「ただ閉じていくだけの話」今夜、ロマンス劇場で ぽりおさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ閉じていくだけの話
■演技・役者
所謂ドラマ映画としてみればそれほど悪くなかったと思います。難しいキャラをこの世界観では不自然さを余り見せずに通せた綾瀬はるかに拍手。坂口健太郎もオーバーだがまぁこういう人もいるだろう程度でそれほど悪くなかったがそもそも脚本のせいで不自然にさせられてる感じもして少し可哀想に思いました。
■画
綺麗な画は多いと思います。……というのは光と影で、万事が万事見せたい画があってそれをねじ込むせいで本当はできてた展開を潰してる感じがひしひしします。脚本削られちゃったんじゃないかっていうくらい。
虹のシーンは後ろ姿が虹を見てるように見えない方、向いてたり、ホタルのシーンがお粗末だったり少し残念なところもあります。
■脚本
設定を生かし切れていない。というか話の広がりそうな展開や演出をガンガン切り落としている感じがしました
恐らく最初に主人公がヒロインを撮影スタジオにつれていくとき隠して連れてきたのが大きい岐路で、ヒロインがまだ白黒の状態で何かしらの理由をつけて隠れずに来る展開(こっそりついてくるとか)だったら他の撮影スタッフや役者と絡みが発生しただろうし、その方がリアクションが撮れるしヒロインのお転婆姫としての描写もしやすいのにヒロインがみんなの前にちゃんと顔を出すのは化粧をしてから。
主人公が最初ヒロインが出てきたシーンのリアクションも少しおかしい演出、演技だったので脚本が初めて白黒の人を見た時の人のリアクションが想像しにくいというか書くのが苦手だから飛ばしちゃったんじゃないかと思いました。
その化粧も自室で腕を見て薄っすら化粧が落ちて白黒になる部分がある演出はあるので、雨が降ってるシーンで化粧が落ちる展開かなと思ったら何もなし。その後も化粧に関する演出は大して無し。
主観が現代の主人公で回想する形のストーリーテリングだからかストーリーラインが描きづらいせいでしょう。主人公以外の登場人物の動きがかなり制限されています。
・北村一輝の役と一悶着あるのかなと思っても大して引き摺ることなくただのちょい役。
・本田翼の役との関係が映画の脚本書かせてもらえるかどうかの駆け引きになるのか、と思ったら結局それもあっさり。
・姫のお転婆の表現がいたずらだったりつっけんどんな態度のみ。ありがちだが話が広がりそうな姫がほかの映画に出演するという展開もなし。
■総評
結構言いましたが、駄作ではありません。普段から恋愛ドラマを視聴される方はいいんじゃないでしょうか。
個人の感想ですが映画の登場人物という設定上、 人の温かみに触れると消える より 演技を辞めたら消える ほうが恐らく面白い。