「重い…!!」フォービドゥン 呪縛館 Lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
重い…!!
※注意
・赤ちゃん、子どもの死が背景にある映画です
・犬が悪の権化(の手先)として描写されます
曰く付きの屋敷に引っ越してきた家族が怖い思いをする、よくあるプロットの作品。
ただし序盤から主人公は生後間もない我が子を亡くし療養も兼ねて越してきた事が分かる通り、テーマは激重です。
幽霊映画というより胸糞系ヒューマンドラマと言った方が正しく、個人的には苦手ジャンル…(☆-3)。
なので、今日は抉られたい気分な日に観るのがいいでしょう。少なくともジャンプスケアでワーキャー楽しむ映画ではないのでご注意下さい
テンポはかなりゆっくりで、主人公デイナが間取り図にない部屋を見つけた事をきっかけに少しずつ精神崩壊していきます。
最初は棒っぽい演技に見えたデイナですが、狂い始めてからの怪演は本当にお見事。
終わってみれば、あの難しい感情や立場をよく演じ切ったなぁと素直に感心しました(☆+1)。序盤の棒感も、心情を押し殺す気丈さと捉えれば納得です
以下【ネタバレ】含む感想
はー……と何度も重い溜息が出るストーリーがとにかく辛かったです。
この問題のブラッカー邸、なんと実話ベースらしく、名前は違えど当時実在した判事の家でこの「失望の部屋」が見つかったとか…。
はー……胸糞
事故とはいえ自らの手で殺めてしまったデイナの心情は想像もできませんが、そこまで重い事情を抱えてるなら引っ越し先くらいもっと調べろよ…と真っ先にツッコミたくなりました(☆-1)。
(ちょっと調べればボロボロ出てくるブラッカー家の闇を、やり手建築家のデイナがスルーするのは不自然。療養も兼ねてるのに雨漏りする様なボロ屋敷を選ぶ理由含め、こじつけでもいいから描写が欲しかった)
旦那デヴィッドも(基本的には優しいと思えますが)、よりによって亡き娘の誕生日に友人呼んでパーティするのは意味不明。彼にとっても実の娘なんですよね?ちょっとここだけサイコパスで怖かったです。そりゃデイナもぷっつんいくわ。
同じ解釈の方は多いかと思いますが、私はこの「ブラッカー邸」にそもそも幽霊は憑いてないと思います。
罪悪感や喪失感でぐちゃぐちゃのデイナが、ブラッカー家の闇に責任転嫁or自己投影している様にしか見えませんでした。
邸宅の歴史を調べるシーンは、むしろ無理やり自分との共通点を探してる様です。
そしてその妄想は日ごとに肥大し、ついに…みたいな。
ハンマーで悪霊(妄想)に殴りかかるシーンは本当に怖かったです(今殴ってるのは誰なのか…という意味で)。
でもこれも、具現化する程深化した自分の「罪」を「破壊したい」「追い出したい」心情なのかなと思うと、すごくいたたまれない。はー……(☆+1)。
ラストはデイナの闇をデヴィッドが優しく受け止めて終わりますが、根本的な解決は何もしてないですよね(だから胸糞系は苦手。☆-1)。
屋敷から引っ越す際の悪霊からのアイコンタクトは「まだ終わってねぇぞ」ってサインにしか見えませんでした。
適切な処置やカウンセリング、ちゃんと受けて下さいよホント…
あ、無責任にパーティ勧めたカウンセラーはチェンジで