「心が熱くなる」坂道のアポロン くまさんの映画レビュー(感想・評価)
心が熱くなる
初日に映画館へ。実写なんて期待してなかったけどよかった!というレビューが多い中、わたしは予告や特番を見てきて期待しかしてなくて、ここまで期待してから見てしまうと、期待を裏切られてがっかりするんじゃないか、という不安もあったほど。しかし実際幕を開けてみると、本当に心が熱くなる、うまく言えないけど、もう一度観たいと思わせる、本当にいい映画だった。
原作と違うところはもちろんある。それでも原作に対してのリスペクトを感じる忠実さであったと感じた。
知念くんの演技が~とか、棒読みだとかちらほら目にするが、でもああいう独特の声の持ち主なのであって、合う合わないはあるかもしれないが、彼の演技はどちらかというと言葉よりあの瞳に現れている気がする。ひねくれた薫の心が、千太郎との出会いによって少しずつ解れていくのが表情がすごく素敵だった。
中川くんの千太郎は、本当にどこから見ても千太郎で本当に感動した。ガサツなのに繊細で優しい千太郎が漫画の中から飛び出してきたみたいで、表情も方言も素敵で、こんな素晴らしい役者さんだったのかと。
そして小松菜奈さんは、真っ赤な唇の派手な印象だったので、りっちゃんとはイメージ全然違うと思っていたのに、こんなに透明感のある女優さんだとは……本当に可愛くて驚かされました。小松菜奈さんがりっちゃんでよかった。
セッションのシーンは本当にすごいし、ほぼ未経験のふたりがどれだけの練習を積み重ねてきたかは計り知れない。役者さんは本当にすごいと思った。
初動が奮わなかったようだけれども、わたしはまた見に行きたいと思うし、じわじわクチコミで広がりを見せていて嬉しく思う。
思い切り下げた低評価レビューをちらほら見るが、高評価なのが気に入らないのか、アイドルが嫌いなのか、ちょっとした妬みなのでは?と思うので気にしないで、是非いろんな人に見て欲しいと思う。心から大好きな映画になりました。