劇場公開日 2018年2月3日 PROMOTION

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THE PROMISE 君への誓い : 特集

2018年1月29日更新

良作ぞろいのこの時期、《忘れてはならない1本》をここに刻む──
C・ベール、O・アイザックほか実力派俳優が“生き抜いた”壮絶で壮大な人生
「ホテル・ルワンダ」の名監督が伝えたい「知っておかなければならない史実」

人はなぜ争うのか――約150万人が犠牲になった痛ましい事件を、実力派監督が映画化
人はなぜ争うのか――約150万人が犠牲になった痛ましい事件を、実力派監督が映画化

正月映画が落ち着いた2月は、深い余韻を与えてくれる良作の宝庫。中でも、心に刻むべき1本をご紹介したい。「ホテル・ルワンダ」のオスカー監督テリー・ジョージ、「ザ・ファイター」のオスカー俳優クリスチャン・ベール、「スター・ウォーズ」「エクス・マキナ」のオスカー・アイザックが顔をそろえた「THE PROMISE 君への誓い」(2月3日公開)だ。150万人が虐殺された知られざる悲劇に、実力派が切り込む――製作陣の勇気と信念がにじみ出る壮大な人間ドラマが、見る者の心に強く訴える。


傑作「ホテル・ルワンダ」から約10年──もうひとつの《語り継ぐべき悲劇》
テリー・ジョージ監督×実力派3人の壮絶ドラマが映画ファンの渇望を満たす

凛としたヒロインを演じるのは、「ザ・ウォーク」で注目を浴びたシャルロット・ルボン
凛としたヒロインを演じるのは、「ザ・ウォーク」で注目を浴びたシャルロット・ルボン

アフリカ・ルワンダの悲劇を描いた「ホテル・ルワンダ」から10年あまり――ジョージ監督が、再び力作を携えて我々の前に帰ってきた。オスマン帝国(現在のトルコ共和国)によるアルメニア人の大量虐殺事件を題材にとった本作は、ベール、アイザック、「ザ・ウォーク」のシャルロット・ルボン扮する3人の男女の姿を通し、トルコ政府が今なお認めないという“歴史の闇”を暴き出している。愛に苦悩し、時代に翻ろうされた3者の行き着く先とは? 彼らのたどった壮絶な運命が、胸に突き刺さる。

職人肌のクリスチャン・ベールは、当時の資料を読み漁り、ジャーナリストになりきった
職人肌のクリスチャン・ベールは、当時の資料を読み漁り、ジャーナリストになりきった
罪のない人々を襲う無慈悲な仕打ち――強制労働の過酷な実態を、まざまざと見せつける
罪のない人々を襲う無慈悲な仕打ち――強制労働の過酷な実態を、まざまざと見せつける

人類史上最悪の悲劇とされる“ホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人の大虐殺)”の約20年前に起こっていた、痛ましい事件――。本作はアルメニア人大量虐殺事件を真正面から描き、その真実を白日の下にさらす。歴史に消えていった人々の魂の慟哭(どうこく)に、耳を傾けていただきたい。

「ホテル・ルワンダ」から10余年を経て、巨匠が再び“虐殺”という心痛なテーマに挑む
「ホテル・ルワンダ」から10余年を経て、巨匠が再び“虐殺”という心痛なテーマに挑む

過酷な労働を強いられ、無慈悲な暴力にさらされ、はずかしめられ、凶弾に倒れる名もなき人々――ジョージ監督はその一切から目を背けず、克明に描写。作品を通し、「人は、なぜ争うのか?」と見る者に切々と問いかける。語り手としての不退転の覚悟がなせる圧倒的な表現力に、息をのむだろう。

(下段左から)アンジェラ・サラフィアン、ジェームズ・クロムウェル、ジャン・レノ
(下段左から)アンジェラ・サラフィアン、ジェームズ・クロムウェル、ジャン・レノ

ジョージ監督の信念に共鳴し、実力派俳優陣が捨て身の熱演を見せつける。役ごとに肉体を変化させる職人俳優ベールは、脚本を読みオファーを即決。膨大なリサーチを自ら実践し、使命感に燃えるジャーナリストを演じた。医学生に扮したアイザックもまた、作品の意義をいち早く理解し、出演を快諾。監督の盟友でもあるジャン・レノと、「ベイブ」でオスカーにノミネートされた実績を持ち、テーマに深く共感したというジェームズ・クロムウェルが、熟練の演技で物語に深みをもたらす。


ホロコースト、戦争、革命──史実に基づく作品は“見る意義の”宝庫
映画ファンの歴史認識を揺さぶる「アルメニア人大量虐殺事件」とは──

ベール、アイザック、ルボン――演技派3人が見せる狂おしい愛のドラマも、心に刺さる
ベール、アイザック、ルボン――演技派3人が見せる狂おしい愛のドラマも、心に刺さる

優れた映画は、私たちに人類の営みの本質を教えてくれる。我々は映画を通して歴史を学び、今を見つめ直し、明日への示唆を得るのだ。ホロコーストの残虐性を描いた「戦場のピアニスト」や「ライフ・イズ・ビューティフル」「サウルの息子」、虐殺から人々を救った偉人を描く「シンドラーのリスト」や「杉原千畝 スギハラチウネ」、革命家の素顔に迫った「チェ」2部作、暴力の連鎖を鋭く見つめた「ミュンヘン」など、これまで多くの傑作・良作が字面だけでは伝わらない“生の歴史”を表現してきた。

激動の歴史の中でもがいた人々を描いた“史実映画”の歴史に、新たな良作が加わった
激動の歴史の中でもがいた人々を描いた“史実映画”の歴史に、新たな良作が加わった

映画によって、“知識”だけでしかなかった歴史的事件が“体験”として我々の内奥に刻まれ、理解につながる。悲劇を繰り返してはならない――“史実映画”は、過去と今、そして未来を結ぶ架け橋となるのだ。本作もまた、これらの作品に連なり、埋もれてしまった人々の叫びを現代によみがえらせ、改めて平和への強いメッセージを投げかけるものとなっている。

平和な生活が、苦難の日々に急転――“普通の市民”がたどる壮絶な運命が、胸をえぐる
平和な生活が、苦難の日々に急転――“普通の市民”がたどる壮絶な運命が、胸をえぐる

また、題材となった「アルメニア人大量虐殺事件」はアルメニア系カナダ人のアトム・エゴヤン監督による「アララトの聖母」(2002)、ドイツの名匠ファティ・アキン監督による「消えた声が、その名を呼ぶ」(14)など、多くの映画人が近年、ようやく取り組めるようになった最重要テーマの1つ。本作では、トルコ政府が現在まで事件を認めていないため現地での撮影許可が下りない逆境のなか、3カ国・22ものロケ地をめぐって完成させたという。今なおくすぶる問題に、リスクを冒してメスを入れる。真実を伝えようとする表現者たちの強い信念で出来上がった本作は、テーマ性の観点から見ても史実映画の最前線にあるといえる。まさに、いま、見なくてはならない映画なのだ。



改めてかみしめる「本作で湧き上がる思い」と「作品クオリティ」
映画評論家が映画ファンに問いかける「今、本作を知ってほしい理由」

これは、紛れもない事実――製作陣から手渡されたバトンを次代につなぐのは、我々観客
これは、紛れもない事実――製作陣から手渡されたバトンを次代につなぐのは、我々観客

誰もが、他人事ではいられない――。本作が持つ真摯なメッセージに心打たれた映画評論家・森直人が、“今、本作を見るべき理由”を提唱。混迷を極める現在の世界情勢に目を向けつつ、本作が投げかける問い、内包する“痛み”、そして映し出す人間の光と闇について、独自の観点から解説する。

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