ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユーのレビュー・感想・評価
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貴重な映像と歌唱が満載の必見作!
ホイットニーの幼少期から2012年の死に至るまでのアンソロジー。知らないことだらけのエピソードが貴重すぎる。 音楽を聴いてきた者にとって絶対に知りたいのは母親であるシシー・ヒューストンとの関係性だろう。偉大なヴォーカリストでありながらも不遇な人生を送ったシシーがこれほど力を入れて娘のスキルを磨き上げたとは知らなかった。デビュー前までの映像は本当に宝物だ。 アリスタと契約した以降の栄枯盛衰は皆が知るところだと思う。ボビー・ブラウンとの結婚生活やドラッグでボロボロになった姿など、見るに辛いが貴重な映像が続く。 キャリアの白眉はアパルトヘイト廃止後初の外国アーティストのライブだったという1994年の南アフリカでのライブだろう。神が宿った奇跡の歌唱に涙した。ホント、いい時は手がつけられなかったんですよね〜 まともに歌えなくなるところまで行ってしまった重い終盤を含め、ファンにとっては必見作だと思う。すべてがホイットニーだ。
ある黒人女性歌手の切なく哀しい実録映画
2019年の映画初めとして、TOHOシネマズ二条にて本作品を鑑賞。 正直なところ、私は、バブル世代ど真ん中に育った人間ではありますが、そんなにも、特段に、ホイットニー・ヒューストンの大ファンだったという訳ではありません。 ですが、そんな私でも、1985年、デビューアルバム『そよ風の贈りもの』からシングルカットされた7曲が立て続けに全米シングルチャート1位に輝くといった快挙を達成。 その後、1991年のスーパーボウルでの「星条旗を永遠なれ」の国歌斉唱の大役を担い、1992年には、ヒロイン役として大抜擢され出演した映画『ボディガード』の成功に至るまでは、何となくですが、よく憶えています。 このケビン・コスナーと共演した映画『ボディガード』により、女性シンガーとして、また女優としても、彼女の名声はまさに頂点を極めたのでしたが、その劇中歌「オールウェイズ・ラヴ・ユー」も、その当時、映画とともに世界中で大ヒットを記録し、全米シングルチャート14週連続で1位を獲得。映画のサウンドトラック盤も、4.200万枚を売り上げる爆発的ヒットを記録したそうですね。 ちょうど、この絶頂期の1989年に出会ったボビー・ブラウンとも、1992年に結婚。そして、1993年には長女ボビー・クリスティーナ・ブラウンを授かるなど、公私ともに幸せの最高潮にあった頃までは記憶していましたが、その後の彼女の凋落ぶりについては全く知らなかったので、2012年2月に、わずか48歳で不慮の死を遂げた時には、まさに、青天の霹靂の如く、信じ難い気持ちが去来したものでした。 今回のドキュメンタリー映画化に際しては、「ある黒人女性歌手の切なく哀しい実録映画」とでも呼んで良いほど、丁寧に、そして嘘偽りを排したフェアに作られた印象がするドキュメンタリー映画でしたので、そう言った意味合いでは、感動的なストーリーにするべく、部分的に意図的な創作・脚色がなされている、あのQueenのフレディ・マーキュリーの半生を描いた『ボヘミアン・ラプソディ』の様な感動的な音楽映画と同じ様に思って鑑賞すると、かなり肩透かしを喰らうかと思います。 どちらかと言うと、『ボヘミアン・ラプソディ』よりも、昨年末に公開された『エリック・クラプトン~12小節の人生~』というミュージシャンのエリック・クラプトンの独白によるドキュメンタリー映画の方が、より近いのかも知れないですね。 エリック・クラプトンも、(あくまでもドキュメンタリー映画で知った限りではあるのですが)、ホイットニー・ヒューストンと同様に、薬物中毒やアルコール依存症で悩まされた半生だった様ですが、彼とホイットニー・ヒューストンとが、薬物中毒による生死を分けた大きな違いは、エリック・クラプトンの場合には、恋多き男としても有名で、数々の女性遍歴を繰り返す事により、あくまでも自分はミュージシャンであって私生活は別と切り分けて、自由気儘に、自分の我を通す事も出来たのですが、ホイットニー・ヒューストンの場合には、幼少期の苦い経験からも、自分が築いてきた家庭を大切にしていきたいという気持ちが強過ぎて身動きが取れなくなってしまい、良妻賢母といった姿を理想の家庭像とすべく、行き場のない気持ちをドラッグで解消するといった悪循環が断ち切れなかったのが大きかったのかも知れないですね。 また、母シシー・ヒューストンをはじめ従姉妹のディオンヌ・ワーウィックやディー・ディー・ワーウィックなど、錚々たる芸能一家に育ったホイットニー・ヒューストンの家族、友人、関係者たちのインタビューと、そして、プライベートを含む膨大なホーム・ビデオや貴重なアーカイブで紡がれていく秘蔵映像の数々とを中心に構成された、今回のこのドキュメンタリー映画では、本国アメリカでは有名だったらしいホイットニー・ヒューストンの薬物中毒以外にも、彼女自身のセクシャリティな問題や、有名歌手だった親類による性的虐待といった新事実にまで踏み込んでいる点では、まさに、圧巻のひと言に尽きましたね。 これまで巷間では、数々の問題を起こしていた、ボビー・ブラウンのみがダメ夫と言われていた様ですが、彼と出会う前からホイットニーを取り巻く親兄弟や親類も、既に、ちょっとおかしかったと言う事がこのドキュメンタリー映画で改めてその真実が分かりましたね。 そしてまた、彼女の歌を、このドキュメンタリー映画を観た後に聴くとまた違ったような曲に聴こえてくるかも知れないですね。 特に、「グレイテスト・ラヴ・オブ・オール」の最後の一節。 あなたが夢見た場所が さびしい場所になってしまっていたら 愛の中にある自分の強さを見つけ出していて というフレーズなどは、彼女の心の中からの叫び声みたいにも思えて来るかも知れないですね。 トップ・オブ・トップに立った者だけが知る孤独。 白人達からの賞賛と、そして同胞たる黒人達からのバッシング。 夢見た場所に辿り着いた彼女が見たものは、幼い頃から思い描いてきた素晴らしい栄光の座や、良妻賢母の家庭像などとは大きくかけ離れた世界だったのかも知れないですね。 私的な評価と致しましては、 この映画は、音楽映画としては、エンタメ性もなく、決して高揚感が溢れる感動的な映画でもない点からも失格の烙印を押される様な作品かもしれないですが、実録もの映画としては、当人不在の「死人に口無し」状態の映画ではありますが、エリック・クラプトンの伝記映画のように本人の独白だと言い訳がましくも聞こえなくもない事からすれば、ホイットニー・ヒューストンのとても赤裸々な部分まで突っ込んでいる点からも、48歳で幕を閉じるに至った不慮の死までの人生を描くのに、非常に良く出来たドキュメンタリー映画だと思いましたので、五つ星評価的には、★★★★の四つ星評価の高評価も相応しい作品かと思いました次第です。 ※また、同じ実録もの映画でも『エリック・クラプトン~12小節の人生~』よりも、その当時の時々の時代背景や風俗を代表するCM映像やニュース素材を盛り込んで工夫してあるので、その時代に生きた人達には、かなり分かり易いかとは思いましたので、多少その分も加点しております。
我が青春の…
…歌姫だったんだけどなぁ。 丁度20歳前後で、当時はまだレコードを買っていた記憶が。伸びやかで、透明感があり、圧倒的な歌声に四六時中ヘビーローテーションで聴いていた。ジャケットの笑顔も楽しそうで、テレビで流れる歌謡曲が陳腐に思えたものだ。旦那のボビー・ブラウンも当時は最高だった。 最後のアルバムとなった「I Look To You」は、なぜか「笑う警官」という大森南朋主演の映画のタイトル曲になっていた。CDで聴いたが、ドラッグのせいなのか往年の輝きは全くなく、残念に思った。そのすぐ後、確かグラミー賞の前日に飛び込んできた残念なニュースを聞いて、「あぁ、やはり」という残念な感想が最初に浮かんだ。 映画としては、彼女の栄光と転落をインタビュー形式で構成した記録映画。目新しい情報もあまりなく、2時間は少し退屈だった。先日のクラプトンの映画などと同様、ドラッグでボロボロになっていく姿は見ていていたたましかった。もう少し全盛期の歌声が、聞きたかったかな。 人生はボロボロでも、この歌声は永遠に素敵です。
「ナンバーワン」は、「オンリーワン」
ホイットニー・ヒューストンの過去の映像とホイットニー・ヒューストン に関わった人々へのインタビューで構成されています。 ドラマ性もエンターテインメント性もない、ドキュメンタリー映画です。 各時代を反映したニュース映像が挿入されるので、若い人達には難しい 映画になっています。 仕事で成功したいと思うなら、観るべき映画です。 仕事で成功するのは大変ですが、仕事で成功した後のほうが大変だという ことを教えてくれる映画です。 「ナンバーワン」の人は、人に頼ることはできません。 「ナンバーワン」の人が人に頼れば、頼られた人はナンバーワンの人を 支え切れませんし、家族にでさえ裏切られ、食い物にされます。 ホイットニー・ヒューストンのおかげで、周りの人々は豊かな人生を 送ることができました。 ホイットニー・ヒューストンの栄光からの転落は、いじめや性的虐待 によるというように描いていますが、私はそうは思いませんでした。 若い人の成功は、幼少期からの努力によって得られます。 幼少期からの努力は、誰でも受けるはずの初等教育(学校教育、家庭教育) を犠牲にしていると思います。 初等教育(学校教育、家庭教育)を受けなかった人は、大人になっても 「善し、悪し」の判断ができず、大人ではなく、大きな子供です。 初等教育を犠牲にして、成功する女性は、増えると思います。 初等教育を受けずに、成功した人は、才能があると自惚れているの ではなく、「善し、悪し」の判断ができない、大きな子供だからです。 仕事での成功は、人生の目的ではなく、手段に過ぎません。 成功した女性に観てもらいたい映画です。 似たような映画で、女性にお勧めできる映画は「ダイアナ」です。 全く異なった女性を描いた映画として「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」もお勧めできます。 「ボディガード」は、ホイットニー・ヒューストンの人生の絶頂期を 描いているので、観ておいて方が良いでしょう。 この映画のサブタイトルの「オールウェイズ・ラヴ・ユー」は、 「ボディガード」の主題歌として、世界的にヒットしました。 一度聴いたら記憶に残る歌です。 多くの人々がインタビューに応じて出演するので、パンフレットを 事前に購入し、読んでおくほうが、人間関係を理解しやすいです。
切なく悲しいドキュメント
2012年、48歳で逝った誰もが認める90年代を代表する世界の伝説の歌姫Whitney Houstonの切なく悲しいドキュメント映画。アパルトヘイト撤廃後、マンデラ大統領からホイットニー自身が直々に要請受け歌うAlways Love Youは圧巻。
思ったほど…
まず、ドルビーアトモス対応のスクリーンなのに従来の音声でやってたために非対応の映画と同じで音に迫力がなく興醒めしてしまった。 A STAR IS BORN が川崎のIMAX レーザーで音響が大迫力だっただけに、根っからののホィットニーファンだったけどもちょっと残念。 そしてスーパースターに成長するまでの親の存在。 ポップクィーンのマドンナは、親の力を借りずに自力で這い上がったが、ホイットニーもティラーも親のおかげでここまでスーパースターに成長している。 しかし、ホィットニーの方は家族の環境も含めて、暗い成長であったのはこの映画で初めて知った。何か日本の故夏目雅子を彷彿する。 しかし、ホィットニーの一ファンで言うと、これほど音楽映画が多い時期に公開したのは、失敗かもしれない。 最近の洋楽のディーバのシーンを見ていると色褪せて感じるし、強い感動を与えられないとは思う。 何か、終わった事でもう忘れてください、、と言っているような伝記映画になってしまっているような。
ある黒人女性歌手のドキュメンタリー
夢見た場所にたどり着いた時 一人ぼっちになっていたとしても 愛の中に強さを見出せますように ホイットニーが一番大切にしていたと言う、The greatest love of all の最後の一節。関係者へのインタビューと数多のプライベートフィルムを含む映像で構成された、まさにドキュメンタリー映画で、彼女の歌う姿がチラ見せなのは難点でした。 にしても、酷く哀しく、なんて困難な、そして短い人生だったことか。アメリカは戦争の国。その攻撃の矛先は時に黒人に向けられる。あるプロデューサーだったかの言葉ですが、重いです。ホイットニーは単なるスターではなくゲットー出自の黒人の希望だった。なんて言う話なんかは胸を締め付けます。 ボヘミアン・ラプソディー的な、音楽家を題材にした感動映画を期待されると、完全に肩透かしを喰らいます。 満たされないココロを埋めることが出来なかった、あれほどの才能に恵まれながらも、強く生ききれなかった「一人の黒人女性」のドキュメンタリーと、覚悟して見てほしい映画でした。 91年スーパーボウルでの、4拍子の「星条旗よ永遠なれ」には、改めて感動した。 ーーーーーーーーーーーー 1/5追記 top of top に立った者だけが知る孤独と深淵。マジョリティからの賞賛と同胞黒人からのバッシング。夢見た場所にたどり着いた彼女が見たものは、思い描いて来たものと、あまりにもかけ離れていたんだと思う。 インタビューには、私は心を歌っているだけだ、と話す一方、舞台裏ではジャネット・ジャクソンを貶し、母親の腕の中に逃げ込むホイットニーの姿は、ラミ・マレックが演じたフレディとだぶってしまう。 向き合うモノの大きさを思い知る時、孤独の深淵が口を開ける。 音楽映画としては失格モノかも知れませんが、実録映画としてはとても良く出来てると思う。
悲しい映画
同じようなドキュメンタリー映画を見ている。 そう、エイミー・ワインハウスだ。 いろんな問題を抱えながら必死に生きるのだが、力尽きてしまう。 二人とも稀有なヴォーカリストであり心優しい女性だった。 素晴らしい才能を持ちながら、いや持っていたからこそ訪れた悲劇なのかもしれない。 辛く悲しいドキュメンタリーです。
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