「並みのホラー映画よりも遥かにグロテスクで忖度がどこにもない赤裸々にも程がある青春映画」RAW 少女のめざめ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
並みのホラー映画よりも遥かにグロテスクで忖度がどこにもない赤裸々にも程がある青春映画
厳格なベジタリアンの家庭で育てられた少女ジュスティーヌは、姉アレックスが通っている獣医学校へ進学する。下級生を徹底的にしごく慣習が色濃い寮生活に戸惑うジュスティーヌは動物の臓物を生で食べる通過儀礼を頑なに拒否するが、アレックスに無理矢理ウサギの腎臓を口に入れられてしまう。その夜全身に激しい蕁麻疹症状に襲われのたうち回ったジュスティーヌはやがて自分の中に閉じ込められていた何かが覚醒したことを自覚し始める。
並みのホラー映画よりも遥かにグロテスクで忖度がどこにもない赤裸々にも程がある青春映画で、ベースとなっているのはあくまでも家族愛、姉妹愛、友情、性への戸惑いという鉄板エッセンス。但しそのどれもがナイフのように研ぎ澄まされているので観客の痛覚が刺激されてしまいます。ブラジリアン脱毛から人体損壊まで容赦なしに観せるラテン感覚には激しい拒否反応を伴いますがやがて麻痺してしまい、観客もジュスティーヌの体験を共有するように仕組まれている、どこまでも血塗れですが気高く美しい映画です。
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