劇場公開日 2017年7月15日

  • 予告編を見る

「深い悲しみをかかえ、なおも人は生きていく」彼女の人生は間違いじゃない マツドンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0深い悲しみをかかえ、なおも人は生きていく

2017年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

この映画を一言で表すとすれば
奥の深さです。

なにげない台詞に
にじみ出る主人公みゆきのやるせない気持ち。

みゆきを送り迎えする三浦の台詞は
監督自身のつぶやきのようにも聞こえました。

原発という社会問題を告発する形ではなく、
庶民の立ち位置から、同じ高さの目線で
監督は描きたかったのではないでしょうか。

深い深い悲しみに沈んだ人にも、
日常はいやおいうなく続いていかざるを得ない。
生と性、そして新しい命。
生きていくとは、そういうことなんだ、と
静かな語りを聞いたような気がします。

瀧内公美の演技、心に残る秀逸なものでした。

たとえば純文学のように、
行間を読む大人の映画を楽しめる人なら
ぜひ見てほしい映画です。
私とっては、トップ3に入る映画です。

マツドン