少女ファニーと運命の旅のレビュー・感想・評価
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残酷で美しい旅路
ナチス支配下のフランスからスイスへ、子どもたちだけで脱出した実話を基にした作品。美しい映像とスリリングな展開で飽きさせることなく娯楽作品としても歴史の悲劇を訴える作品としても完成度が高い。
9人の子どもたちが引率の大人と逸れてしまい(ナチスにつかまった者もいる)、子どもたちだけでナチスの監視網をかいくぐる。96分の上映時間で次々と危機が襲いかかり、緊張感が途切れることなく続く。残酷な旅だが、それでも子どもたちは楽しみも見出し、たくましい。
監督のローラ・ドワイヨンは名匠ジャック・ドワイヨンの娘だが、子どもを瑞々しく描く手腕は父親にも負けていない。『ポネット』のような美しい少女が本作にも多数登場する。特に注目はミヒャエル・ハネケの『ハッピーエンド』にも出演したファンティーヌ・アルドゥアンだろう。本作では台詞は少ないが存在感は抜群。強いスター性を感じさせる。
子役みんなが可愛いい…
ユダヤ人の13歳の少女ファニーがリーダーとなり、幼い子ども達を連れ、ナチス占領下のフランスからスイスへの国境超えを目指す実話ベースのストーリー。タイトルからは想像できない、死と隣り合わせの逃避行だが、子役みんなの可愛らしさ、無邪気な様で、それを一瞬忘れてしまう。実際もファニー自身がまだ子どもで不安で堪らなかっただろうが、頼ってくる子どもたちを鼓舞し、飢えをしのぎ、機転を利かせ、諦めさせず、導いたのだろう。手紙が舞い、ジグザグに走り、銃撃を避けるラストシーンは創作だろうが、良かった。エンドロールで本人が出るが戦後、フランスに戻るものの両親に会えなかったという事実が何ともやるせない。
発砲されたらジグザグに逃げろ!
1943年のナチス統治下にあったフランス。ユダヤ人の子供たちが親と別れ、支援組織が秘かに運営する児童施設に匿われていた。ある児童施設で13歳の少女ファニー(レオニー・スーショー)が幼い2人の妹エリカ、ジョルジェットと共に入所する。まもなく、密告者によってナチスの魔の手が近づいてくると判断し、マダム・フォーマン(セシル・ドゥ・フランス)が経営する施設へと移る子供たち。
それでもなお、ナチスの影はちらついてくる。再度の逃避行を始める前夜に、フォーマンは子供たちにフランス人ぽい名前を与えて、彼らに復唱させるのだった。もしかすると、うっかり本名を言ってしまう子供がいるんじゃないかと思っていたら、みんな健気にフォーマンの言いつけを素直に守るのです。どこに向かうかと問われたら必ず「林間学校に行く」と答えるように教えられ、とにかくスイスまで逃げなくてはならない。5歳くらいの小さな子にしたって、ナチスの怖さがどんなものか知らないハズなのに、自分を守ることに懸命になる。このいじらしさがまた涙腺を刺激する。
フォーマンはアンヌマスに到着すれば合流できるから!と、ナチスが乗り込んだ列車から子供たちを引き離すように奮闘し、自らが偽造パスポートで最大限の演技をする。橋が爆破されたとかで、貨物列車に逃げ込む子供たち。この駅では料理人の兄さんと離ればなれになってしまい、年長でもないのにフォーマンからは「あなたがリーダーよ」と告げられたファニーは怪訝そうな顔をしながらも皆と共に貨物に紛れるのだった。
列車、トラック、徒歩と、様々な移動手段を使ってスイス国境を目指す9人の子供たち。17歳のバイオリンを弾く17歳の少女はドイツ訛りがあるため、喋れないふりをしていたり、自分たちの命を守る本能が働いている。ユダヤ人を売って自らが助かろうとする密告者のいたり、彼らを助けてくれる優しい人もいる。旅に出てからはひたすらにユダヤ人であることを隠しているファニーたちだったが、この人なら助けてくれると確信すれば「私たちはユダヤ人です」と身分を明かす潔さ。この言葉には驚かされ、胸にぐさりと響いてくるのです。
子供たちの演技は幼いながらも素晴らしい。「うんちコアラ」とか、子供らしい発想でふざけてる様子や、空腹のため森の中の赤い実を食べて腹を下したり、過酷な逃亡生活の中でも自然な振る舞いが臨場感を出していて、つい観ている者もも子供たちの仲間入りしてしまいそうになる。終盤までハラハラさせられるし、上映時間も96分とお手頃サイズ。過酷ながらも清涼感のあるロードムービーでした。
〈2017年11月映画館にて〉
ナチスドイツ支配下のフランスからスイスへ、子ども達だけの逃避行を率いたユダヤ人少女の実話
13歳のファニーは戦時のある日突然、ナチスから逃れるためスイスとの
国境を目指す旅のリーダーに任命される。
手に汗握る逃避行。ファニーは次々に立ちふさがる困難な壁を機知を利かせながら乗り越えていく。怖ろしさ、不安な心を小さな子供たちに見せまいとするその健気な姿に心打たれる。
ドイツ兵に掴まった当初の旅のリーダー、エリーから託された手紙の中身が明かされた時、少し涙腺が緩む。
<この物語は、ファニー・ベン=アニーという女性が経験した実話をベースにしている>
スイス国境を目前に最後、決死の思いで斜面を駆けていく子供達の後ろ姿は忘れ難い。
<2017年8月14日 劇場にて鑑賞>
子どもの「生きる力」
少年少女がフランスからスイスに向けてドイツ兵から逃げる実話に基づいた物語。周りの大人の力を借りながら、幼いながらの判断力と決断力で困難な場面を打開していく、子どもたちの生きる力に勇気づけられる。
実話を基に…
ドイツの占領下、フランスからスイスへ逃げたユダヤ人の子供たちの物語。
ユダヤ人だと言うだけで迫害を受け、両親から引き離された子供たち。
大きなピンチがあるわけでも、派手な戦闘シーンがあるわけでもないけど…子供たちが緊張感の中にも子どもらしい逃避行。
惹き込まれるのは子供たちの演技。
子供目線のある意味戦争映画
ドンパチは無いけれど、戦争の影響を受けた子供たちを中心に描かれる戦争映画。
出会う人達の優しさや弱さが随所に出てきて哀しい感じ。裏切られるのも辛い。
そんな中でも子供の無邪気な一面は幸せを誘う。
前知識ゼロで何となく観た映画だったが大当たりだった。
三姉妹が可愛かった。
ファニー頑張れ‼︎
130本目‼︎
ファニー
たくましい‼︎
ちびっ子の台詞で
ユダヤ人が悪いんなら
やめちゃえばいいのに...
だったかな?って
このシーン
なんか辛かった
ホントやめれるなら
逃げなくて済むのにね
美化は不要です
子供達だけでスイスまでどのように旅をしたのか気になっていましたが、裏で善意ある方々の協力があったんですね。
これで戦争後に、別れた両親に会えたら良かったのですが・・・。残念です。
実話の映画化なので、美化する必要はないのですが、最後に国境のフェンスからダッシュする際、女の子がコケてファニーが助けに行きましたが、あのシーンは映画の為に付け足したのかな?と感じました。
主人公の少女は存命されてる実話らしい。
ユダヤ人子供達のナチスドイツに支配されたフランスからスイスへの脱出劇。
戦時下の話に関わらず戦闘シーンは皆無なのに最後まで静かな緊迫感につつまれます。
ユダヤ人というだけでこんな過酷な運命にさらされながら、ここ優しい人々がところどころに現れるところが唯一の救いか。
どっしり心に響きます。
全然Funnyでは無いファニー
終始、ハラハラしながら見ていた。子役全員が超カワイイ。実話がモチーフとのことだが、我が子がこんな状況だったらどうしようと胸が苦しくなった。こんな状況の中でも善意ある大人が登場したのが救いだ。
戦争と子どもの笑顔と純粋な心
国家、民族を超えて子どもの笑顔と純粋な心は共通なんだろうな。戦時下の中で見ると大人のエゴ、権力というものは全く意味がないものだと感じる。
子どもの目線から生きるための必死な逃亡、子どもに銃を向ける理不尽さ、平和がいかに大切なのかを事実に基づく話のなかであらためて考えさせられる作品でした。
予想通りのストーリー展開です。 実話をもとに、忠実に表現されている...
予想通りのストーリー展開です。
実話をもとに、忠実に表現されている部分と美化されている部分とあるのでしょうが、色彩、心の動きなど総じて平坦で暗く、どこか冷ややかな目線が入ってしまいます。それが実は殺伐とした時代の現実を見せられているのかも知れませんが。
第二次世界大戦中に子供が逃げ続ける話「ふたつの名前を持つ少年」の方が世界に引き込まれる感じを強く持ちました。
健気な子どもたち
ユダヤ人迫害の映画では、シンドラーのリストが1番好きだけど、この映画も素晴らしかった。
子どもたちも頑張ったけれど、心ある大人が助けたからこそ、生き残れたのだと、感慨深い。
ラスト、託された手紙がジグザグに走れというかのように舞い飛んで、涙腺がやられました。
身を引き締める思いがした
ホロコーストものだと知らないでみました。
映画の途中で気が付きましたがホロコーストものは何度も見ていたので知っていれば見なかったかもしれません。
でも結論としては見てよかったです。
ありきたりのストーリーで映像表現が違う=作品が違う、あらすじはどの映画も似たり寄ったり。
それでもこの手の映画は忘れないように頭に刻み込むように見たほうがいい、そう感じました。
それは映画のテーマを忘れないことだけではなく、緩みかけた日常の自分の生活を振り返る刺激、きっかけになり、幼い子どもが生死をかけて、振り絞って生きている、それが自分を見つけ直すことにつながると。
映画の中では子役の演技がとにかく素晴らしい
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