素敵な遺産相続のレビュー・感想・評価
全2件を表示
すてき
夫に先立たれた女性が、思いがけず手に入った高額の遺産を元手に親友とバカンスに出かけ、人生の再スタートを図ろうとする姿を描いたハートフルコメディ。元教師のエヴァは長年連れ添った最愛の夫に先立たれ、40年来の親友マディは気落ちするエヴァを明るく励ましていた。そんなある日、夫が残した生命保険5万ドルが、保険会社の手違いで500万ドルも振り込まれる。エヴァはすぐに返金しようとするが、マディの提案で、そのお金を使ってバカンスへ出かけることに。保険会社の職員ヴェスプッチは、間違えた保険金の回収のため、エヴァたちの後を追う。
ドタバタ劇が繰り広げられお金を取り返したエヴァは余命わずかなマディに半分を渡し、マディは好青年と浜辺で過ごすのだった。
往年の名女優が今なお輝いて見える作品。
大女優の未だ現役ぶりを楽しみつつも、内容はお粗末。
シャーリー・マクレインのジェシカ・ラングというなかなか濃ゆい面子で繰り広げられるコメディということで、女優の力量には不安もないし、大分お歳も高く積み重ねられた女優たちが未だ主演を張るその醍醐味が堪能できるのは有意義なこと。おばさんになろうがおばあちゃんになろうがチャーミングであることに変わりのないマクレインと、芸達者でコメディもお手の物(そういえば彼女が1度目のオスカーを受賞したのは「トッツィー」のコメディ演技だったか)で女優の余裕を見せるラングのそれぞれに楽し気な演技合戦を見ていれば、ある意味で満足ではあったのだけれど、話の内容がいくらなんでもお粗末というもので、「気楽に楽しめる」という域を超えて、正直なところ・・・オ・モ・シ・ロ・ク・ナ・イ?
物語は、夫の死後、手元に入ってくる生命保険金の金額がケタ2つ間違っていた・・・!というところからくる喜劇で、巨額の臨時収入に動揺しながらも豪遊する大女優二人を堪能しつつ、ちょっとしたスパイスとして二人を追う保険会社の窓際社員の存在が効けばそれで十分な映画だったと思う。いい意味で「他愛もないコメディ」「真っ当なドタバタ喜劇」として作ってくれれば十分な内容で、むしろそうしてもらった方がスッキリして良かったのではないかと思うのだけれど、しかしながらこの映画は、特に意味をなさないラングの「余命わずかの病」という設定と、途中から二人の主演女優が盗まれたお金を巡って犯人捜しを始めるという迷走に突入し、何が何だか、お話がしっちゃかめっちゃか。
最終的にお金を盗んだ犯人を捕まえて一件落着ってことになっているけれど、そもそも論点が思い切りズレてしまっています。本来の受取額と違う金額を使っておきながら、使った分はカジノの勝利金で返せるから万事OKって逃げ口上みたいなハッピーエンド。そんなのアリ?
大女優が現役で溌剌とした芝居を魅せたり、年老いても恋をする様子や、現実にはできそうもない豪華な遊びを疑似体験することで、勇気を貰ったり元気を貰ったりっていうことは出来るかもしれないとは思いつつ、せっかくマクレインとラングを集めたのなら、もっと充実感のあるコメディが良かったな、と感じてしまうのも致し方ないかと思ってしまった。
全2件を表示