きっと、いい日が待っているのレビュー・感想・評価
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デンマークのコペンハーゲン養護施設での実話を元にした俊作映画
ぐっと奥から込み上げてくる。涙なしではみられません。
「ショーシャンクの空に」や、「ライオン、25年目のただいま」などが好きな方におすすめ。
シングルマザーの母親が癌になり、養護施設で暮らすことになった兄と弟の温かい絆が織りなすヒューマンドラマです。
弟のエルマーは内反尖足で不自由ながらも、宇宙飛行士の夢を持ち続けながら、辛い施設での生活を兄と助け合いながら生きる。
性的虐待、身体的虐待、守ってくれるはずの大人達の裏切りや嘘。
内反尖足の弟エルマーのセリフで「宇宙はどんなだろう。足を上げたら浮くなんて。幽霊も浮くけど、幽霊にはなりたくない。同じじゃない」というのがある。足の痛みと宇宙の無重力の対比が切なくも愛しい。
“生き残るには幽霊になれ、15歳までは透明人間でいろ“
先輩たちのその言葉を糧にして諦めずに耐えてきた15歳になる直前に、兄にとって心折れる出来事が起きた。
最後に子供が産めずに先生になったハマーショイ先生が、病院で眠っている2人の間に椅子を置いて座り、そっと左右の手を2人の身体に置いた後ろ姿が、何とも言えなかった。
エルマーの勇気のお陰で、子供たちが震える手を上にあげた時に、涙腺が崩壊した。
内容はさることながら、
デンマークの60年台の建物や車などのセットや風景、演じる子供達の演技、映像、音楽、光の当て方や配置も素晴らしくて、浸れる映画でした。
もう一度、観たい映画です。
良い映画
最終的にはハッピーエンドです。
最後まで諦めずに動き続けたからこそ勝ち取った幸せ。きっと子供たちは思いやりのある人間になると思う。
一方で大人。自分の行動を正当化して、自身の問題に直視しない。現代の日本にもあると思う。子供の叫びに気付ける大人でありたい。というか叫ぶ前に気付こう。
良かった
タイトルから内容が想像出来そうだけど(笑)
弟想いのイケメンお兄ちゃん。
宇宙飛行士を夢見る弟もどんどんたくましくなって。
兄弟の絆の強さには泣ける。
女性教師がもっと迅速に動いてくれたら…と思ったけど、鬼校長の前では無力なのが歯がゆかった。
世界に今もまだこんな施設が存在しないことを願う。
クリスマスイブの夜に
世の中にこんな地獄があるのかと思うほど、兄弟が悲惨な目に遭う。
暴力は麻薬だ。
やめたと思っても心の奥底を蝕んで、何かのきっかけで病床がふと顔を覗かせる瞬間がある。
エルマーの決死の宇宙遊泳が、全てを変える終末が、哀しくも美しい。
そうか、今日はクリスマスイブだったんだな。彼らの散々なクリスマスイブの思い出を、偶然に50年後の同じ日に鑑賞した縁を感じながら、ともに悲しもう。
感涙
1967年、コペンハーゲン。13歳のエリックと10歳のエルマーは母親と3人で、貧しいながらも、つつましく幸せに暮らしていた。ある日、病気が悪化した母親が入院することになってしまう。幼い兄弟だけでは生活していけないと役人に判断され、エリックたちは男子児童向けの養護施設に預けられることになる。
初日から、内反足で足の悪いエルマーにとっては酷な岩運びの作業を指示され、上級生たちからもイジメの標的にされてしまう。しかし周りの児童たちは誰も助けてくれず、突然の環境の変化に戸惑い、不安に駆られる。その夜、エリックとエルマーは施設から逃げようとするが、呆気なく捕まってしまう。ヘック校長は兄弟に「勝手なことをすれば罰する」と言い放ち、ほかの児童たちに彼らを制裁するよう指示を出す。実は、施設内では厳しい規律が定められ、ヘック校長や職員たちはしつけという名のもと、児童たちに体罰を与えていたのだ。新しく赴任してきたハマーショイ先生は傷だらけになったエリックたちの手当てをしながら、彼らに「言いつけを守っていれば、最後に報われる」と諭す。エリックは施設を出られる日まで、幽霊のよう目立たないように過ごそうとエルマーに決意を語るのだった。
弟のエルマーは、慣れない環境のせいで毎晩おねしょをするようになってしまう。医者から薬を処方されるが、一向に良くならない。上級生たちからのイジメは止むことがなく、エリックは弟を庇いながらも、現状に対して不満を募らせていく。ある時、ハマーショイ先生はエルマーが文章を読めることに気付き、郵便係に任命する。エルマーは次第に元気を取り戻していく。
施設にも慣れた頃、療養中の母親からクリスマスには一緒に過ごせるという手紙が届く。しかし、帰宅日前に母親が急死。絶望したエリックとエルマーは施設から逃げるため、叔父に協力を仰ぐもヘック校長らに計画を阻止されてしまう。逃亡計画をヘック校長に告げてしまったハマーショイ先生は、責任を感じ、施設を去っていく。
15歳の誕生日が近付いてきたエリックはようやく施設から出られると思っていたが、ヘック校長から、18歳まで施設にいるように告げられる。激高したエリックはヘック校長の愛車を傷付け、ヘック校長から暴行で瀕死の重傷を負わされてしまう。こん睡状態のエリックの姿を見て、耐え切れなくなったエルマーはハマーショイ先生の元を訪ね、助けを求める。ハマーショイ先生は役所のアンダーセン捜査官に施設の現状を訴えに行くが、捜査官が出掛けていて会うことは出来なかった。悲しみに暮れながら施設に戻って来たエルマーは、目を覚まさないエリックに「もう怖がらないよ、いい方法を思い付いた」と語りかける。そして、エルマーは宇宙飛行士の扮装をし、校長の車を壊し、給水塔の屋根から飛び降りる。そこに検査官とハマーショイ先生が駆けつけて兄弟は病院で治療を受けて一命を取り留める。その後、ハマーショイ先生とエルマーは校長に永久証明書を要求し脅されながらも受け取る。その後、生徒のみんなと別れを惜しむエルマーの気持ちに突き動かされるように検査官に相談を持ちかけ、施設の全貌が明かされることとなる。ストーリーは施設の中の一人のナレーションで語られていく。ラストはハマーショイ先生と、エリック・エルマーを乗せた車に向かって彼が手を振るシーンが印象的。その後、物語の舞台が1960年代に実在した施設での出来事であることが字幕で告げられる。
希望を宇宙へ飛ばせて
躾と称した暴力的・性的な虐待、同調圧力と見せしめ、大人への絶望感、僅かな希望も抵抗も踏みにじられて「幽霊」になるしかない子供達の虚ろな目が本当にキツかった…
校長始め施設の大人達にはもう殺意しか湧かない。
あの眉毛と髪の毛の無い頭をかち割ってやりたくて仕方なかった。
唯一希望になりそうなハマーショイ先生も逃げ出すし頼りない。
終盤は力になってくれたとはいえどう考えても行動が遅すぎるでしょ…施設辞めた直後に警察なり検査官に通報するべきでしょ…
叔父も中途半端野郎で腹立つ。まああんな人に引き取られたところで幸せにはなれないだろうけど。
最低な環境の下、施設を出ることだけを希望に「幽霊」になって頑張り、宇宙と月面着陸に夢見る兄弟にまた苦しくなる。
読み書きが得意で想像力に長けたエルマーが手紙を読むシーンなんて健気で愛おしい。
弟想いなエリックが酷い目に合わされてからのエルマーの覚醒とも言える行動には胸が深く打たれた。
アルミホイルと麻袋でできた宇宙服を着た彼の最大の抵抗と計画、校長の車を破壊して殴られて、身体を張って自分が何よりの証拠だと検査官に訴えて。
空は飛べないけど頑丈な身体で良かったよ…
最後の最後で、検査官に個人的に話がある人は?との問いに挙手し始める子供たちには大泣きしてしまった。
ずっと辛く苦しいことが続いていたけど、明確な救いの見えるラストに大きくホッとできる。
これからは、きっといい日が待っているからねと抱きしめたくなる。
実話ってのがまた辛い。
施設にいた子供は今でもトラウマを抱えて精神的に苦しんでいる人もいる、とのこと。
良い最後だったけど、施設の大人がきちんと罰せられたのかは気になるところ。
個人的には刑務所で苦しむ校長と変態親父を見ないと気が済まないくらい。
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