劇場公開日 2018年11月23日

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「本当に怖いのは疫病か人間か」イット・カムズ・アット・ナイト とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0本当に怖いのは疫病か人間か

2018年12月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

面白かったなぁ

極限状態で表れる人間の本質

この世で何が怖いかって、人間が一番怖いんじゃないのと思ってしまう作品

謎の病気が蔓延する世界
森の中の一軒家で暮らす
父、母、息子と犬一匹の家族

ある時、一人の男性に
「水を分けて欲しい」と言われ、
その男性家族と共同生活をすることになるのだが…

日本で現在「水道を民営化するかどうか」が話題になっているけど
将来的には、人々は「飲み水」を求めて争い合うだろうと、よく言われている
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のように

この映画で描かれるディストピアでも「水」が重要な役割を果たしている

食料を持つ家族と、飲料水を持つ家族が共同生活を始めるにあたり
上位に立つのは、飲料水を持つ家族

しかし、共に生活するうちに
「自分たちの聖域を奪われるのでは…」と疑心暗鬼になっていく

そこで人は「他人に対する寛容さ」を求められる
しかし、現実として、人は、どんどん疑心暗鬼に、どんどん狭量になっていく…

人は、ルールを作り、それが守られている間は安心して暮らしているが
それが破られた瞬間、平常心を失ってしまう…

その時、人間の本質が表れる

「外で何が起きているのかわからない」という恐怖が、人を不安にさせ、平常心を失っていく

この映画で描かれている恐怖は
ゾンビでも、疫病でもなく
人の心に潜む暗闇(ダークサイド)なのだと思った

それ<人間の狂気>は、世界が静寂した夜中にやってくる

まるで舞台劇のような密室劇で展開する異色のホラー

一味違う作品を求めている人にオススメの作品

とえ