劇場公開日 2018年11月23日

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「恐怖の「原因・結果」ではなく「過程」を描くも中途半端に終わる」イット・カムズ・アット・ナイト 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5恐怖の「原因・結果」ではなく「過程」を描くも中途半端に終わる

2024年10月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

A24の映画はホラーが多いようだが、従来のホラー映画とは異なって、「原因・結果ではなく過程を描く」方針ということがよくわかる一作。

本作も前提となる感染症のパンデミック、それによる社会崩壊はきちんと説明されず、単にそれから避難してきた2家族の内閉した日常、軋轢と戦い、そして感染症の拡大というやりきれない過程を描くこと自体が主眼となっている。

普通に抱く「どんな感染症か」「社会はどうなっているのか」「最後はどうなるのか」などの疑問には一切答えない。
恐怖の環境に囲繞されたら、人間はどう振る舞うか、どんな生活を余儀なくされるか等々を見せるだけなのである。

まあ、それもありなのだが、その場合、描かれる過程が満足感を与えてくれるか否かが問題となる。同じA24のアリ・アスター『ミッドサマー』等は一応の成功例なのだろうが、本作はいま一つという感を免れない。

「何だか中途半端だったな」と思うだけの作品より、蛇足であったとしても「原因・結果」を追加したほうが面白かったのではないかと、ついつい思ってしまう。

徒然草枕