「これから観る映画を100倍楽しくしてくれる映画」リュミエール! shironさんの映画レビュー(感想・評価)
これから観る映画を100倍楽しくしてくれる映画
映画の持つ魅力の全てが、最初からそこにあったことを教えてくれる映画でした。
リュミエールの作品は5本しか観ていなかったのですが、何故だかわからないけど昔から惹きつけられるものがあり…。
108本も纏めて観られるということだったので、日本での公開を楽しみにしていました。
ところが本作は、ただリュミエール作品を纏めただけの映画ではなく、リュミエールの魅力を具体的に解説してくれる映画なのでした!(°▽°)!
それぞれの作品はテーマごとに纏められていて、実例を見ながら解説を聞いているようなもんなので、映画論を読むよりはるかにわかりやすい!(サン=サーンスの音楽も効果的)
結論。
〜リュミエールは単なる発明家ではなく、映像作家であり、真の芸術家なのであった〜
だから、彼らが固定カメラのフレームで切り取った50秒の映像は、意思を持って私たちに語りかけてくるのだということがわかり、長年の謎が解けてスッキリしました。( ^∀^)
しかし、映画の父がリュミエール兄弟で本当に良かった。
彼らのような人達だったから、映画は産声をあげたときから芸術であると同時に、大衆娯楽であり、遠く離れた場所や時間を越えられるドキドキハラハラが詰まったエンターテイメントとして育っていったのだと思いました。
リュミエール兄弟の市井の人を見つめる視線はユーモアと愛に満ちていて、世界中に派遣されたカメラマンもその使命から素晴らしい作品を残します。
とくに村の別れの作品には、涙が止まりませんでした。
決してマニアックな映画ファンだけが観る映画ではなく、少しでも映画が好きな人は全員見るべき!
きっと『リュミエール!』を観る前と観た後とでは、映画の見方が変わっていて、映画を観る楽しさを増やしてくれる、そんな映画でした。
追記:たまたま仕事が休みだったので、初日の舞台挨拶に行けたのですが、
ありったけの勇気を出して、直接フレモー監督に感謝の気持ちを伝えることが出来てとても幸せでした。