ネルーダ 大いなる愛の逃亡者のレビュー・感想・評価
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とても奇妙な伝記映画、むしろ幻想譚
ホドロフスキーが自らの若い頃を描いた「エンドレス・ポエトリー」でも大詩人として名前が登場するチリが誇る偉人ネルーダ。その実像に迫った、というよりも、ネルーダという人物をモチーフに幻想的な詩を綴ったような映画だ。
歴史的な事実を踏まえつつ、語り部になるのは(おそらく架空の人物だと思われる)捜査官。政治犯としてのネルーダを追いかけている彼のナレーションは、知りようもない他人の内面を語ることもあれば、ナレーターの役割を超えて自分自身の内面の葛藤を吐露することもある。
やがて捜査官はネルーダという巨大な影を追ってひとり荒野へと分け入っていく。ある意味ではネルーダは「地獄の黙示録」のカーツ大佐であり、ガエル・ガルシア・ベルナル演じる捜査官はウィラード大尉なのだ。しかし二人が相まみえることがないまま、語り部は孤独に死んでいく。ネルーダとはなんだったのかという大きな謎は、残酷な詩情の中でふわふわと漂ったままなのだ。
タイトルなし(ネタバレ)
イル・ポスティーノをリスペクトした映画。
ネルーダを追いかける警官は実在の人物ではない。イル・ポスティーノのマリオと同じ。
また、この映画で警官が語り部(狂言回し)しているので、最後の場面がよく分からなかった。
五木寛之先生の小説に「3人のパプロ」と言った題名の小説があったと記憶する(戒厳令の夜です-読みましたよ。雑誌で)
その3人のパプロの
パプロネルーダ、パブロ・ピカソはこの映画に登場する。もう一人のパプロはチェリスト、指揮者のパプロ・カザルスだったと思う。
共通点はみんな1973年が没年なのだと思う。
まぁ、20世紀の偉大な芸術家がこの世を去ったとずっと思っている。
映画ではその点に触れて貰いたかった。個人的にはね。
ここでも、約50年なんだね。今年は昭和100年だよ。
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