gifted ギフテッドのレビュー・感想・評価
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注がれる想い
いいお話しだった。
7歳の女の子に視線を奪われっぱなしだった。
数学において天才的な頭脳を有する7歳の少女が主人公。メガネをかけた天才肌かと思いきや、すこぶる活発で、むちゃくちゃお転婆で、校長先生に歯向かったりする。
眉間にシワを寄せてる表情が印象的なんだけど、その顔があどけなく笑う時などは、こっちの表情までつられて崩れてしまう。
そんな子の養育権を巡って本作は進む。
緻密で繊細な人間関係が設定されていて、その中心で色んなものにぶち当てりながらも、互いに信頼し合うフランクとメアリーがいじらしい。人物造詣へのアプローチがすこぶる良くて、脇役の描かれ方も絶品だった。
子供の未来にとって何が必要なのか?
そんな命題を背負って物語は進む。
ラストシーンにちょっとしたどんでん返しも用意されていて、ただのホームドラマでは終わらない展開も嬉しかった。
大岡越前だったかなあ…子供の母親だと主張する女性2人が両側から子供の手を引っ張り合う話。本当の母親は子供が痛がる様が不憫で手を離してしまう。そんな話しを思い出しながら鑑賞してた。
ともあれ、子役の彼女がすこぶる自由で、まつ毛が凄く長くて何年か後に、是非スクリーンに帰ってきてほしいと思う。
キャプテンは、野暮ったい父親を好演していて◎
2人の掛け合いも楽しくて大いに笑ったし、終始リラックスして見れた作品だった。
You are smiling. 子役スゴい。
個人的にマーク・ウェブ監督作品はアタリが多いんです。マーク・ウェブ作品は観たら大体どっかで泣いてます。映画好きな人なら誰にでもある自分の琴線に触れまくる監督。自分にとってマーク・ウェブ監督がそれにあたります。
というわけで今作も良かったです。なんかね、子供が泣いたりするシーンってこちらも無条件でつられる訳ですよ。メアリーが里親に引き取られるシーン、そしてフランクと再会するシーンも涙無しには観れませんでした。そういえばフランクとメアリーが夕陽をバックに遊んでるシーンも子供ってあんな感じ大人登りたがるよなぁっと何だかシミジミ。
後、つい子供に心にもない事言ってしまうフランクがリアルでした。ずっと子供の相手をしてたら自分の時間が5分もないって言いたくなるんですよね。親子と言っても人間ですしね。で、言ってしまった自分に落ち込む。あるある。あー、やっぱマーク・ウェブ監督って人間描くの上手いわぁ~。
フランクを演じたクリス・エヴァンスも良かったですが、何よりもメアリー役のマッケナ・グレイスちゃん。超演技上手い。とても自然に演じてて、恐ろしい才能です。そして「おはようございます。スティーヴンソン先生」って言う時の顔!大爆笑でした。そういえば映画「ルーム」に出てたジェイコブ・トレンブレイ君といい、最近の子役って演技力ハンパない。やっぱハリウッドってスゴい才能があつまってるんだなぁっと改めて思いました。
もはや2人のラブストーリー
マッケンナグレイスちゃん、最高でしたな。泣いても笑ってもほんとにキュート。将来が楽しみだけど、あの大きな垂れたおメメはどうなることやら!
ストーリー的には、ほぼ予告です(笑)
グッモーニンミススティーブンソンには笑った!
最初の方テンポよくてずっとこんな感じかと思ってたらなんか違かった
けっこうママがキーパーソンなんだね。
実際もっと姉の苦悩やらを回想で描いてくれたりとかしてたら、もっとクリスエバンスに感情移入出来たかなあと。
病院での出産シーンは名シーンでした。泣けた。あれは誰でも泣けるわ。
天才一族版「アイ・アム・サム」
年末で忙しいし、一度は劇場での鑑賞を見送ろうかと思っていたこの作品。でもなんだか作品の評判がとてもよろしいので、やっぱりみたくなって劇場に足を運びました。
マーク・ウェブ監督のことは以前から好きで、「(500)日のサマー」なんてドハマリした私。この「ギフテッド」も観ない理由はなかったはずだけれど、予告編を見て漠然と「こまっしゃくれた”天才子役”が小憎らしい演技で”天才キッズ”を演じることを賛美する映画だったら嫌だなぁ」と思ったのが一度はこの作品を敬遠した理由。でもそれは杞憂だった。ヒロインのマッケナ・グレイスはまぎれもなくい美少女だし演技も大人びていて本当ならそれが嫌みに見えてもおかしくないところなのだが、グレイスの抜けた前歯がただの美少女をチャーミングに魅せたように、カメラの前でのびのびとした子供らしさを見せていて嫌みがない。フランク伯父さんの膝の上でごろっと仰向けになったり、体をよじ登ろうとしたり自由気まま(に見える)。子役の鼻につく感じがなかったのは本当に救いだった。
と安堵した一方で頭をもたげてきたのは「なんかこの映画『アイ・アム・サム』そのまんま?!」ってこと。私は「アイ・アム・サム」が大好きなので、だったらこの映画も同じように愛せるのでは?と思いそうだけれど案外そうでもない。もちろんこの作品の主人公は知的障害者ではないけれど、彼らが辿る物語の道筋は「アイ・アム・サム」とほぼ同じ。子どもの養育権で訴訟を起こされて法廷に出て、一度は里親に出され、そして子どもを取り戻す。オクタヴィア・スペンサーの存在は「アイ・アム~」におけるダイアン・ウィーストで、担任教師ジェニー・スレイトは「アイ・アム~」におけるミシェル・ファイファーで・・・なんて置き換えまで出来そうなほどに既視感が付きまとい続けた。だからってダメってわけではないのだけれど、天才的頭脳をもった稀有な少女を前に、才能を伸ばし英才教育を施す意義深さとそれに反して年相応の「普通」を経験させてやる子との深い意義を対立させるという興味深さに目を向けているわりに、映画が提示する回答には目新しいことは何もなく、実にありふれた「愛し合う二人を引き裂かないで・・・!」みたいなメッセージに落ち着いてしまったのが極めて遺憾だった。
それでいて、この映画には分かりやすい悪役がいるのも大いに不服。リンゼイ・ダンカン演じる祖母が、俗に言われる「毒親」ってやつで、主人公二人に起こる悪いことはすべて彼女が元凶であるように描かれている。つまり彼女さえ言いくるめれば事が解決する仕組み。でもこの映画が取り上げているテーマって、天才的な能力を持った子供に与えるべき適切な環境とは?という、簡単には答えなど出ないようなもの(能力を伸ばすには子供らしさに犠牲を払う。子供らしさを優先させれば能力は芽を伸ばさない)。それなのに、分かりやすい善と悪を作ってしまったのは物語としてあまりに稚拙であり、そうすることで観客がメアリー少女のために何がもっとも大切で何を優先させるべきかを考察するに至らなかったのは残念だった。
細かい疑問はあるものの名作
マッケンナ・グレイスの可愛らしさと演技の素晴らしさは前評判通り。言うまでもなく。天才子役と言ってよいかと思います。
ここでは他の気になった疑問点を。
フランクはなぜボート修理人をしているのか。
お金の問題でメアリーを失う可能性があるくらいなら助教授のままでいたほうがよかったのでは?イブリンからメアリーを隠すったってググれば2ページ目で見つかるし。
そうだ日本に来れば「ギフテッド」教育なんてないからそもそも裁判にもならない!、、と見ていて思った(笑)
メアリーはあれだけ数学の才能があるってことはたぶんIQも高い。でもそれと性教育はたぶん別物。土曜の朝に鉢合わせした先生のあの姿を見て、その意味するところを理解してかつ皮肉っぽく挨拶できるって、、7歳で!?とびっくり。アメリカの家庭はその辺がオープンなのかな?
イブリンの毒親っぷり。「自分の夢を子供に託す」から「自分と子供が一体化」へと変わっていったんだろうけど、そもそも自分自身が目指せばよかったのにね、としか思えなかった。
時代が女性に厳しかったのだとしても、夫の死後もう一度研究の道へ進む選択肢もあったはず。『ドリーム』では黒人のシングルマザーが数学で身を立てていましたよ?
ラストのミレニアム懸賞問題の解決を隠していた意図。
母親の死後まで公表しないでくれというのは復讐のつもりとして理解できるけど、自殺も?そんな取り返しのつかないやり方でしか母親を断ち切れなかったのだとしたらかなり残念だと思う。
ただ自殺の理由ははっきり示されていなかったから、ポアンカレ予想を解決したペレルマンのように常人では理解しがたい心理状態になっていた…ということならそれもありえるか。
細かく考えると登場人物それぞれの「最善の道」は他にもあったんじゃないかという気がしてくるけど、人間てそんなもの。とにかく心が温まることは間違いなし。俳優陣も素晴らしく、観てよかったと思える名作です。
メアリーの「愛されスペック」にメロメロ
近くのショッピングモール系の
映画館では上映していなかった。
スルーしようかと悩んだか
あまりの評価の高さにつられて
電車で1時間かけて観に行った結果。
当たり!
大当たり!
登場人物の少ない映画が大好きな私。
そこに加わるメアリーの可愛さ!
こまっしゃくれ具合が絶妙。
育ての親のフランクとの
大人顔負けのセリフのやりとりが
絶妙にコミカルで
シリアスになり過ぎてないのも
観ていて心地よかった。
大好きなシーンがあった。
フランクと女教師が一夜を共にするシーン。
朝。シーツひとつで体を包んだ女教師と
メアリーがばったりと出会ってしまう。
普通の映画なら。
「ショックで言葉の出ないメアリー」
こんな演出が想像できるのだが。
この映画は違った。
7歳の女の子が大人の事情をすべて解った上で
冷ややかな皮肉を込めた
「したり顔」で放つあのセリフ。
痛快!爽快!湿っぽくならずに
物語を軽やかにしてくれた
素晴らしいシーンだった。
ここから、フランクの
「5分でいいから自分の時間をくれ!」
のシーンに繋がっていく流れも素晴らしい。
緩急の塩梅が絶妙で最後まで楽しかった。
運がいいことに
個人的に知って要る俳優さんが
ほとんどいなかったのも幸いした。
俳優のイメージに邪魔されることなく
ストーリーに没入できた。
育ての親であるフランク。
仲違いをしてきたフランクの母。
メアリーの母親でもあるフランクの姉。
みんなそれぞれの「正義」「信念」がある。
血の繋がった家族だからこそ
行き違いが生まれる。
結果、意固地になってしまう。
そこに巻き込まれてしまうのが
何の罪もないメアリー。
だが心配は無用だった。
何のことはない。
彼女に受け継がれたのは
「愛される」スペックだった。
その能力の前では意固地な大人なんて
ひれ伏してしまう。
かく言うわたしも
そのスペックにメロメロにされたひとり。
観終わった後の爽快感は
最近の映画の中では群を抜いて心地よかった。
老若男女、全ての人にオススメできる
大当たりの映画だった。
どっちもどっち
祖母と叔父で裁判までして親権争い。
しかも祖母は実の母親とは、日本人には理解し難い設定で、対立の理由はざっくり言うと子供の教育方針の違い、身内なんだからよく話し合えよと言う感じ?
根底には亡くなった母親の一件が有るのだが、その辺りの溝がもう少し描かれていれば共感出来たかも。
幸せと優しさで溢れる最高の映画。
「ギフテッド」字幕版で鑑賞。
*概要*
生まれて間もなく母親を亡くした7歳のメアリーは、独身の叔父フランクとフロリダの小さな町でささやかながら幸せな毎日を送っていた。しかし、メアリーに天才的な特別な才能が明らかになることで、静かな日々が揺らぎ始める。メアリーの特別扱いを頑なに拒むフランクのもとに、フランクの母エブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうと画策する。母の画策に抵抗を続けるフランクには、亡き姉から託されたある秘密があった。
*主演*
クリス・エバンス
マッケンナ・グレイス
*感想*
時間が空いたので鑑賞。あまり期待せず、軽い気持ちで観ましたが、こんなに幸せになれる映画は初めて。(^^)
まず、冒頭の朝食シーンでメアリーの最初の演技で心を鷲掴みされましたね。。メアリーがとにかく可愛すぎる。天使です。天才です!
フランクは亡き姉の遺志を引き継ぎ、姉の子供メアリーを大切に育て上げようとするんですが、メアリーの才能を知ると、祖母がフランクとメアリーの生活を引き裂こうとするのは心痛めた。だけど、最終的にいい形で幸せになれて良かったかな。
終盤、フランクが片目の猫フレッドを救い、里親からメアリーを助け出して、フランクとメアリーが抱き合うシーンはグッときたな~(>_<)
フランクは優しいし、メアリーは生意気だけど、可愛いし優しい。素晴らしいです。
演出も最高でした。あるきっかけで、フランクとボニー先生と寝て、ボニー先生が寝室から出た所を偶然、メアリーが目撃し、そのメアリーが「お~は~よ~う~ございます~スティーヴンソン先生ぇ~」と嫌みっぽいセリフが面白かったな(^^)
ボニー先生も優しいし、隣人のロバータも優しかったな。この二人がいなかったら、ハッピーエンドにはならなかったかも。メアリーもそうですが、片目のフレッドも可愛い!!
期待してなかったんですが、期待以上!感動しました。幸せと優しさに溢れる最高の映画でした!\(^^)/
幸せとは
才能をもって生まれてきた娘と、その父親のヒューマンドラマ。
先が読めた展開ではあったものの、それでも心に響く作品だった。
クスッとくる演出もあり、グッとくる場面もあり、観客を飽きさせない工夫も盛り込まれ、とても見やすい。
しかし、ギフテッド教育を受けさせて育てるのか、他の子と同じように育てるのか、どちらがその子にとって幸せなのか自分自身も最後まで答えは出なかった。結局作品の中では、主人公の父親は、中間を選択する訳なのだが、幸せとは何か、考えさせられた作品だった。
大人も見習わないと。
マーク・ウェブ監督作品ということで興味があって観に行きました。
この監督の特徴で心の変化をテンポ良く見せていく過程と、
風景と明るい色合いと音楽で醸し出す爽やかな日常感が好きです。
今回は日常目にする人間の表面的な感情表現が、特に言葉使いや仕草や間の取り方がどの役者もごく自然な演技のおかげで親近感がありとても好感が持てました。
印象的なシーンが幾つかありましたが、特に好きなのは
図工の宿題の作品を抱えて通学バスに乗り込んできた同級生の男の子が
意地悪な上級生に足で引っ掛けられ転んで作品がぐちゃぐちゃになったシーン。
それを見たメアリーは怒ってその上級生の顔面を分厚い本で一撃。
メアリーは加減知らず。その子は鼻を骨折。
フランクは学校に呼び出されるが、「弱い者いじめをする奴に制裁を与えた彼女の行動に誇りさえ感じる」
と校長に言い放つ。
メアリーも先生に促されクラスのみんなに暴力はいけないと謝るが、
そのあと付け加えるように「彼(同級生の男の子)の作品はクラスで一番最高だった」
と言って拍手をして男の子をみんなで讃えた。
その男の子は突然のことで驚くがとても嬉しそうな笑みを浮かべる。
もうこのシーンだけで観てよかったと思いました。
自分よりもすごいと感じた男の子の才能を素直に讃えることができるメアリーは素敵な女の子なんです。
数学の才能よりもこの素直な気持ちが最高だと思いました。
マッケナグレイスが素晴らしい!
姉の死をきっかけに
姪をひきとり親代わりとなって育てるお話。
数学者の姉の子どもも、何万人に1人の天才だった。
幼少の頃から英才教育をうけていた姉は孤独だった。
自分の子には、子どもらしい生活を送ってほしい...
姉の遺志をうけつぐべく小学校に通わす事にしたが
それが原因で少女の環境が変わっていく。
何がいいって、
子役のメアリー事、「マッケナ・グレイス」の演技力が素晴らしい!父親役のフランク事「クリス・エヴァンス」は安定の演技力。
哲学的でもあるフランクの子育ては、理論的にわかりやすいように
伝える。
子どもが愛される理由を説明するために
病院に行き出産を待っている家族を見せたり、
演技を見るべし!
ストーリーは、王道で、ハッピーエンド。
マッケンナちゃんの、今の、
前歯のない、
しかし鋭い瞳、
天才的演技を見るだけで、価値あり。
あの、出産の家族の喜びを見せて、
産まれて来た事の幸せを感じさせるシーンだけど、
あれは、嘘なんじゃないの?
ホントは、弟だけしか立ち会ってないとか?
ひねくれた考えだけど、どっちかな?
子を正しく育てようという健全な社会の現れ
子が育っていく上で何が大切か。
愛情はもちろん大切。金を含めた環境の良さも健やかに育つためには必要。その子に特異な才能があればそれを見つけ伸ばしていくのも保護者の責務。
おそらくそれを大人が集まって考えていく社会って健全なんだと思う。
今作はそこにメアリーの天才的な数学の才能と、イブリンという強烈なエゴの祖母を絡ませて話を紡ぎだしている。
メアリーがなんとも愛らしい❤️
フランクが手放したくないのもわかる。
また天才的な才能❗
イブリンがその才能を愛する気持ちも理解できる。
それぞれの思いがぶつかり、結果としてよい収まりかたで良かった。
イブリンは我が娘に自殺されているが、だから反って頑なになってんだろうね。
私の育て方は間違ってない❗って。
将来見たときに何が幸せなのかはわからないが、
まずは子供には無邪気に笑っていて欲しい。
そんな社会であり続けることを切に望む。
愛に溢れた至極の一本
観終わった後に振り返り、あのシーンもこのシーンも思い出すだけで思いが溢れてきます。
フランクがメアリーに愛を教える病院でのシーン、再会して直接フランクがメアリーに愛を伝えるシーン。
そして最後の、イブリンへフランクが真実を伝えるシーン。。
メアリーの、天才と普通の女の子を見事に表した演技、時には未熟なフランクを叱ってくれるロバータの絶妙な味つけ、ボニーも良いタイミングで純粋さを運んできて本当に良い役割をしてる!
語り始めればキリがない。特にメアリーの魅力、愛を求める純粋さ。
本当にキリが無いので、ここではフランクのイブリンへの愛という側面に焦点を当ててみたい。
ダイアンが自殺しているし、メアリーを奪おうとするイブリンはすごく悪役です。
ただ、そうでしか愛せない、愛を伝えられない不器用さ。「あなたを傷つけたいわけじゃないんだけど対立してしまう」んですよね。
どの親もこのジレンマを抱えているのではないでしょうか。フランクの、どうしてもどうしても言えなかった真実。。それを知った時のイブリンの表情には胸が張り裂けそうになりました。
フランクが、とにかくメアリーと一緒にいる事を守りたかったのであれば、いくらでもどのタイミングでもこの事実をイブリンに伝える事は出来たはず。
フランクはメアリーにとっての最良を悩んでいた、という理由はもちろんあります。だけど、母親であるイブリンを傷つけたくなかった、だから多くを語らなかった、、とも捉えてしまいました。
「いつも一緒にいた」ダイアンに、愛情を上手く伝える事が出来なかったイブリン。確かにダイアンは望んでなかったかもしれない。
でも、ダイアンの証明をイブリンが引き継ぐこと。それが最良だ!と、イブリンをとかく応援したくなりました。
フランクの、不器用だけどあたたかい愛。それはメアリーに対してだけでなくイブリンに対しても向けられていたんじゃないかな。。
最後のハッピーエンドを、心から嬉しく思いました。メアリーに友だちできて良かった!ダイアンも喜んでいるはず。
まだまだ語りつくせませんが、とにかく愛に溢れた本作。観れてよかったです!是非、劇場でご覧ください。
あえて辛口な事を書きます
泣きましたよ、別れのシーンとか、ラストのクライマックスとか、子役の子の演技に泣かされましたよ。でも、でも、です…。
姉の遺児を男手ひとつで育てる叔父と、祖母が養育権を争う物語ですが、彼は彼女そのものを愛し、祖母は彼女の才能を愛しているに過ぎない。彼女の親友であるネコを捨ててしまうことでも明白。観てる側も制作側も、誰が彼女を育てた方がいいか明らかな視点で映画が作られている気がします。
まず、養育権を争う裁判シーンが3分の1 くらい占めてて思ってたのと何か違うなー…と感じ始める。
里親に彼女を預ける決意するの際も、一度会っただけで、しかもピアノにズームインってどうよ!彼はピアノを買えないんじゃなくて、買わないんでしょ?もう、あのラストに持っていく為の展開にしか思えなかった。
心温まる作品とは思うが、感動作ではない。主人公がどうしようもないダメ男とか、母親に対してトラウマがあるとか、最後に彼女を取り戻すことで主人公も何かを乗り越えたなら、もっと深い作品になり得ただろう。
確かに、子役のマッケンナ・グレイスちゃんの演技は、素晴らしいかった!本当に可愛かった!
何となく、ハリーポッターシリーズのハーマイオニーを連想した。
それにしても、「奇跡がくれた数式」「僕と世界の方程式」「ドリーム」等々、映画には数学の天才が多いなー。
『入念』って?
12月1日(金)映画の日記念鑑賞
アバンタイトルでの小気味よい台詞だけど、結局これはそれ程ネタ振りじゃなかったみたい。それよりも『スペシャルな朝食』のくだりは流石欧米だなって鼻を鳴らしたなw
それ程期待して観に行った訳じゃないが、久しぶりに涙目でウルウルきてしまった作品。子供と動物には勝てないっていうのはもう加齢のなせる業かも知れないと諦めながら、それでも今作の子役の天才ぶりは目を見張るモノがある。目といえば、半端無い睫毛の長さがその演技を補完してる武器になっているんだろうね。叔父役のキャプテンアメリカと祖母役の微妙な関係等、丁寧に描いてるところもストーリーを紡いでる構成として素晴らしい。『ドリーム』に続いて数学がテーマの要素な作品を隣の世話焼きおばさん役として出演していたオクタヴィア・スペンサーのパワフルな演技も好感を持てる要素だ。
トラクテンバーグ法やナビエストークス方程式などサッパリ皆目見当もつかないが、もう少しこの部分説明があると別の深みもあるのだけどなぁと、ここのところは『ガリレオ』の数学教師のような演出を期待したりした自分の無い物ねだりです、ハイ(苦笑
綺麗にストーリーが流れるので、オチもきちんと効いてくる。目のダム決壊はやはりラスト近くのホスト家族宅へ乗り込んで、娘を取り戻すシーン。女の子が泣きながら、『約束したのに~』の叫びは、例えこの子が“ギフテッド”だから気が短く暴発的であったとしても、それは愛情過多であることの裏返しという証明をまざまざと見せつけたシーンである。それはあの大人びた会話とのギャップ萌えにも通づるのかな?w
師走にもなって、感動を頂けた良作であることは間違いない!!
まぁまぁ
期待しすぎちゃったのか、あんまり感動出来なかった。
アニーの先生のボニー先生が、ねこちゃんのポスター見つけてからすごい物語が回り始めた感じで、最後は面白かったけど。ボニー先生お手柄でした。
イヴリンは私のもうひとつの未来かも。
姉の自殺後、残された姪と2人暮すフランクと、姪メアリーと、猫フレッドとのお話です。
フレッドは話の筋に重要ではあるのですが、いかんせんお姿があんまりうつらなーい。もっとフレッドうつしてほしかったーー!
という猫ずきの意見は無視してください・・・ひとつ目の茶トラさん、かわいかったです。
叔父と小さな姪、とか、赤の他人同士の大人とこども、のような、血縁が薄い(ない)同居人の話が、元々好きなんです。
あとはポスタービジュアルのかわいい感じと、「500」日のサマー押しのパブに引き寄せられて観てきました。
もっと軽やかでおしゃれなものを想像していましたが、背景が広いというか、描かれないイヴリンの来し方にも想像が及び、切なさが増すという、まさに人間ドラマでした。泣けたことで映画の評価は高まりませんが(私にとって)、涙をこらえることは難しい類の映画でした。
病院の待合室のシーンが特に。あのシーンはいい。あとは、修理するボートでメアリーと別れたことを淡々と話そうとするけど、メアリー恋しさに怒りをつのらせるフランクのシーンですかね。
まあ、病院の待合室以降は涙が乾かずでしたが。万人受けするとおもいます。私はというと、どストライクな映画でした。
祖母対叔父による法廷劇でもあり、その部分も私は好きです。あと、フランクの弁護士が私にはとても真摯に思えました。
取引の事をフランクに諭す時ですね。あの判事は最後には金のある方に味方するという言葉。その言葉を言わざるを得ない辛酸を舐めさせられて来た、黒人の弁護士。その背景も色々想像しました。
まあ、その弁護士の勧めにしたがってメアリーを里親に預ける決断は、結果として(恐らく)イヴリンの罠であり、メアリーを傷つけることになりましたが、彼に罪はないので。里親がフランクをだました片棒を担いでいたのであれば、私は本当に許せませんね。そこのところがはっきりしなかったのがちょっと不満です。フレッドを動物病院に届けた人は男だったというところから、里親夫婦の夫のほうを憎んでおりますが、果たして。
フランクの事、メアリーの事(まつげふっさふさの歯抜けさんがかわいい)、ボニーの事、ロバータの事、姉の事。
色々思ったことはありますが、全てを語ると長すぎるし、きっと他の方が語るでしょう。語りたい点はたくさんありますので。
私は、メアリーの祖母であり、フランクの母であるイヴリンについて、語っておきたいと思います。
イヴリンは2017年の日本社会に照らすと、どえらい毒親といえます。
元々、子供のすることを勝手に決めて強制する親(大人)が私は大嫌いですから、当然イヴリンの言う事する事全てに反発しました。
しかしながら、彼女がなぜこうなったのか、こうならざるを得なかったのか、そのことに想いが及んで悲しくなりました。
ケンブリッジ大学へ通って数学を研究していたイヴリンだけど、その道は結婚によって閉ざされたようです。
「結婚・子育て」しか求められなかった才能ある女性の悲しみ、それが遠景にあります。
イヴリンは悔しかったのでしょう。夫になる人を愛したでしょうが、自分の人生の望みを棄てなければ愛してもらえず、妻・母親以外の生き方を封じられた。そのことにこっそりずっと傷ついてきた若いイヴリンが見えた気がしました。
産んだ娘は、恐らく自分より才能がある。その気付きがイヴリンを慰め、彼女の生きがいは娘を世界的な数学者にする事へと変わった。
特別な才能には特別な教育を。娘から子供らしさを全て奪い、数学のためだけに生きさせようとした。それが愛情だと思っていた。
実際にはイヴリンの与えたものは、娘を殺した毒であって、娘の望みではないんですね。
だから、娘は自殺を選んだ。弟にメアリーを託した。完全証明した数学の問題を隠した。
イヴリンは孤独です。子供たちの父親である夫は早世し、再婚相手とも別居中。息子にも嫌われ、娘にも裏切られた。
自分自身を夫や男性基準の社会に引き裂かれて人間性を殺されてしまっており、とても傷ついている。
でも傷ついていることを認められないので、その手当てが出来ずにいる。
そうして自認できない悲しみが詰まった感情と体で生きているから、その悲しみを自覚せずに娘や息子に対して発散してきた。
そんな風に受け止めました。
再婚相手とは単純な別居なのか、夫婦関係が破綻しているのかはうかがい知ることができませんでしたが、恐らく結婚生活に幸せを見出してはいないでしょう。だから、何かを求めてメアリーに固執します。
メアリーへの固執は言い換えると「自分の代わりに数学者の夢をかなえられそうな子供」という事であって、決して対象への愛情ではない。
歪んでしまった悲しい自己愛です。それを自覚できず、娘(の人間性)を殺してしまったことにも気付かず、同じ事を繰り返そうとする。
愚かで悲しいイヴリンを、そうなる可能性のあった自分の未来として観ました。
私にはどうしてもかなえたい夢なんてなかったから、道を閉ざされたという悲しみはありませんが、
妻とか母親、あるいは男が望む女といった男性基準の社会から求められる役割以外は歩めないという世界に、
囚われずに済んでいることで、どうにか自尊心を失わずに済んでいるようにも思っています。
でも、大いに私はイヴリンになった可能性があった。
私が子供の頃に目にしていた大人の女性は、濃淡はあれどもみんなイヴリンでした。
そうして今、目にしている女性の多くもまたイヴリンです。そのことをまた悲しく切なく思いました。
すごくよかった
姪をシングルファーザーで養育する親戚里親の話だった。二人とも超頭がいいので、共感しづらい面はあったが「オレの育て方は間違っていなかった。それは君がすごくいい子に育っているからだ」というセリフにはとても感動した。
ただ、近所の人に預けて夜飲み歩くような生活はいいのかな。そんな自由があるなんて羨ましい。アメリカではそうなのだろうか。そのくせ「5分でいいから自分の時間が欲しい」とレゴを踏んで悶絶している時に言っていて、なんだそりゃと思った。
浜辺の思い出
パンフレットの表紙のショット。
いろんなシーンがあるけど
浜辺で過ごす彼らのひとときに
憧れました。
メアリーと片目のネコと
ビーチパラソル。
その時間を映像で共有したら、
子を持つ親の幸福感にひたれました。
この少女が生意気な事を言えば
笑ってしまうし、
正面から笑顔を浴びれば
微笑んでしまう。
ようは、
彼女に魅了されてしまう。
ストーリーの切口である
ギフテットチルドレンの生き方を
スクリーンの人達と同じように悩むこと
になるんですが、
結局 どんな子どもでも
同じ結論に行き着く気がします。
本作では、
全てを無くしかけたフランクが
片目のネコの失踪から、
皆が普通に暮らす意味を見いだし、
安息の時間を取り戻します。
一緒に暮らして同じ時間を共有し、
時を重ねるのが一番幸せなこと
なんだというのが実感できます。
全編を通して、
人種や暮らしぶりを皮肉る悪意が
なかったので、
安心して純粋な善意の駆け引きに
どっぷり。
最近は、悪意むき出しのどろどろが多いですが観た後、疲れます。
本作は、身体のどこかが軽くなります。
おすすめ。
全70件中、41~60件目を表示