劇場公開日 2018年3月10日

「あの時代の雰囲気がかすかに匂う」坂道のアポロン 侍JAPANさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5あの時代の雰囲気がかすかに匂う

2018年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

シニアでみた爺さんですが、涙をこらえるのに苦労。「くちびるに歌を」では無理やり泣かされた感じだったけど、この作品では素直に感情移入できました。小玉ユキは短編しか読んでいなかったので、映画の後に一気読みし、またまた泣けた。
漫画の後に映画を見ていたら、省略された設定に悔しい思いをしたかも知れませんが、限られた時間枠の中であそこまで原作の空気感を再現できれば十分でしょう。脚本家と監督に脱帽。
ところで、薫さんと律ちゃんが大学に入ったのは、1969年。そう、70安保闘争で東大の入試が中止になった年です。佐世保北高(作品では東高)で薫さんたちの1年後輩だった村上龍は、高校生のくせに学生運動のまねごとをしたことを「69sixtynine」に書いていますね。李相日+クドカンで映画化されているので観た人も多いと思います。
この作品では70安保には直接触れられていませんが、基地の町佐世保のあの時代の雰囲気がかすかに匂うと感じるのは、爺さんだけでしょうか。

侍JAPAN