家に戻る。そこで明かされる家族の秘密とは、母親も同じでそれを助けてきたのが父親であったことを告白し、シャツをはだけて傷だらけの胸を見せるのだった。
狂気のホラーであるが、どこかスタイリッシュでかっこいい作品。
映像描写は良いけれど。
ベジタリアン家族の次女が姉も通う獣医学校に入学し、新入生への洗礼儀式の中でウサギの腎臓を食べさせられたことから肉食に目覚めて行く話。
序盤のレストランの混入の件からちょっと安っぽく感じたけれど…身体に合っていた訳じゃないし旨くて目覚めたのか良くわからない上に急過ぎるし、アレルギーのことや肉食と性欲との順番や記憶がないこととか、めちゃくちゃだしちぐはぐでこの系統を本当に好きな人が作った様には感じずスノッブ感満載。
映像描写は良かったけれど、不要な設定や大して意味のないバカ騒ぎが過ぎるし、ストーリーがどの方向に転がるにせよ中途半端でもの足りず面白味に欠けた。
風変わりな青春イニシエーション映画
フランス映画祭にて。
詩的な美しい映像で描かれた、一風風変わりなイニシエーションをテーマとする青春映画。
音楽も役者さんも良かったかと。
しかし、そこそこグロっぽかったりはするものの、失神者が出るほどではないのでは…?
日本公開を望みます。日本では受けるよ。
しかし、オチはもう少し強烈なものを期待してしまった…
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