「胸やけするサスペンス」サバービコン 仮面を被った街 makincosさんの映画レビュー(感想・評価)
胸やけするサスペンス
1950年代アメリカの根深い「人種差別」という大きな問題と、超個人的な「男女」の問題。
最初は1つの事件のように見せて引き込まれるが、事件はどんどん2方向へ別れていく。裏庭を挟んだ2軒で起きた2つの事件、全然関係ないのに、関連性があるかのように見せるやり方。宗教的なことはあまり分からないけれども、そういう事も絡んでいたのかな。
行き過ぎた「人種差別」運動、暴動。
行き過ぎた「男女」の欲望。
関連性がないかと思わせといて、しかしもう一歩踏み込むとやはりそこには、「自己中な考え方」が見えてくる。これってやっぱりアメリカ・ファースト批判?
はじまりは、快晴の空の下。みるみるうちに曇天になり、荒天になり、大嵐になる展開。レールの上を優雅に空中散歩のつもりがいつの間にか、恐怖のジェットコースターにかわっていたような。終わりの見えない地獄を味わい続けさせられて、二度とこんな思いはしたくないと思わせる教訓的な映画。でも、全体的にはオシャレなんだよなー。そこが怖い。
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