少女ファニーと運命の旅のレビュー・感想・評価
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残酷で美しい旅路
ナチス支配下のフランスからスイスへ、子どもたちだけで脱出した実話を基にした作品。美しい映像とスリリングな展開で飽きさせることなく娯楽作品としても歴史の悲劇を訴える作品としても完成度が高い。
9人の子どもたちが引率の大人と逸れてしまい(ナチスにつかまった者もいる)、子どもたちだけでナチスの監視網をかいくぐる。96分の上映時間で次々と危機が襲いかかり、緊張感が途切れることなく続く。残酷な旅だが、それでも子どもたちは楽しみも見出し、たくましい。
監督のローラ・ドワイヨンは名匠ジャック・ドワイヨンの娘だが、子どもを瑞々しく描く手腕は父親にも負けていない。『ポネット』のような美しい少女が本作にも多数登場する。特に注目はミヒャエル・ハネケの『ハッピーエンド』にも出演したファンティーヌ・アルドゥアンだろう。本作では台詞は少ないが存在感は抜群。強いスター性を感じさせる。
子役の演技は素晴らしい。演出と脚本が無能
映画なのに。
ほとんど演出らしい演出のないまま、子供たちの旅はたんたんと進んでいきます。かなりがっかりしました。
どうして映画にしたんでしょう。
余計な演出を加えることが、歴史への冒涜になると考えたのでしょうか。
観客は、何を期待して映画館に運ぶのか、考えたことがあるのでしょうか。
例えば、今にも落ちそうなつり橋があるけど、そこを渡らなければ先に進めない。ドイツ兵がすぐそこまで来ていて、捕まったら終わりだ。というような演出は、素人の私でも考えますよ。いくらでも話を盛り上げられたでしょうに。
以下はネタバレになりますので、注意してください。
.子供たちは空腹のあまり、森で赤い果実を食べてしまい、食あたりを起こす。かなり弱い演出で、いきなり何人かの子が「ゲー」とやりだすので、ファニーが「何を食べたの?」「赤い木の実…」「私、助けを呼んでくる」
その前に、映画なら空腹のあまり、変なものを拾って食べる子供たちの描写のひとつもあるでしょうに。確かに、トウモロコシ畑で、まだ熟していないトウモロコシを食べようとして「かたい…」「変な味がする…」と言って、ほとんど口にしないまま捨てる描写はあったけど……
大人を呼びに行くのなら、初めからそうすればいいのに、どうしてそうなるのでしょう。で、ひとりの子供が持っていた札束で、大人の人を呼んできて、荷車に乗せてもらう。幌の中から、ドイツ戦車とドイツ兵が…
どうして、その子はお金を持っていたのか、特に説明はありません。ただ、途中で札束が風に飛ばされ、子供たちが無心にお札を拾って集める幻想的なシーンがあるだけです。すぐにドイツ兵が追ってきて、子供たちは木に登って隠れますが、その時に、またお札が風に飛ばされ、見つかりそうになりますが、ドイツ兵は「誰かが落としたんだろう」くらいに立ち去ってしまいます。
ここでも、子供たちが命からがら、必死に木に登るような描写は無く、ドイツ兵が来た時にはもう木に登っています。
映画の冒頭で、木に登って母親の手紙を読むファニーのシーンはあるにはありますが、他の小さい子たちはどうやって木に登ったのでしょうか。
・並んで歩きながら、歌を歌って気持ちを盛り上げていた子供たち。「シーッ静かに!」すると近くに川の流れる音。子供たちは、とてものどが渇いていたので、夢中で水を飲み、やがて水遊びを始めます。ほのぼのとした、印象的なシーンですが、その前に、のどが渇いて苦しそうな子供の描写は一切ありません。水場にたどり着いて、一安心みたいなヤマ場にならないのです。その前の追い詰められる描写がないから。
・大人になったファニーのモノローグが入り、「あの時私は追い詰められていた。」とか「実はこの時、ドイツ兵がすぐそばまで迫っていた」みたいな解説があれば、子供たちが旅の途中、どんな状況か分かりやすかったでしょうが、一切そのような説明的なものがありません。ファニー・ベン=アミの自伝が2011年にフランス語に翻訳されたのを機に、映画化されたようです。自伝の映画化であれば、通常この手法がとられますが、監督はこのような演出が嫌いだったのでしょうか。ちなみに、監督はジャック・ドワイヨンの娘で、ローラ・ドワイヨンが努めました。おそらく彼女に次のチャンスは無いでしょう。気の毒ですが。親の七光りは一回こっきりにしてほしいものです。
・それらしい演出と言えば、エリーから託された大切な手紙には何も書いて無く白紙。ドイツ兵の銃弾から逃げ出すときにその手紙が風に飛ばされ、ファニーについてくる。「ドイツ兵に撃たれたらジグザグに逃げろ。弾が当たりにくい」という、キッチンで交わされた前半の何気ない会話がきっと伏線なのでしょう。ファニーは何となくジグザグに走っているように見えます。見ようによっては手紙に導かれているようにも見えなくもない、でも、走れない子供を背負っているので、正直「あれジグザグか?」程度にしか見えません。
ほんの映画の一場面ですが、全編にわたって、この調子なので、盛り上げる展開でも、何も盛り上がりません。いい大人が、お金集めて、時間遣って、子供たちを何千人オーディションして、映画撮ってんだから、脚本が弱すぎるくらいのことは気づくでしょう。
あえて、この演出で行く。という決断があったとしか思えません。
私が映画に期待したのは、下世話な言い方ですが、「はじめてのおつかい、第二次世界大戦編」でした。そんな期待、抱くことが不謹慎なんでしょうかね。
この映画で良かったのは、子供たちが口ずさむ、印象的な歌と、主役の女の子の見せる、リーダー役に選ばれた苦悩の演技。子供たちの振る舞いはとても自然で、なんとかしてスイス国境にたどり着いて欲しいと、思わずにはいられません。
それ以外、見るべきもののない残念な映画です。
タイトルなし(ネタバレ)
「ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女」を見た人は、この映画を見るべし。
あるユダヤ系の方のお話。「サラの鍵」からの引用だと思う。
「もう、ヨーロッパには戻りたくない」そんなユダヤ系の方もいるって事。
西ドイツで孤独な死を迎えた老人(ステラ)は、本当にユダヤ系ドイツ人だったのだろうか?
兎に角、必死に逃げる。
「脱走山脈」「サウンドオブミュージック」を見よう。
彼女達に危害を加える警官は、明らかなフランス人。ビシー政権の手先として描かれているが、戦後彼らは3,000人近くB級戦犯で死刑判決を受けている。もっとも、多くが減刑になっているので、その後の事はわかってないが。だからではないが、今でも反ユダヤ主義者は根強く蔓延っている。
カンボジアのクメールルージュは、幹部であっても死刑判決すら受けずに拘留された。そして、減刑でクメールルージュの多くの面々が世に出ている。
カンボジアの考え方としては、そう言った戦争犯罪者をこの世から抹殺すると、次にそう言う時代になった時、どう対処したら良いか分からないと言う理由らしい。
つまり、「僕は君たちをゆるす事にした」って事だ。
まぁ、大乗仏教の国である事なんだね。
子役みんなが可愛いい…
ユダヤ人の13歳の少女ファニーがリーダーとなり、幼い子ども達を連れ、ナチス占領下のフランスからスイスへの国境超えを目指す実話ベースのストーリー。タイトルからは想像できない、死と隣り合わせの逃避行だが、子役みんなの可愛らしさ、無邪気な様で、それを一瞬忘れてしまう。実際もファニー自身がまだ子どもで不安で堪らなかっただろうが、頼ってくる子どもたちを鼓舞し、飢えをしのぎ、機転を利かせ、諦めさせず、導いたのだろう。手紙が舞い、ジグザグに走り、銃撃を避けるラストシーンは創作だろうが、良かった。エンドロールで本人が出るが戦後、フランスに戻るものの両親に会えなかったという事実が何ともやるせない。
発砲されたらジグザグに逃げろ!
1943年のナチス統治下にあったフランス。ユダヤ人の子供たちが親と別れ、支援組織が秘かに運営する児童施設に匿われていた。ある児童施設で13歳の少女ファニー(レオニー・スーショー)が幼い2人の妹エリカ、ジョルジェットと共に入所する。まもなく、密告者によってナチスの魔の手が近づいてくると判断し、マダム・フォーマン(セシル・ドゥ・フランス)が経営する施設へと移る子供たち。
それでもなお、ナチスの影はちらついてくる。再度の逃避行を始める前夜に、フォーマンは子供たちにフランス人ぽい名前を与えて、彼らに復唱させるのだった。もしかすると、うっかり本名を言ってしまう子供がいるんじゃないかと思っていたら、みんな健気にフォーマンの言いつけを素直に守るのです。どこに向かうかと問われたら必ず「林間学校に行く」と答えるように教えられ、とにかくスイスまで逃げなくてはならない。5歳くらいの小さな子にしたって、ナチスの怖さがどんなものか知らないハズなのに、自分を守ることに懸命になる。このいじらしさがまた涙腺を刺激する。
フォーマンはアンヌマスに到着すれば合流できるから!と、ナチスが乗り込んだ列車から子供たちを引き離すように奮闘し、自らが偽造パスポートで最大限の演技をする。橋が爆破されたとかで、貨物列車に逃げ込む子供たち。この駅では料理人の兄さんと離ればなれになってしまい、年長でもないのにフォーマンからは「あなたがリーダーよ」と告げられたファニーは怪訝そうな顔をしながらも皆と共に貨物に紛れるのだった。
列車、トラック、徒歩と、様々な移動手段を使ってスイス国境を目指す9人の子供たち。17歳のバイオリンを弾く17歳の少女はドイツ訛りがあるため、喋れないふりをしていたり、自分たちの命を守る本能が働いている。ユダヤ人を売って自らが助かろうとする密告者のいたり、彼らを助けてくれる優しい人もいる。旅に出てからはひたすらにユダヤ人であることを隠しているファニーたちだったが、この人なら助けてくれると確信すれば「私たちはユダヤ人です」と身分を明かす潔さ。この言葉には驚かされ、胸にぐさりと響いてくるのです。
子供たちの演技は幼いながらも素晴らしい。「うんちコアラ」とか、子供らしい発想でふざけてる様子や、空腹のため森の中の赤い実を食べて腹を下したり、過酷な逃亡生活の中でも自然な振る舞いが臨場感を出していて、つい観ている者もも子供たちの仲間入りしてしまいそうになる。終盤までハラハラさせられるし、上映時間も96分とお手頃サイズ。過酷ながらも清涼感のあるロードムービーでした。
〈2017年11月映画館にて〉
ナチスドイツ支配下のフランスからスイスへ、子ども達だけの逃避行を率いたユダヤ人少女の実話
実話を基に…
子供目線のある意味戦争映画
ファニー頑張れ‼︎
130本目‼︎
ファニー
たくましい‼︎
ちびっ子の台詞で
ユダヤ人が悪いんなら
やめちゃえばいいのに...
だったかな?って
このシーン
なんか辛かった
ホントやめれるなら
逃げなくて済むのにね
美化は不要です
主人公の少女は存命されてる実話らしい。
戦争と子どもの笑顔と純粋な心
予想通りのストーリー展開です。 実話をもとに、忠実に表現されている...
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