「片目の猫とメアリー」gifted ギフテッド どん・Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
片目の猫とメアリー
Disney+での配信を視聴しました。
中年男性フランク(クリス・エヴァンス)、フランクと一緒に暮らしている7歳の天才少女メアリー、メアリーの産みの母であるダイアン、ダイアンの母イヴリン の4人を中心とした人間ドラマ。
『アイ・アム・サム』(2002年日本公開)を彷彿とさせる内容でした。共通している部分は、①妻が不在。実の娘ではない。②幼い女の子が賢い。③親権をめぐる裁判が始まる。④里親に預ける。⑤結局、一緒に暮らす。
監督も俳優も違うし、カメラワークやBGMなどの演出も全然違いますが、『アイ・アム・サム』との違いを感じながら楽しみました。
メアリーが里親の家でフランクに「置いてかないで」と懇願する場面は 悲しくて泣けます。
終盤、フランクは 後悔が原動力に なっています。強引ながらも 片目の猫フレッドを救い出して家に連れ戻し、里親の家に押し掛けて イヴリンに言うべきことを言い、イヴリンにしかできない重要なこと イコール 限りある人生の時間をかけて今やるべきことを提案します。そして、フランクは、これまでのように そしてこれからも メアリーを育てるのに一番相応しいのは 自分だということを示します。
それまでラビリンス状態だったフランクが 心を決めるきっかけに なったのは、メアリーから取り上げられた片目の猫フレッドだと思います。イヴリンが過去に ダイアンから彼氏を奪ったのと同じことをしたのだと思います。ダイアンには自由を与えなかったし、これからも メアリーに自由がないことが証明されたのです。
メアリーが拾ってきた片目の猫が、まさかメアリーの人生を救うことになるとは、天晴れな脚本でした。
メアリーの担任教師との ロマンスの描写があるので、フランクが幼児性愛者かどうかの心配は ありません。
数学の分野での高い能力を持つ子どもの環境に関すること、家族の在り方や幸福な人生とは何かを考えさせられる内容でした。