ネルーダ 大いなる愛の逃亡者のレビュー・感想・評価
全3件を表示
とても奇妙な伝記映画、むしろ幻想譚
ホドロフスキーが自らの若い頃を描いた「エンドレス・ポエトリー」でも大詩人として名前が登場するチリが誇る偉人ネルーダ。その実像に迫った、というよりも、ネルーダという人物をモチーフに幻想的な詩を綴ったような映画だ。
歴史的な事実を踏まえつつ、語り部になるのは(おそらく架空の人物だと思われる)捜査官。政治犯としてのネルーダを追いかけている彼のナレーションは、知りようもない他人の内面を語ることもあれば、ナレーターの役割を超えて自分自身の内面の葛藤を吐露することもある。
やがて捜査官はネルーダという巨大な影を追ってひとり荒野へと分け入っていく。ある意味ではネルーダは「地獄の黙示録」のカーツ大佐であり、ガエル・ガルシア・ベルナル演じる捜査官はウィラード大尉なのだ。しかし二人が相まみえることがないまま、語り部は孤独に死んでいく。ネルーダとはなんだったのかという大きな謎は、残酷な詩情の中でふわふわと漂ったままなのだ。
チリ 愛と逃亡
サスペンス風だが少し違っていて、追う方がどんどんある意味追い詰められてしまうような感じ。
もっとチリの歴史とか知っていれば面白いシーンがたくさんあったと思う。ピノチェットとか…
ネルーダという人の魅力が溢れていた。
追う者と追われる者
第2次大戦後、共産党員が迫害を受けていると議会で政府を非難して追われることとなったたチリの共産党員議員であり文学者でもあるパブロ・ネルーダの逃亡劇とそれを追う警察官ペルショノーの話。
この逃亡中に『大いなる歌』という詩集が生まれたとのことだが、ネルーダについても詩集についても予備知識なく鑑賞。
逃亡劇といっても行く先々で隠れていられず出歩いてしまう主人公だったり、単独でネルーダの足跡を追って歩く優男の警察官だったりで迫力や緊張感や鬼気迫る感じは皆無に等しくサスペンスという感じはない。
ストーリーとしての面白さは殆どなくて、兎に角詩的で叙情的で文学的なネルーダと嫁と警察官の台詞と行動と雰囲気を楽しむ作品という印象。
事実だからしかたないのかもしれないけれど、女好きとか乱痴気騒ぎとかいらない感じも多々あるし、中盤以降同じことの繰り返しだったりで自分には合わなかった。
全3件を表示