「これはあれじゃな?マッケンナちゃんではなくクリエヴァのアイドル映画じゃな?」gifted ギフテッド たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
これはあれじゃな?マッケンナちゃんではなくクリエヴァのアイドル映画じゃな?
天才児=ギフテッドの少女メアリーの養育をめぐり巻き起こる家族間の確執と、その裏に隠されたとある真実が描かれるヒューマン・ドラマ。
監督は『(500)日のサマー』『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのマーク・ウェブ。
メアリーを育てる彼女の叔父、フランク・アドラーを演じるのは『ファンタスティック・フォー』シリーズや「MCU」シリーズのクリス・エヴァンス。
ギフテッドの少女、メアリー・アドラーを演じるのは子役のマッケンナ・グレイス。
メアリーの親友である隣人、ロバータ・テイラーを演じるのは『ズートピア 』『ドリーム』の、オスカー女優オクタヴィア・スペンサー。
ふーん。なるほろ〜。
これはたしかに大衆にウケるだろうな、という肌感の作品。
「家族の絆」という普遍的なテーマを扱った作品で、脚本に目立った瑕疵はない。
キャスティングもクリス・エヴァンスという大人気俳優&とってもキュートな天才子役マッケンナ・グレイスちゃんというそつのなさ。
そりゃ評価が高くなるのもわかる。
ただ。
ただ、こういう映画って全然自分の趣味じゃないんです😅
良い映画だとは思うんだけど、全然気持ちが前にノッていかないというか、「あー、ここで感動させようとしてるんだろうなー」というのが透けて見えてしまって正直冷めてしまった。
一体なぜ、自分はこれ程までに気乗りしなかったのか?
思うにこれはキャスティングが完璧すぎたせいなのではないだろうか。
というのも、マッケンナ・グレイス&クリス・エヴァンスというキャスティングがあまりにもキャッチーすぎるのである。
ギフテッドの教育方法、そしてそういった子供たちに自らの意思を押し付けようとする毒親、という深刻な社会問題を扱っているものの、マッケンナちゃん&クリエヴァというキャスティングがあまりにもキャッチーな為、単なるアイドル映画に見えてしまう。
2人が夕方の浜辺で遊んでいるところを逆光で撮影しているシーンなんか、ほとんどPVのようで「一体今何を観てるんだっけ?」という疑問が頭をよぎってしまった。
フランクを演じるのがクリス・エヴァンスではなくもう少し地味な役者、例えばジョン・バーンサルとかリー・ペイスとかだったら、物語に入り込めていたかもしれない。…決してクリエヴァが嫌いな訳じゃないよ。
いっそのこと割り切ってしまって、これをマッケンナ・グレイスとクリス・エヴァンスのアイドル映画だと思って観賞してしまえばもっと楽しめる作品なのかもしれない。
大人びた顔立ちなのに、お腹は幼児特有のぽっこり体型なマッケンナちゃん。彼女を愛でる紳士諸君もいることだろうが、むしろ本作はクリエヴァのアイドル映画である、ということを強く申し上げておきたい。
キアヌ・リーブスかと思うほど、お顔にお髭を貯えたクリエヴァ。どこか憂いのある表情をみせるクリエヴァ。少女と戯れるクリエヴァ。猫と戯れるクリエヴァ。シャツの上からでもわかるほどの筋肉をモリモリさせるクリエヴァ。ベッドシーンを見せるクリエヴァ、etc。
クリス・エヴァンスの魅力が満載の映画に仕上がっており、彼に熱を上げるお姉様方が本作を観てキャーキャー言っている姿は、想像するに難くない。
なんか日本でリメイクしそうな映画。
もしリメイクされるなら、櫻井翔とか二宮和也とかになるのかなぁ、とか思いながら観賞。
うーん。良い映画なんだと思うけど、やっぱり趣味じゃないんだよなぁ…。
子供に自分の理想を押し付ける毒親、子供の才能を認めずにそれを殺そうとする毒親、子供を認知しようともしない毒親、幼い子供を残して自殺する毒親。
まさに本作は毒親の見本市。子育て世代はこの映画を観て、教育について考えを巡らせるのも良いかもしれませんね。