波のした、土のうえ
劇場公開日:2017年5月20日
解説
ドキュメンタリー「息の跡」などを手がけた映像作家の小森はるかと、画家で作家の瀬尾夏美が、東日本大震災の被災地となった岩手県陸前高田市で3年間かけて行ってきた制作活動の集大成的作品で、津波被害を受けた陸前高田の人々の言葉と風景の記録から物語を起こすように構成された、3編の映像集。被写体となる住民たちに行ったインタビューをもとに瀬尾が物語を起こし、住民たちが訂正や調整、書き換えを行いながら物語を朗読。書き直しや朗読を繰り返す声を、小森が町の風景と重ねて映像を編み上げた。
2014年製作/68分/日本
スタッフ・キャスト
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2021年5月3日
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鑑賞方法:映画館
東日本大震災の被災地、陸前高田市で、津波被害を受けた人々の言葉と風景の記録された、3編の映像集。
被写体となる住民たちへのインタビューから物語を書き、住民たちに訂正や書き換えを行ってもらい物語を朗読してもらったもの。
花を植える人達の物語が良かった。
波に攫われて既に無い街、土に埋められる今の街。二重に消えゆく街とそこにいる/いた人たちを克明に捉えた散文調のスケッチ。うず高く積もる土から色彩が取り戻される三幕にほっとするのも束の間、夜間の解体工事を写した数ショットには、どこか恐怖すら覚える。一幕で、かつてあった店の土地に表示を立てようとして、なかなか刺さらない様を捉えたシーン。線香の灰が埋められた土地を写し続けるカメラ。