「明日はどっちだ?」あゝ、荒野 後篇 はるさんの映画レビュー(感想・評価)
明日はどっちだ?
人には言えないわだかまりがある者は、どこに行ってもはみ出し者扱いを受ける。何かと口実をつけては挑まれる。理不尽さは度肝を抜かれるほど醜悪だし異臭を放つ。重い蓋が必要になり、気が付けば自分の力でその蓋を開けられなくなってしまっている。なぜなら正しいと信じ切ってしまうからだ。自殺防止運動を企てる学生たちの登場はこの映画には欠かすことができない。
この映画はどんな卑劣な、世間一般的での話だけれど、愚劣で滑稽だとしても生きていかなければ意味がないだろう???
そんなことをこの映画は問いかけているからだ。人と人はつながりを求めていながらも相手を拒絶し続けるからだ。誰も周囲の人間の期待通りに行動できない。でも、行動してしまってくよくよしてしまう。人に意思という行動するためのエネルギーが存在しているのだから仕方がないのだ。
繋がるために殴る奴と、それを拒むために殴る奴。
コミュニケーションなんだろう。言葉以外での方法なのだろう。
明らかに矛盾に満ちた若者の感性はすれ違う。
それは必然なのだろう。
繋がりあいたいと願うこと、そしてももがくことが生きると言うことなのだ。
正常も異常も、そこにありはしない。
あるのは、肉体だけなのだから。
この映画に人生の答えを見つけようなんて、そんな甘い考えは捨てた方が身のためだ。
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