「滝の上の英雄伝 ~超濃完結編~」バーフバリ 王の凱旋 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
滝の上の英雄伝 ~超濃完結編~
バーフバリ!バーフバリ!
インド映画の超人的パワーが炸裂する2部作からなる超濃エンターテイメントの完結編。
前作がこれまで見たインド映画の中でも最上級ってくらいメチャ面白く、続きを見るのを心待ちにしていた。(色々あってレンタル開始と共に見れなかったが)
巨大な滝の下の国で育った青年が、実は滝の上に広がる王国の正統なる後継者であり、自身の出生の秘密を知るまでの前作。
てんこ盛りのアクション、ドラマ、スケール、ラブにコメディに歌にミュージカル、濃いキャラ、コテコテ&ケレン味たっぷりの演出、ツッコミ所も何もかも、前作よりボリュームアップ!
娯楽映画の王国…いや、娯楽映画の帝国インド、ここに極まり!
ハリウッド? ナンデスカ、ソレハ?
『ロード・オブ・ザ・リング』も『マッドマックス』も『レッドクリフ』も『300』も跪くアクション!
飛んでくる剣や矢を素手で掴むなど常識。
大地を宮殿を埋め尽くす何万何十万の兵士、押し寄せる牛や象の大群…地響きが画面から伝わってくるほど。
アマレンドラとデーヴァセーナが二人で敵に弓矢を放つシーンはまるでダンスのよう。
そして、ありえねー!と怒涛のアクションが次々に展開する最終決戦…。
アクションを語るなら、このアクションを超えてみよ!
アクション以上に見応えありまくりなのが、3世代に渡る濃いドラマ。『ハムレット』か『ライオン・キング』か、いやそれ以上の陰謀、裏切り、復讐、王に相応しい英雄の帰還の物語の虜になる事必至!
まず前半たっぷりと描かれるのは、父アマレンドラ・バーフバリの物語。
前作で悪国を倒し、時期国王に指名されたアマレンドラ。
民を知る旅の途中で、他国の姫デーヴァセーナと情熱的な恋に落ちる。
結婚を報告する為、二人がマヒシュマティ王国に向かう時、まるで二人の愛が最高潮に達したかのように船が空を飛ぶシーンは華麗なファンタジー!
が、王座を狙う兄のバラーラデーヴァと、その父。二人の醜く、卑しい姿が、憎々しいまでに悪役としてドラマを盛り上げる。
バラーラデーヴァの策略にハマる国母シヴァガミ。遂には、我が子アマレンドラの暗殺を命ずる過ちを犯してしまう。
その暗殺を実行させられたのが…、忠実なる奴隷剣士カッタッパ。
前作の幕切れで、ここから後半は息子マヘンドラ・バーフバリの物語。
何故カッタッパは自らの手でアマレンドラを殺したか。その苦悩には目頭が熱くなる。(カッタッパはやはり一番好きな登場人物だ)
暴君と化したバラーラデーヴァは弟を殺し、国母をも殺し、デーヴァセーナを幽閉し…。
3世代の血と涙の愛憎が我が身を駆け巡り、正統なる後継者として、真の王として、英雄として、立ち上がる。
MAXを超えた興奮と高揚。
是非ともクライマックスの“王の凱旋”は、前作も見た上で見てほしい。
本当に面白い!!
前後編合わせて約5時間、全く中弛みもせず、飽きもさせず、すぐまたもう一度見れる。
これが、映画だ!
これが、エンターテイメントだ!
バーフバリに跪け!
バーフバリを称えよ!