きっと、いい日が待っているのレビュー・感想・評価
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3.85 児童養護施設事件
PVだけだとイマイチ平凡でつまらなそうなカントリーな印象を受けるが、メインは児童養護施設の虐待事件である。宇宙を夢見る少年ばかりがPVではフォーカスされるが、それによって見る人の数が減っているような気もした。
全体的に映像もきれいで、とてもカントリーではあるものの、内容が内容だけに緊迫感もありかなりバランスの取れた映画。グロい場面や胸糞の直接的な描写もなく、見やすい部類だとは思う。
背景の映し方もよく、デモの看板やヒッピーなど間接的に時代背景を描写しているところも好きだった。
キャラクター陣も個性的で見やすかった。エルマーの最後の悟りきった男気に、「強すぎるだろ」と思ったのであった。
デンマークのコペンハーゲン養護施設での実話を元にした俊作映画
ぐっと奥から込み上げてくる。涙なしではみられません。
「ショーシャンクの空に」や、「ライオン、25年目のただいま」などが好きな方におすすめ。
シングルマザーの母親が癌になり、養護施設で暮らすことになった兄と弟の温かい絆が織りなすヒューマンドラマです。
弟のエルマーは内反尖足で不自由ながらも、宇宙飛行士の夢を持ち続けながら、辛い施設での生活を兄と助け合いながら生きる。
性的虐待、身体的虐待、守ってくれるはずの大人達の裏切りや嘘。
内反尖足の弟エルマーのセリフで「宇宙はどんなだろう。足を上げたら浮くなんて。幽霊も浮くけど、幽霊にはなりたくない。同じじゃない」というのがある。足の痛みと宇宙の無重力の対比が切なくも愛しい。
“生き残るには幽霊になれ、15歳までは透明人間でいろ“
先輩たちのその言葉を糧にして諦めずに耐えてきた15歳になる直前に、兄にとって心折れる出来事が起きた。
最後に子供が産めずに先生になったハマーショイ先生が、病院で眠っている2人の間に椅子を置いて座り、そっと左右の手を2人の身体に置いた後ろ姿が、何とも言えなかった。
エルマーの勇気のお陰で、子供たちが震える手を上にあげた時に、涙腺が崩壊した。
内容はさることながら、
デンマークの60年台の建物や車などのセットや風景、演じる子供達の演技、映像、音楽、光の当て方や配置も素晴らしくて、浸れる映画でした。
もう一度、観たい映画です。
むしろフィクションであって欲しかった、、、
このような事実があったなんて、観るまで知らなかった。
施設の子供たちにとって、大人は絶対、地獄の日々だったでしょう。
多感な少年期に、数々の心の傷を負わせた管理者に怒りしか覚えない。
大人の保身、快楽、出世の為に犠牲になった子供たちの事を忘れてはいけない。
2度とこのような事が起きないように、大人が子供を守らないといけませんね。
見ていて辛かった
肉体的精神的性的暴力をずっと受けさせられる。見ていて本当に辛かった。あんなに小さな子達に暴力を振るえる意味が分からない。
最後、この施設の子供が鬱や依存症に今も苦しんでいるというテロップが入り心臓がぎゅっとなった。
良い映画
最終的にはハッピーエンドです。
最後まで諦めずに動き続けたからこそ勝ち取った幸せ。きっと子供たちは思いやりのある人間になると思う。
一方で大人。自分の行動を正当化して、自身の問題に直視しない。現代の日本にもあると思う。子供の叫びに気付ける大人でありたい。というか叫ぶ前に気付こう。
良かった
タイトルから内容が想像出来そうだけど(笑)
弟想いのイケメンお兄ちゃん。
宇宙飛行士を夢見る弟もどんどんたくましくなって。
兄弟の絆の強さには泣ける。
女性教師がもっと迅速に動いてくれたら…と思ったけど、鬼校長の前では無力なのが歯がゆかった。
世界に今もまだこんな施設が存在しないことを願う。
重いですが是非観てほしい作品
マッツが出演してなくて良かった〜っと思ったら、校長はマッツ兄か!もう腹立たしくて、全然関係ない街にいるヒッピーでさえムカついてきたし、涙も出なかったわ。子ども達が次第に要領よくなっていくところがまた辛い。今の状況を何とか変えようとするエルマーの姿には心打たれました。
弟エルマー君の成長が凄い。翔べ!!〇〇〇〇(違うか😄)
1967年、シングルマザーに育てられていた2人の兄弟のお話。裕福で無い家庭が更に母親が病気になり、2人は擁護施設に預けられる訳だが。。。
所々に宇宙ロケット「アポロ〇〇号」の話が出てくる。当時「宇宙」「月」というものはかなり関心が高いものだったろうなと実感させられるし、それに対して僅かな情報ながら夢見る子供達は「なんて、屈託の無い子供達なんだ」と清らかさを感じさせてくれた。
それに対比する様登場する大人達。
暴力、虐待、いじめ容認、幼児性的行為。裏切り。隠蔽。
目を背けたい位の大人による行為は時代背景が成せる技。
話が進むにつれ、主導権は兄のエリック君と思いきや、後半はあの弟の方のエルマー君とは!!😬
エルマー君が月の引力に惹かれ、自由を勝ち取ろうとする所は何故かガンダムを思い出す。(あちら逆には地球で魂を引かれた人達=悪しき物例えで、それを宇宙側が解放ですが。)
面白かったです。
クリスマスイブの夜に
世の中にこんな地獄があるのかと思うほど、兄弟が悲惨な目に遭う。
暴力は麻薬だ。
やめたと思っても心の奥底を蝕んで、何かのきっかけで病床がふと顔を覗かせる瞬間がある。
エルマーの決死の宇宙遊泳が、全てを変える終末が、哀しくも美しい。
そうか、今日はクリスマスイブだったんだな。彼らの散々なクリスマスイブの思い出を、偶然に50年後の同じ日に鑑賞した縁を感じながら、ともに悲しもう。
善悪
色んな立場の人間が登場。
状況によって誰でも善人、悪人になるんだろうな、と考えさせられた。
虚栄心や立場、生い立ちが人を変える。
誰しもみんな子供だったのにね。
ポーランド語なのかな?英語でない声は新鮮に感じた。
過去の話にしてしまって良いか
閉ざされた環境というのはどの世界にも今なおあるわけで、この話を彼の国のひと昔前の話にしてしまう危うさを戒める必要がある。管理する側を悪人に断定することも危ういことでもある。社会が隔離して蓋を閉じているから制御が効かない。社会が有効に機能し切れない歯がゆさが残る。弱者の側が手を上げなければ変わらないのであれば、絶望的でもある。
兄弟の演技が秀逸。
子供が夢を持って成長していく姿こそ大人の希望
60年代デンマークの児童養護施設での実話をもとに作られた、鑑賞中も鑑賞後も心に重く響く観ていて辛い作品でした。
まだ15歳に満たない子供達に起こったできごとだと思うとあまりに可哀想で、周りにあれだけ大人が関わりながら、なぜ誰一人声を上げないのだろうともどかしく感じました。
お子さんを持つお母さんだったら尚さらそう感じるかもしれません。
校長の眼光の鋭さは心底恐ろしく、己が「暴力による支配」に支配された狂気と狡猾さが滲んでいました。
役者さんの力がとても大きかったと思います。
なぜ暴力による支配が横行していったのか、人物や背景の描写がないことに、最初は首を傾げました。
だけど暴力による支配が増幅する背景には狂気と恐怖しかなく、言い訳など与えないと言っている様な気がします。
救いだったのは、兄は立ち向かう勇敢さ、弟は希望を捨てない心の強さと賢さを持っていたこと。
強い眼差しで決断するほどたくましく成長していたこと。
そして彼らに勇気づけられ、他の子たちも少し変化があったこと。
子供が夢や希望を持てるような社会にすることが大人の希望であるといいですね。
感涙
1967年、コペンハーゲン。13歳のエリックと10歳のエルマーは母親と3人で、貧しいながらも、つつましく幸せに暮らしていた。ある日、病気が悪化した母親が入院することになってしまう。幼い兄弟だけでは生活していけないと役人に判断され、エリックたちは男子児童向けの養護施設に預けられることになる。
初日から、内反足で足の悪いエルマーにとっては酷な岩運びの作業を指示され、上級生たちからもイジメの標的にされてしまう。しかし周りの児童たちは誰も助けてくれず、突然の環境の変化に戸惑い、不安に駆られる。その夜、エリックとエルマーは施設から逃げようとするが、呆気なく捕まってしまう。ヘック校長は兄弟に「勝手なことをすれば罰する」と言い放ち、ほかの児童たちに彼らを制裁するよう指示を出す。実は、施設内では厳しい規律が定められ、ヘック校長や職員たちはしつけという名のもと、児童たちに体罰を与えていたのだ。新しく赴任してきたハマーショイ先生は傷だらけになったエリックたちの手当てをしながら、彼らに「言いつけを守っていれば、最後に報われる」と諭す。エリックは施設を出られる日まで、幽霊のよう目立たないように過ごそうとエルマーに決意を語るのだった。
弟のエルマーは、慣れない環境のせいで毎晩おねしょをするようになってしまう。医者から薬を処方されるが、一向に良くならない。上級生たちからのイジメは止むことがなく、エリックは弟を庇いながらも、現状に対して不満を募らせていく。ある時、ハマーショイ先生はエルマーが文章を読めることに気付き、郵便係に任命する。エルマーは次第に元気を取り戻していく。
施設にも慣れた頃、療養中の母親からクリスマスには一緒に過ごせるという手紙が届く。しかし、帰宅日前に母親が急死。絶望したエリックとエルマーは施設から逃げるため、叔父に協力を仰ぐもヘック校長らに計画を阻止されてしまう。逃亡計画をヘック校長に告げてしまったハマーショイ先生は、責任を感じ、施設を去っていく。
15歳の誕生日が近付いてきたエリックはようやく施設から出られると思っていたが、ヘック校長から、18歳まで施設にいるように告げられる。激高したエリックはヘック校長の愛車を傷付け、ヘック校長から暴行で瀕死の重傷を負わされてしまう。こん睡状態のエリックの姿を見て、耐え切れなくなったエルマーはハマーショイ先生の元を訪ね、助けを求める。ハマーショイ先生は役所のアンダーセン捜査官に施設の現状を訴えに行くが、捜査官が出掛けていて会うことは出来なかった。悲しみに暮れながら施設に戻って来たエルマーは、目を覚まさないエリックに「もう怖がらないよ、いい方法を思い付いた」と語りかける。そして、エルマーは宇宙飛行士の扮装をし、校長の車を壊し、給水塔の屋根から飛び降りる。そこに検査官とハマーショイ先生が駆けつけて兄弟は病院で治療を受けて一命を取り留める。その後、ハマーショイ先生とエルマーは校長に永久証明書を要求し脅されながらも受け取る。その後、生徒のみんなと別れを惜しむエルマーの気持ちに突き動かされるように検査官に相談を持ちかけ、施設の全貌が明かされることとなる。ストーリーは施設の中の一人のナレーションで語られていく。ラストはハマーショイ先生と、エリック・エルマーを乗せた車に向かって彼が手を振るシーンが印象的。その後、物語の舞台が1960年代に実在した施設での出来事であることが字幕で告げられる。
熱闘
物語が暗く閉鎖的である為、色彩や音楽でバランスをとる配慮が有難い。
其々の役者が分かり易い演技を貫いており、作品にエネルギーを与えていた。
また、夢見るエルマーの覚悟を最大限発揮するシーンは素晴らしく、様々な感情が渦巻いた。
息を潜む幽霊は漂うのみ。
見上げる月に降り立つには、小さくも大きな一歩を。
小細工など一切無い、夏にぴったりの熱い熱い物語だった。
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