「ロマンスが止まらない」今夜、ロマンス劇場で ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
ロマンスが止まらない
昭和30年代(?)の映画産業全盛期の様子を少しコミカルによく再現していました(実際は知りませんが)。内容は銀幕から女主人公が現実に飛び出してくるという一種のファンタジーもの。結末もありそうな展開で独創性や目新しさみたいなものはありません。しかし大半の観客はこの嘘くさい世界観にはまって一種の幸福感を感じると思います。
これは言うならばB級映画の傑作です。映画撮影所や映画館の雰囲気が実にいい。当時の気取った人気スターの突飛な振る舞いや映画会社社長令嬢との恋愛話も月並みでとてもいい。架空の存在の彼女と現実の彼との愛の行方は、結ばれることのない悲しい運命も予感されます。しかし期待を裏切ることなく、切ないハッピーエンドを迎えます。綾瀬はるかと坂口健太郎の演技が素晴らしいのはもちろんですが、現代版の加藤剛と石橋杏奈の演技も効いてます。映画を観終わった時にはあの看護師のように、二人に深く同情しているでしょう。
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