「怪作かと思ったら傑作だった」パーティで女の子に話しかけるには osanさんの映画レビュー(感想・評価)
怪作かと思ったら傑作だった
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチの監督(LGBT)が作った異星人の女の子とのボーイミーツガールものでパンクだ、ということだから、
「これは絶対イケてる怪作」に違いないという確信はあった。
LGBT的なもの、異星人的なもの、パンク的なもの・・・、これらのモチーフは、「境界」的なものだ。境界的なものを境界的な人間が描くわけだから、これはイケてる怪作だろうと。
映画が始まって前半はむしろ予想を上回る感じで「まじか?、なんなんだこれ?むっちゃイケてる映画だな」と衝撃を受け、ワクワクしながら浸っていた。
しかし、後半、というか最後の30分が驚きであった。
なんと優しい、愛に満ちた映画なんだ、と。
境界的な人間が境界的なモチーフをふんだんに使用して作った映画なんだから、あくまで境界的なままで終わるものだと踏んでいたのに、ものの見事に裏切られた。
境界的な人間が境界的なモチーフを使っているのに、ここまでユニバーサルに物語を収めてくるとはなあ・・・。
優しい、愛に満ちあふれた、素敵な映画でした。
辺境の題材だらけなのに、ヒューマンな部分で王道にまとめている。
題材の使い方とストーリーのまとめあげ方を総合すると、この映画は怪作どころか、むしろ歴史に残る傑作になり得るのではないだろうか。
なお、「パンクとはブルースの最終形」なんだそうだ。パンクには詳しくないので、そのへんのことはわからないが、いったいどういう趣旨なんだろうか。
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