「坂道のアポロン」坂道のアポロン 三四郎さんの映画レビュー(感想・評価)
坂道のアポロン
1949年佐世保生れ(1966年は高2)の佐世保北高OBで、『クラシック(鑑賞&アマオケ演奏)もジャズライブハウス通い』も現役の名古屋市民です。
『”佐世保が誇る絶景” がふんだんに出て来る筈』と勝手に思い込み、原作もアニメも見ないまま『どうせ “青春モノ” だから』とストーリーにも期待しなかった1年ぶりの映画でしたが、3/21と3/23(来月中学入学の孫娘も一緒)の2回も観てしまいました。
『展海峰からの九十九島』や『白浜海水浴場の広大な砂浜とその先に広がる紺碧の海&高島&黒島』、そして『黒島天主堂の威容』等『佐世保出身者にはたまらないシーン』は “想定内” というより、“スポット選定&撮影時刻&映像時間&映像頻度” が物足りない『若干、期待外れ』のものでしたし、ストーリーも “想定内” でしたが、『1966年当時と変わらないエレガントな制服を纏った小松菜奈の(87点の)佐世保弁』は “想定外” で、北高OBには『もう〜、たまらんバイ!』の一言に尽きます。
そして、極め付きは、学園祭の体育館フロアに置かれたグランドピアノ(知念侑李)とステージ上のドラム(中川大志)のセッション。このセッションの間、どういうわけか、(年甲斐もなく)、涙が溢れ続けました。そして、10年後の黒島天主堂でのドラムと簡易ピアノのセッションでも。
この理由、3/21の帰宅後にネットを見て解ったんですが、この二つのシーンの音は(恐らく)他の演奏シーンとは異なり『プロによる吹き替』ではなく、ナント『二人の俳優の生(実)演奏』だったんですね!! 両名とも、元々『演奏には無縁』だったのを、この若くて器用な二人の男優の情熱による『 “演技力” や ”急ごしらえの演奏技量” の限界を遥かに超越した “本物のセッション(コラボ)“』。 納得です!!
この『(高校生の趣味としては)本物を超えるジャズセッション』 と 『中川大志の “完璧な(99点の)佐世保弁” + “物凄い演技力” + “男も惚れ惚れする程の溢れ出る魅力”』が(小生にとっては)この映画の真骨頂ですが、二度目を観終えて、知念侑李の『自暴自棄気味の孤児』、ディーン藤岡の 『学生運動崩れの挫折青年』等、全体的にも 『極めて上質で、趣味の良い映画』かと思います。
同じ映画を2回も観たのは、小生、初めての事です