「表情の表現がとても良い」坂道のアポロン 映画館さんの映画レビュー(感想・評価)
表情の表現がとても良い
家に帰るとまた観たくなる衝動に駆られる。
アニメ版が非常に好きで実写化はかなり複雑な心境だったが、とても綺麗で優しい映画だった。
台詞回しが上手いとかよりも、お芝居って心なんだと思った。
確かに主役の知念さんはあまりセリフ回しが長けている方ではない。しかし表情や瞳の動きが心を写していて繊細に変わる。セリフがなくても感情がしっかり見える。
中川さんの話し方は方言を詳しく知らない自分には素晴らしいと思った。
これを観る前の小松さんの印象が派手なタイプだったのに、なんて可愛らしくて透明感のある素朴さを持った子なのだろうと一気に好きになった。
唯一残念だったのが美大生の女性を演じていた方。ゆりこではなかった。もっと大人の魅力を醸し出せる女優が良かったと思う。むしろ小松さんの方が魅力的だった。
一生ものの友情って、なかなか出会えるものではないし寧ろ出会えない人の方が遥かに多い中で、友情を超える掛け替えのない存在に出会えた二人に羨ましささえ感じる。
時代背景だったり三人の関係性が良かったし、薫の表情や目線がなんとも良かったし、なんと言ってもセッションに心躍る。
音楽って本当に素晴らしいものなんだなと改めて思う。
あんなに楽しそうにセッションしてる表情って本当に奏であってるからこそ出るものだ。
他の人のレビューでプロを使えとか演奏が素人だとか言ってるのを見かけるけど、そもそもプロ設定じゃない普通の高校生ですからね。
自分の思い違いをしているレビューもよく見るのだが、そういう人は映画そのものをちゃんと観ていないのだろうかと疑問に思う。
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