「お前は解決法をみつけて欲しい」RAW 少女のめざめ いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
お前は解決法をみつけて欲しい
『東京喰種』のようなシチュエーションかと思ったのだが、あちらはあくまで人間じゃない種族が人間を喰う話。こちらはあくまでも『カリバニズム』の話であり、所謂フランス産ダークファンタジーである。多分にクールjapanに影響された部分もあるのかも知れないが。。。
でも、作品としては綺麗に纏まっている。作品冒頭からきちんと伏線を張り、キチンと回収をこなしているところ、姉の台詞で片腕がない男の話をしていたこと、そしてラストのオチが遺伝だというのも含めて、昨今の投げっぱなしにない姿勢に意気に感じる内容である。
人肉を食べるという行為とセックスのそれを同一視してしまう精神構造の様やエピソードをスピーディーに展開していくプロットは好意を持てる。只、引っかかる点は、時間経過をもう少し工夫して欲しかった。でないとシーンの繋ぎ目の整合性が分からなくなってしまうからである。裸や下着姿のシーンが多い為、服の違いで日数経過を感じ取ることが困難だし、こういうところの工夫があるともっと作品に入り込みやすくなるのではないだろうか。
獣医学部のあの学風は、日本でもあるのだろう。例えば体育会系とか・・・それにしても親も同じ所を卒業してるのだから、こうなることを敢えて積極的に子供に勧めていたのだろうかと思ったりするのだけど、あれは気の強い母親の曲がった帰属意識なのだろうね。父親は一刻も早く大学から離れたかったから直ぐに次女を置いて帰ってしまったしね。
まぁ、それにしてもああいう大学のあのノリには絶対ついて行けない自分とすれば、もしあの場所で主人公と同じような目にあったら、気が狂うかも知れない。人食いより、よっぽどあの大学の方が自分にとって恐怖を感じた作品であった。