ローズの秘密の頁(ページ)のレビュー・感想・評価
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ローズ(マリー)の赤ちゃん。その真実は♥
アイルランドは第二次世界大戦は中立の立場を取っている。中立って平和を望む国の様だが、第二次世界大戦の場合、ナチス・ドイツとイギリスに対して中立と言う事だ。
先ずはにそれがこの話の中核を成す。それを分かった上で、彼女の人生を振り返らねばならない。
誰がローズの父親なのか?が当初から気になった。
アイルランドの作家の作品なので、自国を自虐的には描けないので、この終わり方で仕方ないとは思う。
しかし、現実があったとすれば、血の繋がりは神父で、神父の繋がりをローズが断つ!のだと思う。
拘束、子殺し、LOBOTOMY療法 とカトリック教会、精神病院は分けて考えなければ駄目だ。カトリック教会も精神病院も数々の愚行を繰り返したが、改善の必要性を考えていると思う。
こう言った話は色々な所に存在する。
フィンランド、ノルウェー、そしてウクライナかなぁ。自国の国体を維持する事と独立等の為にナチス・ドイツの力を借りた。そう言った歴史が残念ながらあるのだ。
ヨーロッパの暗い時代を生き延びて
イギリスとフランスがナチスドイツと闘い、ヨーロッパ中が暗い時代を過ごしものすごく多くの人が哀しみ殺され悲しみ生き延びた。アイルランドでも因縁のイギリスや宗教の対立があり、ヨーロッパ本土ほどではないが暗い時代を過ごし、マイケルは殺され、ローズは暗い時代の暗い病院に閉じ込められた。記憶を失わないこと、記憶すること、そのために聖書に大切なことを全て書き留め、我が子が迎えにくるのを待ったローズ、アイルランドの、カトリックの、こうあらねばないないと言う強い観念が神父の頭をおかしくしたのか、世の中も戦争とかバカな統治者がいるとそうなりがちで、そのために50年も病院に幽閉されるなんて。いろいろと思うことあるが、記憶を絶やさないこと無くさないこと、ローズの記憶も、アウシュビッツの記憶も、パレスチナ の記憶も、、、そして病院ではローズにデンパチかけて記憶を失わせようとしたのだ。やはりいろいろ思うことあり。哀れな世の中。人間のやることは哀れで愚かなり。バネッサレッドグレーブが素晴らしく愛の記憶だけで生きてきた様を体現。
とんでもない話
ラスト二人が会えたから、単純に良かった良かったという感情にはなれなかった。あまりにもマーラが可哀想過ぎるし、エリック・バナも立派に育てられたとはいえ、人生を奪われた気がする。イギリスとアイルランドの悲しい過去のせいなのか。。神父が糞過ぎる。また、何となく、途中からもしかしたら…が完全に確信に変わってしまったので、ラストの感動が少し薄れてしまった。看護師含め、もう少し彼女のことをエリック来る前に真剣に向き合えなかったものかなぁ。
ジム・シェリダン監督らしい、アイルランドの歴史を今に伝える映画だ。...
ジム・シェリダン監督らしい、アイルランドの歴史を今に伝える映画だ。
同じアイルランド人でありながら、宗教的、思想的に同じでないものを阻害し争う。
不寛容な今の時代だからこそ、こういう作品に考えさせられる。
社会派なメッセージが根底にはあるが、ジャンルとしては子供殺しがあったのかを解き明かすミステリーであり、戦時下の刹那な恋を描くラブストーリーでもある。
最近のシェリダン監督の傾向なのか、お歳を召したからなのか、作品がややファンタジーホラーに傾きつつあるようだ。
本作でも冒頭のシーンからローズは幽霊を見ていた。
幻覚と幽霊、夢と現実が交錯し、ローズの精神状態を掴みにくいところがトリッキーだが、老婆となったローズは院長の言うように地獄に生きているのではなく、しっかり現実の世界に生きていたのだろう。
息子を待ち続けるローズの母親としての強さに感動。わかって観ても最後は泣いてしまった。
神父の背負った十字架の重さにも思いを馳せる。
彼がローズを愛していたことだけは確かだろう。
タイトルなし
意図していなくても男性を虜にするローズ
若き日をルーニー・マーラ
老年をバネッサ・レッドグレーブ
美しく凜とした二人が演じています
.
ローズ・クリアとして
40年もの間精神病院に収容されている
彼女と話をするエリック・バナ演じるDr.
心通わせているうち辿り着く真実が
描かれています
.
マイケルへの想いは強く美しく
そしてその想いは残酷でもあり
恋をした神父の想いは憎しみにかわる
それでも
神父はずっと愛していたんだろうなぁ
最後の最後に救いはあるとはいえ・・・
ルーニー・マーラとヴァネッサ・レッドグレーヴが主演し、監督はアイルランドを舞台にした映画を撮り続けているベテラン、ジム・シェリダン。
1980年代半ばのアイルランドの古い精神病院。
40年以上にわたって入院させられている老女ローズ(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)。
病院の取り壊しに伴い、彼女の再評価がされることになり、大司教から遣わされたのが中年男性医師のグリーン(エリック・バナ)。
ローズは、過去に生まれたばかりの子どもを殺したと言われているが、さて・・・
というところから始まる物語で、ローズの若い頃をルーニー・マーラが演じています。
ありゃ、大女のヴァネッサ・レッドグレーヴの若い頃が、小柄なルーニー・マーラとはこれ如何に。
とも思うのですが、80歳を超えてヴァネッサ・レッドグレーヴも小さくなってしまい、エリック・バナと並ぶと、ホントに小さな老女にみえる。
歳を経るというのは、こういうことかしらん・・・と本筋に関係ないところにまず感心。
第二次世界大戦も激しさを増し、故郷を空爆され、身寄りを亡くしたローズは、アイルランドで禁酒ホテルを営む叔母を頼ることにしたが、その村はカトリックの村で、プロテスタントのローズとは相いれないところがあった。
そして、ひとめ惚れした相手の酒屋のマイケル・マクナルティ(ジャック・レイナー)はアイルランド人でなく、ふたりの関係は村にとってはあまり歓迎されない。
さらに加えて、新しく村に赴任したゴーント神父(テオ・ジェームズ)は秘かにローズに想いを寄せ、村人たちからは、ローズが神父を誘惑した、と陰口がささやかれる始末・・・
と展開するハナシは、男尊女卑甚だしき頃に自由に生きようとしたした女性の、自由を奪われてしまうハナシなので、あまり目新しさは感じない。
まぁ、目新しいところを期待しているわけではないので、ここいらあたりは、じっくりと描かれていれば満足なわけで、そういう意味では十分な出来。
なのですが、やはり、男性の横暴さから半世紀近くも精神病院に強制入院させられてしまっては、最後の最後に救いがあるといえども、気の毒で仕方がない。
最後の最後の救いもほぼ予想どおりなので、見どころは第二次大戦中のアイルランドをどのように描いているか、ということ。
それにしても、宗教がからむと碌なことにならない、というようなハナシで、これでローズを救ったを思っているとしたら、悔い改めてほしいぞと劇中の人物に言いたい気分になった。
なお、ジム・シェリダンの演出も的確で、ルーニー・マーラ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、エリック・バナのいずれも好演。
壮絶なドラマのようでいて、いわゆるメロドラマ
産み落としたばかりのわが子を殺害した罪を無罪だと主張し続け40年も精神病棟に入れられていた女性が、精神病院立ち退きの前に現れた医師に過去を打ち明け始める物語。彼女の語る内容から彼女の悲壮な人生の歴史と事件の真相が浮き彫りになっていく。なんともドラマティックな設定と壮絶な内容。赤ん坊を殺害したという事件の真相に物語が近づいていく様子はサスペンスのような感覚を刺激するし、一人の女性が激動の時代をいかにして生き、不遇の扱いを受けながらも現在までたどり着いたかを綴る様子は人生という名のスペクタクルを連想させる。映画が始まってしばらくは、息をのむように作品の没頭し期待感はどんどん高まっていった。しかし、次第に様子が違って思えてくる。あぁこの映画ってメロドラマだったのね?
監督はジム・シェリダンだし、役者はルーニー・マーラにヴァネッサ・レッドグレイヴ、エリック・バナと実力派が揃ってそれぞれその力を発揮するので一瞬気づかないのだけれど、内容はなんともメロドラマ的。なぜか男を引き寄せてしまうヒロインという設定からメロドラマ調であるし、神父の歪んだ愛情と嫉妬も実にメロドラマ的。そこから時代性もあってヒロインがどんどん悲惨な環境へと追い込まれて行くその様子はこちらも心痛で苦しい局面であるのだけれど、それさえもメロドラマの波に呑まれ煽情的なばかりで空虚に見えてくる。本来はもっと深刻だしシリアスだしドラマティックであるはずなのに、それが男女の痴情のもつれか何かと同レベルに見えてくるのには不服も募った。ヒロインに悲劇をぶつけることで悦に入っているかのよう。そしてその最たるものがエンディングだ。上手にやれば見事な伏線の回収ということになるのだろうけど、この映画の場合はあまりにも強引かつ唐突。ここまでくると、メロドラマを超えて古いソープオペラや安っぽいハーレクイン小説のようですらある。一人の女性の壮絶な人生のドラマでもなく、ある事件の真相を紐解くサスペンスでもなく。(日本版のポスターはちょっとメロドラマ風だったけれど、外国映画の日本版ポスターは往々にしてミスリードを招くものが多いのであまり信じていなかった)
ジム・シェリダンはごひいきの監督だったけれど、どうしちゃったのだろう?いい監督といい役者を使って、彼らの才能を思い切り浪費したような作品になってしまった。やり方次第では不遇の時代を生きた女の一代記さながらのドラマになっていてもおかしくなかったようにも思うのだが・・・。
自分の正しさを信じて託す
男性の目を見て、話すことさえ禁じられているようなアイルランドの田舎。カトリック教徒とプロテスタント教徒の間には緊張感もある。
若いローズの凛とした佇まいは、晩年のローズにも繋がっている。
アイルランドの海岸の美しさと、人の残酷さと暖かさ、自分を信じる人だからこそ人も信じられる、その事がラストに繋がっていく。
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