「いい意味で予想を裏切るラスト」今夜、ロマンス劇場で みなこさんの映画レビュー(感想・評価)
いい意味で予想を裏切るラスト
予告で坂口健太郎が綾瀬はるかの頬に触れようとするシーンを見て
「あぁあのシーンで触れて、綾瀬はるかが涙ながらに消えちゃうか、実は神様の思し召しで消えませんでした。って結末かな」と単純なストーリーを予想していたのに、実際見てみたらもっと奥深いストーリーだったので◎
最期のキスシーン私の周りでは賛否両論あるものの個人的には、
健司の一途な優しさが現れた凄くいいシーンだと思っている。
「少々のわがままなら聞いてくれる男」がキスをすること(一般的には普通のこと)だけは、みゆきにせがまれてもガラス越しで対応していた。健司はそれを心残りにしていたんだろう。
最期の時に「映画のラストは君の欲しいものをあげるよ」と言い残して、現実世界では実現できなかったキスを、空想の映画の中で実現させた。最期までみゆきのわがままを叶えようと奮闘する健司の優しさにぐっときた。
しかもそれをみゆきが見れずに消えてしまったことにグッと切なくなった。
何十年も一緒に居て、抱きしめたくなった瞬間を何度我慢したんだろう。
いつしか二人の見た目年齢が離れっていって
世間に、みゆきは妻→娘→孫と言うようになってそれが変わる度どれだけ健司の心が辛かっただろう
みゆきだって健司を支えたいのに「冷たい孫」と言われてどれほど
悔しい思いをしたんだろう
二人の重ねた月日のことを考えると涙が止まらなかった
確実に観てよかった映画
●気になった点
・石橋杏奈の不自然な演技
石橋杏奈の役割は「孫がこけても助けてくれない」と伏線をはること、健司にもう一度映画の脚本をかかせるように働きかけること
、健司の死後映画の脚本を見つけることだった。
もう少し自然な台詞回しは無かったのか疑問。台詞と石橋杏奈の演技力のマッチングがうまくいかなかったのかと思う。
安定の北村一輝の暑苦しさと石橋杏奈の演技だけ少々違和感を覚えながら見ていました。
・健司がみゆきを好く過程の描写が物足りない
映画で何度も見て、会う前から好いていたものの
あれだけ傲慢で暴力的なみゆきの描写に対し、健司がみゆきを好きになる描写が今いち物足りないため、「あなたじゃなきゃダメなんです」に「こいつ軽いな」と思ってしまった。
●みゆきが出てきた映画「お転婆姫と三獣士」の設定
あんなに変な設定の映画じゃなくても良かった気がする。
短気な人だとあのシーンで映画館を出てしまうかもしれない